この渡嘉敷ペークミのお話であるけど、この人はもう頓智持ちであったんだよ。多くは知らないけれどね、これは一説だが、御主とこの人はもう碁打ち友達でね、こんなことがあったって。「負けるのは渡嘉敷ペークミ、お前だよ。」「いや、負けるのは御主だよ。じゃあ、もし私が勝ったら、花木を折れと命令できますか。」と協議して囲碁をしていたのだが、御主が渡嘉敷ペークに負けてしまわれたから、御主も約束であるから、「おい、渡嘉敷、お前は花木の枝を折ってこい。」と言いつけられた。これは御主の命令だからね、それで、御主の大事にしている花木の枝を渡嘉敷ペークに折られて、持って帰られたから、御主はそれを見て、「あの野郎は。渡嘉敷にはやられてしまったな。」と言われたようだ。ある場合に王様が、「おい、渡嘉敷、お前が一番自分で関心があるのは何か。お前が一番いいと思うものは何か。」と聞いたら、渡嘉敷ペークは、「私は、御主のお耳にしっかりとこんなふうにして話をするのがもう一番嬉しい。」と言われた。「それじゃあ、何でもそうして話していいよ。」と言われた。そうして、それも許してもらっているから、いつも話があるときは、多くの人がおられるところであっても、御主の前でもうそんなふうにして、王様のそばに寄って、こそこそと話をしていた。そしたら、中に一緒におられた同じ臣下たちが、もう怒って、「ただの臣下が出ておって、御主とこんなにして耳打ちして話をするか。お前は、これからはここに来るな。もう少し考えるんだな。あんなことをしてはならぬ。」と言っているから、渡嘉敷ペークは、「はい。」とかしこまっていた。そうしたら、あるとき皆がお城に集まりがある場合に、この渡嘉敷は、ここに出てきてそれで、すぐお辞儀をなんども王様にして、一言もものも言われなかった。それで、王様は、渡嘉敷ペークがこんなにしていたら、面白くないから、「これは臣下の中に私をからかっている者がいる。」と怒って、そうして、臣下たちを呼んで、事情を聞いたら、臣下たちが、 「かくかくしかじかで。」と答えた。それで、王様は、「そうか、今からそのようなことをしてはならぬ。渡嘉敷ペークは、今までと同じようにしなさい。」と言われたので、渡嘉敷ペークは、またもととおなじように御主の近くに寄ってね、御主に話すようになった。こんなにして、渡嘉敷と王様は一緒に遊んでいたという話だよ。
| レコード番号 | 47O361873 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C070 |
| 決定題名 | 渡嘉敷ペーク 碁打ち(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 中村亀一 |
| 話者名かな | なかむらかめいち |
| 生年月日 | 19040531 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県沖縄市字山内 |
| 記録日 | 19811213 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字島袋調査9班T35B05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 艶笑譚 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 父親から機嫌のいい時に聞いた |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P567 |
| キーワード | 渡嘉敷ペーク,頓智,碁打ち,御主加那志 |
| 梗概(こうがい) | この渡嘉敷ペークミのお話であるけど、この人はもう頓智持ちであったんだよ。多くは知らないけれどね、これは一説だが、御主とこの人はもう碁打ち友達でね、こんなことがあったって。「負けるのは渡嘉敷ペークミ、お前だよ。」「いや、負けるのは御主だよ。じゃあ、もし私が勝ったら、花木を折れと命令できますか。」と協議して囲碁をしていたのだが、御主が渡嘉敷ペークに負けてしまわれたから、御主も約束であるから、「おい、渡嘉敷、お前は花木の枝を折ってこい。」と言いつけられた。これは御主の命令だからね、それで、御主の大事にしている花木の枝を渡嘉敷ペークに折られて、持って帰られたから、御主はそれを見て、「あの野郎は。渡嘉敷にはやられてしまったな。」と言われたようだ。ある場合に王様が、「おい、渡嘉敷、お前が一番自分で関心があるのは何か。お前が一番いいと思うものは何か。」と聞いたら、渡嘉敷ペークは、「私は、御主のお耳にしっかりとこんなふうにして話をするのがもう一番嬉しい。」と言われた。「それじゃあ、何でもそうして話していいよ。」と言われた。そうして、それも許してもらっているから、いつも話があるときは、多くの人がおられるところであっても、御主の前でもうそんなふうにして、王様のそばに寄って、こそこそと話をしていた。そしたら、中に一緒におられた同じ臣下たちが、もう怒って、「ただの臣下が出ておって、御主とこんなにして耳打ちして話をするか。お前は、これからはここに来るな。もう少し考えるんだな。あんなことをしてはならぬ。」と言っているから、渡嘉敷ペークは、「はい。」とかしこまっていた。そうしたら、あるとき皆がお城に集まりがある場合に、この渡嘉敷は、ここに出てきてそれで、すぐお辞儀をなんども王様にして、一言もものも言われなかった。それで、王様は、渡嘉敷ペークがこんなにしていたら、面白くないから、「これは臣下の中に私をからかっている者がいる。」と怒って、そうして、臣下たちを呼んで、事情を聞いたら、臣下たちが、 「かくかくしかじかで。」と答えた。それで、王様は、「そうか、今からそのようなことをしてはならぬ。渡嘉敷ペークは、今までと同じようにしなさい。」と言われたので、渡嘉敷ペークは、またもととおなじように御主の近くに寄ってね、御主に話すようになった。こんなにして、渡嘉敷と王様は一緒に遊んでいたという話だよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:38 |
| 物語の時間数 | 4:15 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |