昔、鹿児島から戦を寄せて来たとき、沖縄の人は、「もうまた一大事になっているなあ。」と摂政三司官たちも大変ご心配なされたそうです。それで、仲里の御前は家に帰ってからも、「どうしたら、いいかな。」と言って、大変心配したから妹がお出でになられて、「ヤッチータイ、なにを心配されているんですか。」と言ったから、「なあ、鹿児島からまた戦が来るらしいさ。機嫌をそこなったら大変なことになるが、どうしたらいいかな。どんなして機嫌をとって帰そうかなあとみんなが心配しているんだよ。」と言ったら、この妹が、「心配しないでください。いい考えがあります。」と言うから、仲里の御前が、「どうやって。」と言ったらね、「男をお持てなしするのは、女の当たり前の仕事です。私たちが大変きれいな恰好をして行ってね、この男たちを落ち着けて、なだめてから国に帰しますから、私たちにまかせてください。」と妹が言ったらしい。だから、仲里の御前はもう大変心配していたときだから、「さあ、それじゃあ、お前の考えで頑張ってくれよ。」と言っていたって。そうしたら、仲里の御前の妹は一軒の家に何人かの女の人たちを集めて、大変きれいな恰好をさせて、これたちが鹿児島の客の相手をしたんだろう。鹿児島の人は戦に来たんだが、喜んでね、「はあ、沖縄はいい女がいるなあ。」と大変喜んでいたから、無事だったわけよね。そうしたら、仲里の御前の妹のおかげで、鹿児島の人はおとなしくなったから、人民も静かになって、そのうちに、鹿児島の人たちは沖縄から引き上げて行ったって。そして、鹿児島の兵隊が帰った後に、その妹がね、仲里の御前に、「私は、男の相手をしてね、もう鹿児島の男と関係をしているから、私は夫を持つことは出来ない。私をこのまま許してください。もうこれからは、鹿児島から来る男たちのね、お持てなしをするから、私を花の島へ落としてください。」と言われてね、尾類になられたって。これが沖縄の尾類の始めなんですよ。この人が尾遊になられて、それからも沖縄に来る鹿児島の人の相手をしているうちに年を取ったからね、この人がね、お願いしたらしい。「ねえ、ヤッチー、私が年をとって若い花が散ったら、私はどこにも行けないから親の家に来ますが、元のウミングワのようにね、取り立ててくれますか。」とウィキーの仲里の御前に言われたからね、仲里の御前は、「お前は国を救って、王様も救って来ているらから、立派にもり立ててあげるよ。」と言われたって。そうして、このときからね、「聞ちば仲里や花ぬもとぅでぃむぬ〔聞けば仲里は花の元という〕咲ち出らば一枝持たちたぼり〔咲いたら一枝欲しいものよ〕。」と、歌が出たそうだ。だから、尾類の始まりはね、仲里御殿から始まりが出たそうだ。
| レコード番号 | 47O361898 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C072 |
| 決定題名 | 尾類の始まり(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉真敏子 |
| 話者名かな | なかまとしこ |
| 生年月日 | 19101103 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19811213 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村補足調査7班T38A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | お年寄りや母親から聞いた |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P308 |
| キーワード | 鹿児島,戦,仲里の御前,尾類,尾遊,仲里御殿,遊女,遊郭 |
| 梗概(こうがい) | 昔、鹿児島から戦を寄せて来たとき、沖縄の人は、「もうまた一大事になっているなあ。」と摂政三司官たちも大変ご心配なされたそうです。それで、仲里の御前は家に帰ってからも、「どうしたら、いいかな。」と言って、大変心配したから妹がお出でになられて、「ヤッチータイ、なにを心配されているんですか。」と言ったから、「なあ、鹿児島からまた戦が来るらしいさ。機嫌をそこなったら大変なことになるが、どうしたらいいかな。どんなして機嫌をとって帰そうかなあとみんなが心配しているんだよ。」と言ったら、この妹が、「心配しないでください。いい考えがあります。」と言うから、仲里の御前が、「どうやって。」と言ったらね、「男をお持てなしするのは、女の当たり前の仕事です。私たちが大変きれいな恰好をして行ってね、この男たちを落ち着けて、なだめてから国に帰しますから、私たちにまかせてください。」と妹が言ったらしい。だから、仲里の御前はもう大変心配していたときだから、「さあ、それじゃあ、お前の考えで頑張ってくれよ。」と言っていたって。そうしたら、仲里の御前の妹は一軒の家に何人かの女の人たちを集めて、大変きれいな恰好をさせて、これたちが鹿児島の客の相手をしたんだろう。鹿児島の人は戦に来たんだが、喜んでね、「はあ、沖縄はいい女がいるなあ。」と大変喜んでいたから、無事だったわけよね。そうしたら、仲里の御前の妹のおかげで、鹿児島の人はおとなしくなったから、人民も静かになって、そのうちに、鹿児島の人たちは沖縄から引き上げて行ったって。そして、鹿児島の兵隊が帰った後に、その妹がね、仲里の御前に、「私は、男の相手をしてね、もう鹿児島の男と関係をしているから、私は夫を持つことは出来ない。私をこのまま許してください。もうこれからは、鹿児島から来る男たちのね、お持てなしをするから、私を花の島へ落としてください。」と言われてね、尾類になられたって。これが沖縄の尾類の始めなんですよ。この人が尾遊になられて、それからも沖縄に来る鹿児島の人の相手をしているうちに年を取ったからね、この人がね、お願いしたらしい。「ねえ、ヤッチー、私が年をとって若い花が散ったら、私はどこにも行けないから親の家に来ますが、元のウミングワのようにね、取り立ててくれますか。」とウィキーの仲里の御前に言われたからね、仲里の御前は、「お前は国を救って、王様も救って来ているらから、立派にもり立ててあげるよ。」と言われたって。そうして、このときからね、「聞ちば仲里や花ぬもとぅでぃむぬ〔聞けば仲里は花の元という〕咲ち出らば一枝持たちたぼり〔咲いたら一枝欲しいものよ〕。」と、歌が出たそうだ。だから、尾類の始まりはね、仲里御殿から始まりが出たそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:08 |
| 物語の時間数 | 2:56 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |