雀孝行(共通語)

概要

昔、昔、ある昔よ、お爺さんとお婆さんが住んでいて、お爺さんが病気で、もう亡くなりそうになったって。そのときには、このカーラカンジューヤーっていう人と、また今のクラー小と名前ついてるけど、クラー小っていう人が二人兄弟だったらしい。そいで、今、この父親が死ぬ間際になったから、「二人とも外で遊ばないで、親の死ぬのを見取ってあげなさい。」って、そこに使いに行かしたって。父親が危篤と聞いても、カーラカンジューヤーは、おしゃれだから、水鏡を見てね、川で遊んでいたって。そのときにクラー小っていうのは、「これは大変だ。親が死ぬっていうところだから、何を置いても早く走って行かねばならないから。」と走って家に帰って来たら、やっと父親はまだそのときまで息が残っていたらしいね。父親がね、クラー小に、「ああ、お前は帰って来たか、そんならカーラカンジューヤーはどうしたか。」と言ったら、「あれは川に降りて、水浴びしたり、水鏡見たりして後になっているから、ちょっと遅れるかも知れないけど、私は親の死に目を見取ってあげないといけないからと思って、なにもかも捨てて走って来ましたよ。」と言っていたって。またその親が死のうとするときに、クラー小には、「親がいざ死ぬとなったら何を置いても、こうやって飛んできてくれたんだから、あんたは親孝行者だから、あんたにそれだけの徳を与えてあげるからね。私が死んだ後は、あなたの子孫はうんと増やしなさい。また一生暮らすにはもう食べ物が大変だからこの米倉の中で、あんたがたは生活して、子孫増やして一生暮らしなさい。」と言ったそうだ。だから、クラー小は、米倉に巣を作って、子孫もたくさん増えているんだよ。またその後で、川で遊んでいたカーラカンジュヤーが来たんでないかね。父親はもう死んでいるから、遺言だけは、このカーラカンジュヤーには話したらしい。「カーラカンジュヤーっていうのは、同じ子供ながらも親の死に目を見取ってくれないもんだよ。あれは親不孝だから、あれには何にもあげない。こんな親不孝者の子供ができたらまたね、みんなに影響するんだから、あんたの子孫はかえっていないほうがいいから、あんたの一生はあんたで終わりなさい。」と言ってね、またカーラカンジュヤーに、「あんたが生きている限りはあの川原から上に上がったらいけないよ。あんたは川の中をこう行ったり来たりして水鏡と遊んで、川の鮒をくわえて魚を取って食べて、この世を終わりなさいよ。」って遺言されたんだよ。だから、カーラカンジューヤーは親不孝だから、冬でも寒いけどとうとう川から上に上がることもできず、魚を食べて暮らしていたって。私たちが小さいうちまではカーラカンジューはいたよ。その羽根が青、赤とピンク色で、何色かは混じっていてきれいな鳥よ。あれはいつも川で水鏡と遊んでいたね。でも、カーラカンジューヤーというのはこのごろ見たことがないよ。やはりもういなくなったのかねえ。

再生時間:3:02

民話詳細DATA

レコード番号 47O362005
CD番号 47O36C078
決定題名 雀孝行(共通語)
話者がつけた題名
話者名 佐久本照子
話者名かな さくもとてるこ
生年月日 19180528
性別
出身地 沖縄県北中城村字渡口
記録日 19910303
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 北中城村補足調査6班T45A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 動物昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 北中城の民話 P514
キーワード 病気,カーラカンジューヤー,クラー,兄弟,親孝行,倉,米倉,遺言,親不孝,雀,川蝉,かわせみ
梗概(こうがい) 昔、昔、ある昔よ、お爺さんとお婆さんが住んでいて、お爺さんが病気で、もう亡くなりそうになったって。そのときには、このカーラカンジューヤーっていう人と、また今のクラー小と名前ついてるけど、クラー小っていう人が二人兄弟だったらしい。そいで、今、この父親が死ぬ間際になったから、「二人とも外で遊ばないで、親の死ぬのを見取ってあげなさい。」って、そこに使いに行かしたって。父親が危篤と聞いても、カーラカンジューヤーは、おしゃれだから、水鏡を見てね、川で遊んでいたって。そのときにクラー小っていうのは、「これは大変だ。親が死ぬっていうところだから、何を置いても早く走って行かねばならないから。」と走って家に帰って来たら、やっと父親はまだそのときまで息が残っていたらしいね。父親がね、クラー小に、「ああ、お前は帰って来たか、そんならカーラカンジューヤーはどうしたか。」と言ったら、「あれは川に降りて、水浴びしたり、水鏡見たりして後になっているから、ちょっと遅れるかも知れないけど、私は親の死に目を見取ってあげないといけないからと思って、なにもかも捨てて走って来ましたよ。」と言っていたって。またその親が死のうとするときに、クラー小には、「親がいざ死ぬとなったら何を置いても、こうやって飛んできてくれたんだから、あんたは親孝行者だから、あんたにそれだけの徳を与えてあげるからね。私が死んだ後は、あなたの子孫はうんと増やしなさい。また一生暮らすにはもう食べ物が大変だからこの米倉の中で、あんたがたは生活して、子孫増やして一生暮らしなさい。」と言ったそうだ。だから、クラー小は、米倉に巣を作って、子孫もたくさん増えているんだよ。またその後で、川で遊んでいたカーラカンジュヤーが来たんでないかね。父親はもう死んでいるから、遺言だけは、このカーラカンジュヤーには話したらしい。「カーラカンジュヤーっていうのは、同じ子供ながらも親の死に目を見取ってくれないもんだよ。あれは親不孝だから、あれには何にもあげない。こんな親不孝者の子供ができたらまたね、みんなに影響するんだから、あんたの子孫はかえっていないほうがいいから、あんたの一生はあんたで終わりなさい。」と言ってね、またカーラカンジュヤーに、「あんたが生きている限りはあの川原から上に上がったらいけないよ。あんたは川の中をこう行ったり来たりして水鏡と遊んで、川の鮒をくわえて魚を取って食べて、この世を終わりなさいよ。」って遺言されたんだよ。だから、カーラカンジューヤーは親不孝だから、冬でも寒いけどとうとう川から上に上がることもできず、魚を食べて暮らしていたって。私たちが小さいうちまではカーラカンジューはいたよ。その羽根が青、赤とピンク色で、何色かは混じっていてきれいな鳥よ。あれはいつも川で水鏡と遊んでいたね。でも、カーラカンジューヤーというのはこのごろ見たことがないよ。やはりもういなくなったのかねえ。
全体の記録時間数 4:22
物語の時間数 3:02
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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