北谷シべーは、私達と同じ所の千原人でしたよ。屋号はミーフーガーシベーなのさ。腕力者で兎唇だったのがね、部落にある物は余り取らなかったって。そうして、大変才能があったわけさ。木を盗んだとき、約一里ぐらいあったのに木を括った注連縄があるが、その注連縄がひっきれたから、直線の道を這って、その縄小を引きずっりながら野里の付近まで、始終、「あっひょん。ほっほい。」言いながらすぐ、一間ずつ、飛んだり落ちたりしながら、北谷シベーは土手を飛ぶ鳥と同じように歩いたんだって。そのくらいその筋肉が強かったって。また昔、山に薪取りに行くその場合に、山当というのがいて、北谷シベーが松の木に登っているときに、山当に見つけられて、「お前は下りてきなさい。」と言われると、「嫌だあ。下りたら、殺されるから下りない。」「殺さないから下りてきなさい。」「それなら殺さないか。」と約束させてから北谷シベーは、松から逆さになって下りてきたって。それで、山当は驚いて逃げてしまったってさ。またそれとですね、昔は、監獄ってありましたが、塀の上には罪人が逃げないよに釘をしていたってよ。北谷シベーがそれを見て、役人に聞いたそうだ。「いったいこの釘は何のためにしているのか。」「お前達が逃げないようにだ。」と言われた。そしたら、北谷シベーは、「そんなら、逃げて見せようか。」「逃げられるなら、お前が逃げてみろ。」と言うから、北谷シベーは自分の着ている着物を濡らしておいて、その釘に引っ掛けて、ハイ、ヒャーと逃げてみせましてね、また捕まえたときね、役人が、「この釘で逃げられるなら、どうすればいいのだ。」と聞いたら、「玉の破片を割ってきちんと立てなさい。そうすると逃げられないさ。」と言って、それから塀に刺して置くのは、ガラス玉の破片になったという話。それから、北谷シベーは、更生しようとして久米島に行っていたが、やっぱし周囲が、「あいつは北谷シベーだってよ。」と言って嫌な目でみたので、立ち直ろうとしたが、やっぱりまたも駄目になったという話。
| レコード番号 | 47O361940 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C074 |
| 決定題名 | 北谷シベー(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 花城康福 |
| 話者名かな | はなしろこうふく |
| 生年月日 | 19161125 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県北谷町字茶野国 |
| 記録日 | 19811213 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村補足調査14班T39B04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 北谷シべー,千原人,ミーフーガーシベー,盗人,罪人 |
| 梗概(こうがい) | 北谷シべーは、私達と同じ所の千原人でしたよ。屋号はミーフーガーシベーなのさ。腕力者で兎唇だったのがね、部落にある物は余り取らなかったって。そうして、大変才能があったわけさ。木を盗んだとき、約一里ぐらいあったのに木を括った注連縄があるが、その注連縄がひっきれたから、直線の道を這って、その縄小を引きずっりながら野里の付近まで、始終、「あっひょん。ほっほい。」言いながらすぐ、一間ずつ、飛んだり落ちたりしながら、北谷シベーは土手を飛ぶ鳥と同じように歩いたんだって。そのくらいその筋肉が強かったって。また昔、山に薪取りに行くその場合に、山当というのがいて、北谷シベーが松の木に登っているときに、山当に見つけられて、「お前は下りてきなさい。」と言われると、「嫌だあ。下りたら、殺されるから下りない。」「殺さないから下りてきなさい。」「それなら殺さないか。」と約束させてから北谷シベーは、松から逆さになって下りてきたって。それで、山当は驚いて逃げてしまったってさ。またそれとですね、昔は、監獄ってありましたが、塀の上には罪人が逃げないよに釘をしていたってよ。北谷シベーがそれを見て、役人に聞いたそうだ。「いったいこの釘は何のためにしているのか。」「お前達が逃げないようにだ。」と言われた。そしたら、北谷シベーは、「そんなら、逃げて見せようか。」「逃げられるなら、お前が逃げてみろ。」と言うから、北谷シベーは自分の着ている着物を濡らしておいて、その釘に引っ掛けて、ハイ、ヒャーと逃げてみせましてね、また捕まえたときね、役人が、「この釘で逃げられるなら、どうすればいいのだ。」と聞いたら、「玉の破片を割ってきちんと立てなさい。そうすると逃げられないさ。」と言って、それから塀に刺して置くのは、ガラス玉の破片になったという話。それから、北谷シベーは、更生しようとして久米島に行っていたが、やっぱし周囲が、「あいつは北谷シベーだってよ。」と言って嫌な目でみたので、立ち直ろうとしたが、やっぱりまたも駄目になったという話。 |
| 全体の記録時間数 | 3:25 |
| 物語の時間数 | 3:05 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |