御主加那志前の娘が風邪ひいてですね、もう死んでしまったから、「これは困ってしまった。」と言うて、もう葬式して、その娘を墓に埋めたそうだね。一人の男が牛買って戻りに、その娘を墓の前の道を雌牛を引っぱって来るときに、今まで明るかった天気が急に雲がたくさん出て、雨が降りだしたそうです。冬でもあるし雨に濡れたら寒いから、その男はこんときには、「もう雨宿りせんといけん。」言うて、そのへんを見たら近くに墓があるから、そっちにその墓の口のほうで雨宿りしようと思って、その墓の庭に牛をつないでですね、雨宿りしておるとき、後ろの墓の方でもうコソコソ音がしよったそうだ。「なにかなあ。」と見ても、なにもない。それで、そのままそこに座っておったら、もう雨も降るし、濡れておるから、その男は、咳もしたそうだ。そんときに、墓の中から手を出したりして、その人の後ろを引っ張る者がいたそうだ。ああもう、この男は、驚いてびっくりしてね、「これはマジムンが来ておる。」言うて、もう逃げようとしたそうだ。そしたら、もうしっかりつかまえて離さないそうだから、もう振り向いて、「なにか。どうしてなんだ。」と言ったら、「私は、気絶しておるときにこっちに埋められて、まだ生きておるから、マジムンでない。生きておるから、私を助けてください。」と言うて、頼んだそうだ。その青年は、もう牛もあっちにつないでおるが、「これは本当に生きておるかあ。」言うて、その墓を開けて見たら、もう娘がその墓の中で、「生きておるから、助けてください。」と言うてる。それで、その墓から出して、その娘をおんぶして、その御主加那志前の家にまで連れて行ったそうだ。その御主加那志前の方では、娘が死んだから、もう兄弟が集まって泣いておるときに、この娘を連れて行ったから、もう大変喜んで、すぐにお祝いに変わってしまった。そいで、お祝いして、その青年に、「もうあんたのお陰で娘は助かったから、あんたの希望をなんでも聞き入れてやるから、話してごらんなさい。」と言うたから、「そうですか。それじゃ、この娘を妻にください。そのほかは、私はなにもいらん。」と言うたから、始めは、この御主加那志前は、「あんたとこっちは身分が違うから、それは出来ないねえ。」と言っているときに、そのそばで助けられておる娘は、「私はもう一度死んでおるから、この人と一緒にしてください。」と言うて、もう御主加那志前に頼んだそうです。「そうか。そんなら、娘をやろう。」と言うて。そいで、その青年は、御主加那志前の娘と結婚するようになって、その御主加那志前の家に行って、もう幸福に暮らしたそうです。
| レコード番号 | 47O361843 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C069 |
| 決定題名 | ナーチャミー由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 玉城義永 |
| 話者名かな | たまきぎえい |
| 生年月日 | 19010510 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県北中城村字熱田 |
| 記録日 | 19811213 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字熱田調査17班T34B02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 御主加那志前,墓,マジムン,ナーチャミー由来 |
| 梗概(こうがい) | 御主加那志前の娘が風邪ひいてですね、もう死んでしまったから、「これは困ってしまった。」と言うて、もう葬式して、その娘を墓に埋めたそうだね。一人の男が牛買って戻りに、その娘を墓の前の道を雌牛を引っぱって来るときに、今まで明るかった天気が急に雲がたくさん出て、雨が降りだしたそうです。冬でもあるし雨に濡れたら寒いから、その男はこんときには、「もう雨宿りせんといけん。」言うて、そのへんを見たら近くに墓があるから、そっちにその墓の口のほうで雨宿りしようと思って、その墓の庭に牛をつないでですね、雨宿りしておるとき、後ろの墓の方でもうコソコソ音がしよったそうだ。「なにかなあ。」と見ても、なにもない。それで、そのままそこに座っておったら、もう雨も降るし、濡れておるから、その男は、咳もしたそうだ。そんときに、墓の中から手を出したりして、その人の後ろを引っ張る者がいたそうだ。ああもう、この男は、驚いてびっくりしてね、「これはマジムンが来ておる。」言うて、もう逃げようとしたそうだ。そしたら、もうしっかりつかまえて離さないそうだから、もう振り向いて、「なにか。どうしてなんだ。」と言ったら、「私は、気絶しておるときにこっちに埋められて、まだ生きておるから、マジムンでない。生きておるから、私を助けてください。」と言うて、頼んだそうだ。その青年は、もう牛もあっちにつないでおるが、「これは本当に生きておるかあ。」言うて、その墓を開けて見たら、もう娘がその墓の中で、「生きておるから、助けてください。」と言うてる。それで、その墓から出して、その娘をおんぶして、その御主加那志前の家にまで連れて行ったそうだ。その御主加那志前の方では、娘が死んだから、もう兄弟が集まって泣いておるときに、この娘を連れて行ったから、もう大変喜んで、すぐにお祝いに変わってしまった。そいで、お祝いして、その青年に、「もうあんたのお陰で娘は助かったから、あんたの希望をなんでも聞き入れてやるから、話してごらんなさい。」と言うたから、「そうですか。それじゃ、この娘を妻にください。そのほかは、私はなにもいらん。」と言うたから、始めは、この御主加那志前は、「あんたとこっちは身分が違うから、それは出来ないねえ。」と言っているときに、そのそばで助けられておる娘は、「私はもう一度死んでおるから、この人と一緒にしてください。」と言うて、もう御主加那志前に頼んだそうです。「そうか。そんなら、娘をやろう。」と言うて。そいで、その青年は、御主加那志前の娘と結婚するようになって、その御主加那志前の家に行って、もう幸福に暮らしたそうです。 |
| 全体の記録時間数 | 4:54 |
| 物語の時間数 | 4:35 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |