昔の話だけど、若い男が尾類をかこっていたって。それで、後から自分は嫁さんをさがして、その妻が、子を産んだそうだ。満産祝いをやると言って、「自分が昔、客になった尾類は、歌も三味線も上手だから、その尾類を呼んで来て三味線をやってにぎわそう」と言って、そこへ行く途中、その尾類が後ろ向きで立っていたらしい。「お前を呼ぼうと思っていた。いいところで会った」と言って、その女を連れて行って、歌、三味線をさせていた。そこへ、部落のお客さんがいらっしゃって、「えーっ、お前たちの歌も三味線も華やかなことよ。どこの人がいらっしゃっているのかね」と言って、そして手の箒の間から見ると、これは骸骨だったって。「ああ、これはもう大変」と言って、それで、ある人を呼んで、「立っている人は、あれは人間ではない。早くここから行かさないと大変になるよ」と言った。「どうしたら、そいつは立つのかね」「こうして逆さまに箒を立てれば、すぐ席を立つよ、早くそれからしなさい」って。そうすると、この女はいなくなった。で、「出るよ」と言って、後を追って行った。そこの男達は、それの墓は分からなかったけど、魂が行く後を追って行ったら、それは尾類アンマーの墓だった。で、「お前は、女の子が今まで何をしていたんだ」「昔の客が、子を産んで満産の祝いで、そこに行っていたんだよ」「嘘をつくな。本当ならばその子を連れてきなさい」「どうしたら、その子を連れ出せるかね」「クシャミをさせれば連れ出せるから」って、話しているのを聞いた。そこにひかえていた青年達は驚いて、すぐ先廻りして家に行って、「あれは、あの世の人だったよ、後生のアンマーと喧嘩してね、アンマーが叱って、今、クシャミをさせてから、その子、連れ出すっていっていたよ」と言って、「さあ、クシャミをしたら、みんなで、クスクェーって言わないと、その子は連れ去られるから、さあ、クスクェーって言いなさいよー」と言った。それで、みんな集まって、子がちょうどクシャミをしたので、「クスクェー」って叫んだ。もう、それは子供の魂が取れずに行ってしまった。翌朝行って、墓を見たら、骸骨が残っていたって。
| レコード番号 | 47O220482 |
|---|---|
| CD番号 | 47O22C023 |
| 決定題名 | クスクェー由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | クスクェー由来 |
| 話者名 | 前田スミ |
| 話者名かな | まえだすみ |
| 生年月日 | 19180115 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県大宜味村根路銘安根 |
| 記録日 | 19830304 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 大宜味村饒波T20A08 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | あのね、むかしよ |
| 伝承事情 | 昔、人から |
| 文字化資料 | 『おおぎみの昔話』(平成10年3月31日 大宜味村教育委員会発行)P184 |
| キーワード | 若い男,尾類,かこっていた,嫁さん,妻,子を産んだ,満産祝い,客になった,歌も三味線も上手,行く途中,後ろ向きで立っていた,女,お客さん,手の箒の間から見る,骸骨,ある人を呼ぶ,人間ではない,逆さまに箒を立てれ,席を立つ,後を追って行った,男達,墓,魂,尾類アンマーの墓,昔の客,クシャミ,連れ出せる,聞いた,青年達は驚く,先廻りして家に行く,あの世の人,後生のアンマー,クスクェー,翌朝,墓を見た |
| 梗概(こうがい) | 昔の話だけど、若い男が尾類をかこっていたって。それで、後から自分は嫁さんをさがして、その妻が、子を産んだそうだ。満産祝いをやると言って、「自分が昔、客になった尾類は、歌も三味線も上手だから、その尾類を呼んで来て三味線をやってにぎわそう」と言って、そこへ行く途中、その尾類が後ろ向きで立っていたらしい。「お前を呼ぼうと思っていた。いいところで会った」と言って、その女を連れて行って、歌、三味線をさせていた。そこへ、部落のお客さんがいらっしゃって、「えーっ、お前たちの歌も三味線も華やかなことよ。どこの人がいらっしゃっているのかね」と言って、そして手の箒の間から見ると、これは骸骨だったって。「ああ、これはもう大変」と言って、それで、ある人を呼んで、「立っている人は、あれは人間ではない。早くここから行かさないと大変になるよ」と言った。「どうしたら、そいつは立つのかね」「こうして逆さまに箒を立てれば、すぐ席を立つよ、早くそれからしなさい」って。そうすると、この女はいなくなった。で、「出るよ」と言って、後を追って行った。そこの男達は、それの墓は分からなかったけど、魂が行く後を追って行ったら、それは尾類アンマーの墓だった。で、「お前は、女の子が今まで何をしていたんだ」「昔の客が、子を産んで満産の祝いで、そこに行っていたんだよ」「嘘をつくな。本当ならばその子を連れてきなさい」「どうしたら、その子を連れ出せるかね」「クシャミをさせれば連れ出せるから」って、話しているのを聞いた。そこにひかえていた青年達は驚いて、すぐ先廻りして家に行って、「あれは、あの世の人だったよ、後生のアンマーと喧嘩してね、アンマーが叱って、今、クシャミをさせてから、その子、連れ出すっていっていたよ」と言って、「さあ、クシャミをしたら、みんなで、クスクェーって言わないと、その子は連れ去られるから、さあ、クスクェーって言いなさいよー」と言った。それで、みんな集まって、子がちょうどクシャミをしたので、「クスクェー」って叫んだ。もう、それは子供の魂が取れずに行ってしまった。翌朝行って、墓を見たら、骸骨が残っていたって。 |
| 全体の記録時間数 | 2:32 |
| 物語の時間数 | 2:30 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |