生き返った娘(シマグチ)

概要

ある若い女の人が後生〔墓〕へ行ったんだと。そしたらまた知り合いの男が墓のあたりに草刈りに行ったらしい。「ああ、あんたは、私と同級生だったのに、もうあんたは後生へ行ってしまったねえ。」と、言葉をかけてね、その墓の近くで草を刈っていたら、すると、墓の中で、カンカンと音がしたらしいのでね、「なんとも不思議なことだ。あの人は後生へ行ったんだもの。今日で三日ほどになるけど、試しに開けてみよう。」と言って、墓の入口を開けてみた。開けてみると棺箱がもうクルクル回って若い女の人が外に出て、「助けてください。」と言ったので、助けてあげたらしい。女は助けられたので、「もう私はあなたが助けてくれたから、あなたの妻になります。」と言った。そしたら男は、「なんだって。あんたほんとに私の妻になるというのか。どうして、私はただ草刈りに来ただけなのに、そんなことをいうのか。」と言ったらしい。死んでから三日経っていて助けたので、「この人はまだ生きているぞ。」と知らせたから、兄弟たちがみんなやってきて、家に連れ帰ったらしい。その女は男に助けられたけれども、親たちが、この助けた男のほかにまた縁組みをしていたってよ。「でも、あの人は私の妻になると、あの人のほうから言い出したのだから。私が助けたんだから、私が妻にします。」と男は言った。そしたら、「そんなことはできない。もう縁組みされているのだから。」と言われた。そして、縁組みをした相手と結婚式をあげようとしたらね、この女の方が承知しなかった。「命を助けてくれた人と縁組みをするのだ。ほかの人とはしないよ。」と言ってね、この助けた人とそのまま結婚式をあげて、夫婦になって、立身したってよ。昔はこんなふうに地葬(ちそう)したとき三日後に生き返った人が墓から出たので、三日後には墓参りをするようになったんだって。だからね、私たちの後生は、今はもう火葬するでしょ。火葬してもまた三日後には墓に行く。

再生時間:3:31

民話詳細DATA

レコード番号 47O220717
CD番号 47O22C032
決定題名 生き返った娘(シマグチ)
話者がつけた題名 生き返った娘
話者名 松本マツ
話者名かな まつもとまつ
生年月日 18920212
性別
出身地 沖縄県大宜味村田港
記録日 19830305
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 大宜味村田港T27B07
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情 昔の人から
文字化資料 『おおぎみの昔話』(平成10年3月31日 大宜味村教育委員会発行)P48
キーワード 若い女,後生〔墓〕,男,草刈り,墓の中,音,三日,助ける,縁組み,三日後に墓参り
梗概(こうがい) ある若い女の人が後生〔墓〕へ行ったんだと。そしたらまた知り合いの男が墓のあたりに草刈りに行ったらしい。「ああ、あんたは、私と同級生だったのに、もうあんたは後生へ行ってしまったねえ。」と、言葉をかけてね、その墓の近くで草を刈っていたら、すると、墓の中で、カンカンと音がしたらしいのでね、「なんとも不思議なことだ。あの人は後生へ行ったんだもの。今日で三日ほどになるけど、試しに開けてみよう。」と言って、墓の入口を開けてみた。開けてみると棺箱がもうクルクル回って若い女の人が外に出て、「助けてください。」と言ったので、助けてあげたらしい。女は助けられたので、「もう私はあなたが助けてくれたから、あなたの妻になります。」と言った。そしたら男は、「なんだって。あんたほんとに私の妻になるというのか。どうして、私はただ草刈りに来ただけなのに、そんなことをいうのか。」と言ったらしい。死んでから三日経っていて助けたので、「この人はまだ生きているぞ。」と知らせたから、兄弟たちがみんなやってきて、家に連れ帰ったらしい。その女は男に助けられたけれども、親たちが、この助けた男のほかにまた縁組みをしていたってよ。「でも、あの人は私の妻になると、あの人のほうから言い出したのだから。私が助けたんだから、私が妻にします。」と男は言った。そしたら、「そんなことはできない。もう縁組みされているのだから。」と言われた。そして、縁組みをした相手と結婚式をあげようとしたらね、この女の方が承知しなかった。「命を助けてくれた人と縁組みをするのだ。ほかの人とはしないよ。」と言ってね、この助けた人とそのまま結婚式をあげて、夫婦になって、立身したってよ。昔はこんなふうに地葬(ちそう)したとき三日後に生き返った人が墓から出たので、三日後には墓参りをするようになったんだって。だからね、私たちの後生は、今はもう火葬するでしょ。火葬してもまた三日後には墓に行く。
全体の記録時間数 3:38
物語の時間数 3:31
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP