普天間権現はそれほどに美人であられた。自分の同級生は[女を見たかったのだが]、この美人は家から出なかった。出て来なかったので、もうそこで同級生同士がね[相談をしたらしい]。問答をしてよ、問答をすれば、どうにか出てくるはずだからと[企んだ]。その女はあまりにも美人で、人には見られないという話だからともう今日はどうにか見たいものだと同級生が都合をつけて[集まった]。その女性の家の前で問答を起こしたらしい。するともう、ずっと[家の前で]言い合っているが何だろうと、自分の部屋に籠っていたのだが。美くしすぎて人には見られなかったというのだが。すると、それからもう、出て来て見られてしまったようだ。そうしたら、一人の同級生が、「もう今日には見たよ、ゃ見たよ。」と、喜んだらしい。「あー、今日は見られて喜ばれてしまった。そこにいてもどうするか。私は普天間の、ぃ石の中に行った方が良いと。自分で普天間権現に追われて行って隠れに行ったって。それから、台湾に旅にいらっしゃる人が普天間権現の前で手を合わせたら。昔はね、今のように飛行機もないから帆船でしか[航海]もしなかった。[そこで、ある人が旅に行くことにあんり]無事に勤めを終えるようにと。太刀も供えてよ、拝みに行って、太刀はそこに抜いて置いたらしい。普天間権現で抜いて置いて拝んだらしい。そこに太刀は置いて、「私は一時の間勤めに出ますから、台湾での勤めですから立派にめを終えさせてください。」と、手を合わせたって。船が出る時にはプーと汽笛もなったからね、昔は。那覇港から汽笛もなって[船は出たから]、「はー、太刀がない、大変なことになったなあ。」と。太刀を忘れてきたらしい。自分の太刀は。忘れていらっしゃったから、船はもう帆をあげて出てしまった。そこですぐに方向を当てて、「もう、私は太刀を忘れてきていますので、私が帰って来る間、その太刀は普天間権現の御神加那志で預かって下さい。」と、手を合わせたらしい。またそうしてね、また普天間権現で、拝みをする人が、「へーなー、近頃は普天間権現ぃの前には長ハブが這っているよ。」とおっしゃったって。ハブに見えて、その太刀はその人が勤めを終えて来る間が預かっていらっしゃったって。それでよー、そうして預かっていらっしゃって、私が勤めを終えて来る間は何も変わりなく預かっていらっしゃったって。そうしたら、それから船から下りたから、当座すぐに普天間権現にいらっしゃったってー。すると順に太刀はあったって。「預かって下さって有り難う。有り難う御座いました。ー」と。御礼を七回してね。だから旅人はみんな忘れずに手を合わせた行くのが良いって。
| レコード番号 | 47O220718 |
|---|---|
| CD番号 | 47O22C032 |
| 決定題名 | 普天間権現由来 苧環型 刀は蛇(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 普天間権現由来 苧環型 刀は蛇 |
| 話者名 | 松本マツ |
| 話者名かな | まつもとまつ |
| 生年月日 | 18920212 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県大宜味村田港 |
| 記録日 | 19830305 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 大宜味村田港T27B08 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 普天間権現,美人,人には見られない,同級生,家の前,問答,見られた,隠れた,台湾,旅,帆船,太刀,忘れた,長ハブ, |
| 梗概(こうがい) | 普天間権現はそれほどに美人であられた。自分の同級生は[女を見たかったのだが]、この美人は家から出なかった。出て来なかったので、もうそこで同級生同士がね[相談をしたらしい]。問答をしてよ、問答をすれば、どうにか出てくるはずだからと[企んだ]。その女はあまりにも美人で、人には見られないという話だからともう今日はどうにか見たいものだと同級生が都合をつけて[集まった]。その女性の家の前で問答を起こしたらしい。するともう、ずっと[家の前で]言い合っているが何だろうと、自分の部屋に籠っていたのだが。美くしすぎて人には見られなかったというのだが。すると、それからもう、出て来て見られてしまったようだ。そうしたら、一人の同級生が、「もう今日には見たよ、ゃ見たよ。」と、喜んだらしい。「あー、今日は見られて喜ばれてしまった。そこにいてもどうするか。私は普天間の、ぃ石の中に行った方が良いと。自分で普天間権現に追われて行って隠れに行ったって。それから、台湾に旅にいらっしゃる人が普天間権現の前で手を合わせたら。昔はね、今のように飛行機もないから帆船でしか[航海]もしなかった。[そこで、ある人が旅に行くことにあんり]無事に勤めを終えるようにと。太刀も供えてよ、拝みに行って、太刀はそこに抜いて置いたらしい。普天間権現で抜いて置いて拝んだらしい。そこに太刀は置いて、「私は一時の間勤めに出ますから、台湾での勤めですから立派にめを終えさせてください。」と、手を合わせたって。船が出る時にはプーと汽笛もなったからね、昔は。那覇港から汽笛もなって[船は出たから]、「はー、太刀がない、大変なことになったなあ。」と。太刀を忘れてきたらしい。自分の太刀は。忘れていらっしゃったから、船はもう帆をあげて出てしまった。そこですぐに方向を当てて、「もう、私は太刀を忘れてきていますので、私が帰って来る間、その太刀は普天間権現の御神加那志で預かって下さい。」と、手を合わせたらしい。またそうしてね、また普天間権現で、拝みをする人が、「へーなー、近頃は普天間権現ぃの前には長ハブが這っているよ。」とおっしゃったって。ハブに見えて、その太刀はその人が勤めを終えて来る間が預かっていらっしゃったって。それでよー、そうして預かっていらっしゃって、私が勤めを終えて来る間は何も変わりなく預かっていらっしゃったって。そうしたら、それから船から下りたから、当座すぐに普天間権現にいらっしゃったってー。すると順に太刀はあったって。「預かって下さって有り難う。有り難う御座いました。ー」と。御礼を七回してね。だから旅人はみんな忘れずに手を合わせた行くのが良いって。 |
| 全体の記録時間数 | 4:41 |
| 物語の時間数 | 4:32 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◯ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |