昔、ウナイ、イキーの二人がいたって。アングヮーって言うからたぶん上は女だったんだろう。もうその下の子は鬼の子であったって。その弟が来て、「おい、アングヮー、サーラー雑炊食べるか。」って言ったって。そのころ、弟はどこに行っていたのか、いつもは家にいなかったんだろう。「うん、入れてきなさい。食べよう。」と姉が弟が持ってきた雑炊を見たら、ハジチの型の入った指が茶碗に浮いていたって。「なにかねえ。もうこれはなにかね。」と姉が言ったら、弟は、「そんなことを聞くなよ。すぐ食べなさい。」と言いよったって。「いいや、これは何かわかったら食べられる。お前はどこの誰をたっ殺してきて、これ作ってあるか。」と言ったら、後は弟が、「人殺すことはできないから、アンマーをたっ殺してお腹いっぱい食べたよ。私はお腹いっぱい食べたからお前も食べなさい。」と言ったから、「親を煮て食べる馬鹿がおるか。どうして大事な親を殺す人がいるかあ。」と言ったら、弟は、「人は殺していけないから親を殺したんだよ。」って。なるほど、言うたら他人を殺したら大変だから、親殺しをしたと言っているんだよ。それで、この師走の餅のいわれはこうだったって。姉が餅を作ってから、風呂敷に入れて持って行ったのか、とにかく弟のいるところに持って行って、「さあ、散歩して遊んでこよう。」と嫡子に言ったら、「それで来ているんだね。そんなら遊びに行こう。」と言って行こうとしたけど、餅を見たら、「餅を持っているなら、餅はここで食べよう。」と言ったから、「餅は散歩して遊んで向こうで食べるんだよ。」と言ったからね、「そうかあ。それじゃあ餅持って来なさい。」って餅持って歩いて行ったら松が生えていて、広っ場になっているところがあったんだよ。そこに来て、「いい天気だからゆっくり遊んでから餅食べなさい。」って、餅も食べてから、それで、「おいしいか。」と言ったら、弟は、「おいしい。」って言ったって。それで、「お腹いっぱい食べなさいよ。」とお腹いっぱい食べさせてから、そこは松並木で向こうは崖だから、その崖のそばに弟がいたから、姉は袴をひっかけて前をはだけて開いて、「お前は向こうにどいて、私のここを見なさい。見たらなんと思うか。」と言ったから、弟は、「あははあ。」と笑って後ずさりして、後ろが崖になっているから、崖から落ちてから死んでしまったって。それから、師走には鬼餅といって、餅を支度するものだって。
| レコード番号 | 47O361701 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C065 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 与儀カマ |
| 話者名かな | よぎかま |
| 生年月日 | - |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県北中城村字瑞慶覧 |
| 記録日 | 19810925 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字瑞慶覧調査1班T29A12 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P497 |
| キーワード | 鬼餅由来,鬼餅,ムーチー,崖,ハンタ,鬼 |
| 梗概(こうがい) | 昔、ウナイ、イキーの二人がいたって。アングヮーって言うからたぶん上は女だったんだろう。もうその下の子は鬼の子であったって。その弟が来て、「おい、アングヮー、サーラー雑炊食べるか。」って言ったって。そのころ、弟はどこに行っていたのか、いつもは家にいなかったんだろう。「うん、入れてきなさい。食べよう。」と姉が弟が持ってきた雑炊を見たら、ハジチの型の入った指が茶碗に浮いていたって。「なにかねえ。もうこれはなにかね。」と姉が言ったら、弟は、「そんなことを聞くなよ。すぐ食べなさい。」と言いよったって。「いいや、これは何かわかったら食べられる。お前はどこの誰をたっ殺してきて、これ作ってあるか。」と言ったら、後は弟が、「人殺すことはできないから、アンマーをたっ殺してお腹いっぱい食べたよ。私はお腹いっぱい食べたからお前も食べなさい。」と言ったから、「親を煮て食べる馬鹿がおるか。どうして大事な親を殺す人がいるかあ。」と言ったら、弟は、「人は殺していけないから親を殺したんだよ。」って。なるほど、言うたら他人を殺したら大変だから、親殺しをしたと言っているんだよ。それで、この師走の餅のいわれはこうだったって。姉が餅を作ってから、風呂敷に入れて持って行ったのか、とにかく弟のいるところに持って行って、「さあ、散歩して遊んでこよう。」と嫡子に言ったら、「それで来ているんだね。そんなら遊びに行こう。」と言って行こうとしたけど、餅を見たら、「餅を持っているなら、餅はここで食べよう。」と言ったから、「餅は散歩して遊んで向こうで食べるんだよ。」と言ったからね、「そうかあ。それじゃあ餅持って来なさい。」って餅持って歩いて行ったら松が生えていて、広っ場になっているところがあったんだよ。そこに来て、「いい天気だからゆっくり遊んでから餅食べなさい。」って、餅も食べてから、それで、「おいしいか。」と言ったら、弟は、「おいしい。」って言ったって。それで、「お腹いっぱい食べなさいよ。」とお腹いっぱい食べさせてから、そこは松並木で向こうは崖だから、その崖のそばに弟がいたから、姉は袴をひっかけて前をはだけて開いて、「お前は向こうにどいて、私のここを見なさい。見たらなんと思うか。」と言ったから、弟は、「あははあ。」と笑って後ずさりして、後ろが崖になっているから、崖から落ちてから死んでしまったって。それから、師走には鬼餅といって、餅を支度するものだって。 |
| 全体の記録時間数 | 3:46 |
| 物語の時間数 | 3:27 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |