普天間権現由来 苧環型 刀は蛇(シマグチ)

概要

この親がちょうどウナイイキーを生んでいてから、今も偉い人たちが内地旅行したりするでしょう。だから、親子で、「唐に勉強しに行く。」と唐旅に行かれたんだよ。そうしているときに、この女の子がもう、「この唐旅に二人の無事を祈願する。」と言って、一生懸命に御願をたてていたらしい。それで、ちょうど唐旅に行った親子二人が帰るとき、暴風があってね、そいで、そのとき、この普天間権現の女の神様は、暴風にあった兄さんもお父さんも船が壊れておるが、二人を助けていたんです。それで、そのとき、ウミーメーは、家でちょうど着物作るウーを紡いでおるときに居眠りしていたんですが、居眠りしているときに、お母さんが肩叩いてね、「どうしたの、女のくせに仕事やりながら、眠る人がいるか。」と言って、肩をパチみかして叩いたから、目を覚まして、「お母さんがそんなことはしないとね、お父さんも兄さんも助けよったが、お母さんが肩叩いたので、もう仕方なく、兄さんをつかまえていたが、片手では出来ないし、命を救えなかった。」という話です。それで、お父さんは、無事に唐旅から帰られたが、兄さんは、帰らなかったって。だから、そのときから普天間権現は、霊験あらたかな神様と言って、こっちでも信じられている。そうして、この家の姉と弟の顔は、大変きれいであったらしいがね。そうして、そこに仕事をしに通っている二人の青年たちが、「ヤッチメーの顔はなんときれいだろう。」と言ったら、弟は、「あんたは私をきれいというが、私たちのウミーメーはもっときれいだよ。」って、言うから、青年たちは、「人が行ったら出会えるかね。」と言ったから、「人が呼んでは出ては来ないがね、私たちのウミーメーを見たいか。」と言ったら、「とっても見たい。」と言ったから、そうしたら、「私がウーミメーよーと言って、泣き真似をしたら出てこられるから、そのときにウミーメーを見たらいいよ。そのときに見た。見たと言って騒ぐなよ。」と言ったから、「もうそうしますよ。」と約束したら、このイキーが、「ウミーメー。」と呼んだから、ウミーメーが、「どうしたの。どうしたか。」と言って出て来られたから、もう見ても騒ぐんじゃないよと約束していたが、二人の青年たちは、もうあんまりきれいだから、この約束を忘れてしまって。「ああ、見た。見た。」と言ったら、もうそれで、ウミーメーは、「人に見られてしまって残念だ。」と言って、このつないだウーを針に通されて、自分のウンチョービーにこのウーを通した針を刺して、すぐもう走って外に出て行ったらしい。このウーは、きつくつないでいたらしいね。ウミーメーは、そのウーを引っぱって、首里から行ったから、乳母はまた、ウミーメーの髪の毛に刺してあるこのウーが引っ張られているでしょう。このウーの後をたどって行ったら、普天間の方までこのウーは引っぱっていたから、「どうもないですかねえ。」と言って、乳母はずっと追いかけて来られたら、ウミーメーの通ったところは、それまでに木の葉はみんな枯れて、道のそばの草もみんな枯れていたって。ちょうどいまシプ草といって、こんなにしてね、地にくっついて広がっている変わった草がここらへんにたくさんあるよ。このシブ草一つだけは立っていて、また松も枯れなかったそうだ。そうしたら、乳母が、「私達のウミングヮが通って、別の草はあれだけ枯れているのに、お前たち、松とシプ草だけはどうして枯れないか。」と、シプ草は乳母が踏まれたから、平たくなってね。そうして、もうこれだけの道のそばの木も草もはみんな枯れたそうだ。それで、「これはもうたいへん果報なものだ。」と言って、正月に竹と一緒に松の枝を立てるのは、これから始まっているんだよ。また、シプ草というのはね、首里のほうでも子どもが生まれて、名付けするときには桑の木の葉と一緒にこれを飾ってね、こんなにしているんだよ。そうして、乳母はウーをたどって普天間ガマまでずっと追いかけているがね、「ここに入って行かれた。珍しいね、出て来られないが。」と乳母がこのガマに入って見たらね、ウミーメーは、ガマの中に入ったはずなのに姿もないし、骨もなにもなかったって。そうしてね、「この人は、やっぱり神の生まれをしているね。」と言って、それから後は死体はそのままにしたそうだ。それから後、内地の侍がね、「沖縄にいいところであるから行ってみよう。」と沖縄を見に来たらしい。そうして、内地に帰る前にね、「普天間権現というのはたいへん優れているらしいが、行ってみようか。」と言って、ここに手を合わせに行って、太刀はまたそのそばに立てていたらしい。そうして、太刀を置いたまま持たないで、すぐ船に乗って帰ってたらね、半分ほど船で道を行ってから太刀を忘れたことを思い出しても、もう戻ることは出来ないでしょう。だから、「誠に普天間権現様が優っているのなら、私はまた拝みに来ますから、帰って来るまでの間この太刀を大切にしまっていてください。」と言ったらね、それから、その太刀は人が取ろうとしたら、ハブになって取ること出来ない。そうしてその人が帰って来るまで、青錆がついたままでそこにあったって。それで、この侍は、「ここの神様は本当の神様で優っている。」と大変信じていたらしいよ。

再生時間:5:11

民話詳細DATA

レコード番号 47O361759
CD番号 47O36C066
決定題名 普天間権現由来 苧環型 刀は蛇(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 宮城ウシ
話者名かな みやぎうし
生年月日 19001213
性別
出身地 沖縄県那覇市首里
記録日 19811213
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 北中城調査字渡口調査10班T31A07
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード ウナイイキー,御願,父さん,兄さん,唐旅,普天間権現,神様,シブ草,松,乳母,普天間ガマ,侍,太刀,ハブ,普天間権現由来,刀は蛇
梗概(こうがい) この親がちょうどウナイイキーを生んでいてから、今も偉い人たちが内地旅行したりするでしょう。だから、親子で、「唐に勉強しに行く。」と唐旅に行かれたんだよ。そうしているときに、この女の子がもう、「この唐旅に二人の無事を祈願する。」と言って、一生懸命に御願をたてていたらしい。それで、ちょうど唐旅に行った親子二人が帰るとき、暴風があってね、そいで、そのとき、この普天間権現の女の神様は、暴風にあった兄さんもお父さんも船が壊れておるが、二人を助けていたんです。それで、そのとき、ウミーメーは、家でちょうど着物作るウーを紡いでおるときに居眠りしていたんですが、居眠りしているときに、お母さんが肩叩いてね、「どうしたの、女のくせに仕事やりながら、眠る人がいるか。」と言って、肩をパチみかして叩いたから、目を覚まして、「お母さんがそんなことはしないとね、お父さんも兄さんも助けよったが、お母さんが肩叩いたので、もう仕方なく、兄さんをつかまえていたが、片手では出来ないし、命を救えなかった。」という話です。それで、お父さんは、無事に唐旅から帰られたが、兄さんは、帰らなかったって。だから、そのときから普天間権現は、霊験あらたかな神様と言って、こっちでも信じられている。そうして、この家の姉と弟の顔は、大変きれいであったらしいがね。そうして、そこに仕事をしに通っている二人の青年たちが、「ヤッチメーの顔はなんときれいだろう。」と言ったら、弟は、「あんたは私をきれいというが、私たちのウミーメーはもっときれいだよ。」って、言うから、青年たちは、「人が行ったら出会えるかね。」と言ったから、「人が呼んでは出ては来ないがね、私たちのウミーメーを見たいか。」と言ったら、「とっても見たい。」と言ったから、そうしたら、「私がウーミメーよーと言って、泣き真似をしたら出てこられるから、そのときにウミーメーを見たらいいよ。そのときに見た。見たと言って騒ぐなよ。」と言ったから、「もうそうしますよ。」と約束したら、このイキーが、「ウミーメー。」と呼んだから、ウミーメーが、「どうしたの。どうしたか。」と言って出て来られたから、もう見ても騒ぐんじゃないよと約束していたが、二人の青年たちは、もうあんまりきれいだから、この約束を忘れてしまって。「ああ、見た。見た。」と言ったら、もうそれで、ウミーメーは、「人に見られてしまって残念だ。」と言って、このつないだウーを針に通されて、自分のウンチョービーにこのウーを通した針を刺して、すぐもう走って外に出て行ったらしい。このウーは、きつくつないでいたらしいね。ウミーメーは、そのウーを引っぱって、首里から行ったから、乳母はまた、ウミーメーの髪の毛に刺してあるこのウーが引っ張られているでしょう。このウーの後をたどって行ったら、普天間の方までこのウーは引っぱっていたから、「どうもないですかねえ。」と言って、乳母はずっと追いかけて来られたら、ウミーメーの通ったところは、それまでに木の葉はみんな枯れて、道のそばの草もみんな枯れていたって。ちょうどいまシプ草といって、こんなにしてね、地にくっついて広がっている変わった草がここらへんにたくさんあるよ。このシブ草一つだけは立っていて、また松も枯れなかったそうだ。そうしたら、乳母が、「私達のウミングヮが通って、別の草はあれだけ枯れているのに、お前たち、松とシプ草だけはどうして枯れないか。」と、シプ草は乳母が踏まれたから、平たくなってね。そうして、もうこれだけの道のそばの木も草もはみんな枯れたそうだ。それで、「これはもうたいへん果報なものだ。」と言って、正月に竹と一緒に松の枝を立てるのは、これから始まっているんだよ。また、シプ草というのはね、首里のほうでも子どもが生まれて、名付けするときには桑の木の葉と一緒にこれを飾ってね、こんなにしているんだよ。そうして、乳母はウーをたどって普天間ガマまでずっと追いかけているがね、「ここに入って行かれた。珍しいね、出て来られないが。」と乳母がこのガマに入って見たらね、ウミーメーは、ガマの中に入ったはずなのに姿もないし、骨もなにもなかったって。そうしてね、「この人は、やっぱり神の生まれをしているね。」と言って、それから後は死体はそのままにしたそうだ。それから後、内地の侍がね、「沖縄にいいところであるから行ってみよう。」と沖縄を見に来たらしい。そうして、内地に帰る前にね、「普天間権現というのはたいへん優れているらしいが、行ってみようか。」と言って、ここに手を合わせに行って、太刀はまたそのそばに立てていたらしい。そうして、太刀を置いたまま持たないで、すぐ船に乗って帰ってたらね、半分ほど船で道を行ってから太刀を忘れたことを思い出しても、もう戻ることは出来ないでしょう。だから、「誠に普天間権現様が優っているのなら、私はまた拝みに来ますから、帰って来るまでの間この太刀を大切にしまっていてください。」と言ったらね、それから、その太刀は人が取ろうとしたら、ハブになって取ること出来ない。そうしてその人が帰って来るまで、青錆がついたままでそこにあったって。それで、この侍は、「ここの神様は本当の神様で優っている。」と大変信じていたらしいよ。
全体の記録時間数 5:45
物語の時間数 5:11
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP