伊野波のモーイ親方というのは、ちょうど床下は勉強できるほど高かったんだろう。夜になったら床下で蝋をつけておって勉強しているが、だれも知らないから、男の親が、「勉強もしないで、これはばか者だ。」と言っている。モーイは、ばか者ではない。たいへん優れているんだよ。学校では学問勉強していたんだがね、学校の勉強は朝早く行ってすぐ終わっているから、誰もモーイが勉強しているとは分からないんだ。モーイは、田んぼの中から歩いて通って学校に行っていたが、この学校に行く道でなにするかというと、タウチー飼っていたからタウチーの餌と言って蛙を取っていたんだね。ある日、いつものように学校に行く途中で蛙を取ろうとしていたら、ちょうど玉を頭に乗せた蛙がいて、たいへんガクガクして鳴くのがいたから、学校の先生に言ったら、この先生は、「さあ、それならこの玉を取られるのなら取って来なさい。」と言ったから、モーイは、「おう。」と言って、玉を取ってきて、二つ取っているけど、「これだけのものを落としたら、捜しにくいな。」と言って、その二つの玉を口の中に隠したって。口に含んで持って行ったんだが、途中でけつまづいてそのときに一つは飲んでしまったんだよ。先生に言ったら、「それは、ヌブシの玉という宝だから、それを飲んだらもう先生に習わなくてもいいよ。」だから、モーイはもうこの玉を飲んだからこれだけ優れているんだよ。そうやって、もうこの玉を取って呑んでしまって、学問があんまり優れすぎ、その後もこの人は蛙を取って、また学校に行って習っていたんだが、これまた友だちは、こんなにして鶏の餌を取っているモーイが優れているとは思わないから、「えっ、ふらーモーイはまた今日も来て戻っていきよった。」と友だちが言っても、それでもモーイは平気さ。モーイは、先生に勉強した紙も持って行って見せて、また書いた本も見せたら、先生は、「これは私でも及ばないほどであるなあ。」と思ったから、モーイの友だちに、「さあ、あれはもう私でも及ばないほどだから、お前たちは私のところに来るよりも、モーイの家は近くでもあるし、モーイから習いなさいよ。」と言ったので、友だちが、教えてくれとモーイの家に来たから、それを聞いた親の方たちは、「ばか者と思っていたが、友だちがこれに字を習いに来ているのか。」と言って驚かれた。モーイは、本も人にはなかなか読めないほどたくさん買っていて、友だちに、「私の本をどこどこに置いてあるから、ここに持ってきなさい。」と言ったので、その本を持ってきたら、そうしたら、「ここに置きなさい。お前たちよく聞いておけよ。」と言って、逆からすぐもう本をさらさらと読んだからね、始めはなにか分からなかったが、もうみんな驚いたわけね。そうしたら、そのときに親の方たちは、自分の子どもが学問に優れているのを知らないで、フラー、フラーと言って困っていたからね、とても喜んで泣かれていたそうだよ。さあ、この話を聞いた人は、「優れていない人がものをよく言うんで、本当に優れている人はね、それを隠しているんだなあ。」と思ったそうなんだ。こんな昔話があったんだよ
| レコード番号 | 47O361763 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C066 |
| 決定題名 | モーイ親方 勉強 ヌブシの玉(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮城ウシ |
| 話者名かな | みやぎうし |
| 生年月日 | 19001213 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19811213 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城調査字渡口調査10班T31A11 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P531 |
| キーワード | 伊野波,モーイ親方,床下,勉強,タウチー,ヌブシの玉,蛙 |
| 梗概(こうがい) | 伊野波のモーイ親方というのは、ちょうど床下は勉強できるほど高かったんだろう。夜になったら床下で蝋をつけておって勉強しているが、だれも知らないから、男の親が、「勉強もしないで、これはばか者だ。」と言っている。モーイは、ばか者ではない。たいへん優れているんだよ。学校では学問勉強していたんだがね、学校の勉強は朝早く行ってすぐ終わっているから、誰もモーイが勉強しているとは分からないんだ。モーイは、田んぼの中から歩いて通って学校に行っていたが、この学校に行く道でなにするかというと、タウチー飼っていたからタウチーの餌と言って蛙を取っていたんだね。ある日、いつものように学校に行く途中で蛙を取ろうとしていたら、ちょうど玉を頭に乗せた蛙がいて、たいへんガクガクして鳴くのがいたから、学校の先生に言ったら、この先生は、「さあ、それならこの玉を取られるのなら取って来なさい。」と言ったから、モーイは、「おう。」と言って、玉を取ってきて、二つ取っているけど、「これだけのものを落としたら、捜しにくいな。」と言って、その二つの玉を口の中に隠したって。口に含んで持って行ったんだが、途中でけつまづいてそのときに一つは飲んでしまったんだよ。先生に言ったら、「それは、ヌブシの玉という宝だから、それを飲んだらもう先生に習わなくてもいいよ。」だから、モーイはもうこの玉を飲んだからこれだけ優れているんだよ。そうやって、もうこの玉を取って呑んでしまって、学問があんまり優れすぎ、その後もこの人は蛙を取って、また学校に行って習っていたんだが、これまた友だちは、こんなにして鶏の餌を取っているモーイが優れているとは思わないから、「えっ、ふらーモーイはまた今日も来て戻っていきよった。」と友だちが言っても、それでもモーイは平気さ。モーイは、先生に勉強した紙も持って行って見せて、また書いた本も見せたら、先生は、「これは私でも及ばないほどであるなあ。」と思ったから、モーイの友だちに、「さあ、あれはもう私でも及ばないほどだから、お前たちは私のところに来るよりも、モーイの家は近くでもあるし、モーイから習いなさいよ。」と言ったので、友だちが、教えてくれとモーイの家に来たから、それを聞いた親の方たちは、「ばか者と思っていたが、友だちがこれに字を習いに来ているのか。」と言って驚かれた。モーイは、本も人にはなかなか読めないほどたくさん買っていて、友だちに、「私の本をどこどこに置いてあるから、ここに持ってきなさい。」と言ったので、その本を持ってきたら、そうしたら、「ここに置きなさい。お前たちよく聞いておけよ。」と言って、逆からすぐもう本をさらさらと読んだからね、始めはなにか分からなかったが、もうみんな驚いたわけね。そうしたら、そのときに親の方たちは、自分の子どもが学問に優れているのを知らないで、フラー、フラーと言って困っていたからね、とても喜んで泣かれていたそうだよ。さあ、この話を聞いた人は、「優れていない人がものをよく言うんで、本当に優れている人はね、それを隠しているんだなあ。」と思ったそうなんだ。こんな昔話があったんだよ |
| 全体の記録時間数 | 3:58 |
| 物語の時間数 | 3:36 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |