ある貧乏人が金持ちの家へ行って、大みそかの日に肉を一斤売ってくれと訪ねるが、金持ちは「お前ら貧乏人に金があるのか」と言う。貧乏人は「金はないが儲けて払いますからお願いします」と頼むが断られ追い返される。その夜、乞食が宿を貸してくれとやって来る。正直な貧乏人は「自分の家には敷物も何もない、向こうの家に行けば何もかもそろっています。そこで泊まったらどうですか」と言う。乞食が、土間でもどこでもいいからと言うので、それならばとバナナの葉を切ってきて、それを敷いた。乞食が「あなた達は食べ物も何もないのですか」と問う。「ありません」「それではなべに水を入れてかけなさい」と言う。言うとおりにすると「もう焚けているから蓋をあけてみなさい」と言う。中には昆布、肉、豆腐、などがいっぱい入っている。爺さん婆さんは「こんなご馳走は生まれて初めてだ」と喜んだその乞食は本当は神だった。その晩、神様は「朝になるとむこうから鍋を借りてきて湯を沸かして浴びなさい」と言った。翌朝、その神の姿は見えず、寝ていたところには小判が山のように積まれていた。言われたとおりに湯を沸かして浴びると二人とも17、18才に若返った。婆さんが隣の家に鍋を返しに行くと「あなたはあの家の娘か」と尋ねられるので、いつもの婆さんだと答えると、金持ちは「冗談じゃない」「いや本当ですよ」「どうしてこんな若くなったのだ」と言うので、この鍋でお湯を沸かして浴びたらこうなったと答えると、金持ちは「そうか」と言って自分達も湯を沸かして浴びてみると、鳥と猿になり家から出て行った。それから再び神が現れ、「あの家にはもう主がいないから、あの家にあなた達は住みなさい」と言う。引っ越すと猿がやってきて「私の家を返せ」と言っては庭石の上に座る。毎晩猿がやって来るので、爺さんと婆さんは手を合わせて「こういうことなので自分達の家に帰ります。この家はもういりません」と言う。再度、神様が現れ「猿が来る時間に、その石を焼いておきなさい」と言う。言われたとおりにしておくと、そこに猿がやって来て座った。それで猿の尻は焼けてしまい赤くなってしまった。
| レコード番号 | 47O380120 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C005 |
| 決定題名 | 猿長者(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 大歳の客 |
| 話者名 | 波名城常臣 |
| 話者名かな | はなしろつねおみ |
| 生年月日 | 19121010 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県国頭郡東村字宮城 |
| 記録日 | 19790802 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 東村 宮城魚泊 T03 B03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 村の長老から聞いた。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 貧乏人,金持ち,大みそか,肉,乞食,宿,なべ,ご馳走,神様,湯,小判,鳥,猿,主,家,庭石,尻 |
| 梗概(こうがい) | ある貧乏人が金持ちの家へ行って、大みそかの日に肉を一斤売ってくれと訪ねるが、金持ちは「お前ら貧乏人に金があるのか」と言う。貧乏人は「金はないが儲けて払いますからお願いします」と頼むが断られ追い返される。その夜、乞食が宿を貸してくれとやって来る。正直な貧乏人は「自分の家には敷物も何もない、向こうの家に行けば何もかもそろっています。そこで泊まったらどうですか」と言う。乞食が、土間でもどこでもいいからと言うので、それならばとバナナの葉を切ってきて、それを敷いた。乞食が「あなた達は食べ物も何もないのですか」と問う。「ありません」「それではなべに水を入れてかけなさい」と言う。言うとおりにすると「もう焚けているから蓋をあけてみなさい」と言う。中には昆布、肉、豆腐、などがいっぱい入っている。爺さん婆さんは「こんなご馳走は生まれて初めてだ」と喜んだその乞食は本当は神だった。その晩、神様は「朝になるとむこうから鍋を借りてきて湯を沸かして浴びなさい」と言った。翌朝、その神の姿は見えず、寝ていたところには小判が山のように積まれていた。言われたとおりに湯を沸かして浴びると二人とも17、18才に若返った。婆さんが隣の家に鍋を返しに行くと「あなたはあの家の娘か」と尋ねられるので、いつもの婆さんだと答えると、金持ちは「冗談じゃない」「いや本当ですよ」「どうしてこんな若くなったのだ」と言うので、この鍋でお湯を沸かして浴びたらこうなったと答えると、金持ちは「そうか」と言って自分達も湯を沸かして浴びてみると、鳥と猿になり家から出て行った。それから再び神が現れ、「あの家にはもう主がいないから、あの家にあなた達は住みなさい」と言う。引っ越すと猿がやってきて「私の家を返せ」と言っては庭石の上に座る。毎晩猿がやって来るので、爺さんと婆さんは手を合わせて「こういうことなので自分達の家に帰ります。この家はもういりません」と言う。再度、神様が現れ「猿が来る時間に、その石を焼いておきなさい」と言う。言われたとおりにしておくと、そこに猿がやって来て座った。それで猿の尻は焼けてしまい赤くなってしまった。 |
| 全体の記録時間数 | 6:39 |
| 物語の時間数 | 6:32 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |