武士前ヌ安里(シマグチ)

概要

それがね、昔、地頭代といったら、今でいえば村長でしょうね。前は、中城は、南、北合わせて中城村でしょう。昔の間切時代には、地頭代がいて、それが大変な武士だったそうだ。昔ね、砂糖は那覇まで担いで行って上納するでしょう。その場合に那覇のこの人は業者であったか、それが分からないがね。それが重くするために秤の中に芯を入れてあったらしいよ。こんな謀り事をしてね、斤数を多くかけて入れるさね。この地頭代していた人は、「これは確かかな。砂糖がこんなにも重さが変わるとは珍しいな。秤が変わっているのかなあ。」って、膝にかけて秤を折ったらしい。秤を折ったらそれに芯が入っていた。それが噂さになって、「中城地頭代は武士だ。」って評判になったそうだよ。北谷でのことだが、昔は村中みんなかき集めて集まったら、その中に角力とるのがたくさんいるだろう。それが、中城地頭代は武士だから、憎んでいる者がいたんだよな。北谷を通ったら、それたちに地頭代が囲まれてしまったからね、そうしたら、北谷スーガーの上のほうに墓があって、そこにね、地頭代が長いこと隠れなさって、「私の命を助けてくれるのなら、正月十六日に毎年お供えしますから。」って、天にお願いしたから、この悪者たちは墓の前から歩いているが、「ここから、ここらへんに入っていったがな。」って、墓に顔をむけてかがんだりして見るが、見ることできないってよ。それで、命が助かったから、昔は戦前まで、正月十六日は、いつもその墓を拝みに、安里家が拝みに来られましたよ。そこで、首里、那覇からそのときは,無事に家に帰ってこられて、その後、何ヶ月か、何日か経ったかわからないが、首里、那覇の武士たち二人が噂を聞いて、はかりごとをしようとそこの家に来たら、その家にマメナーウスメーって、手足の大きい人がおられたんだよ。このマメナウスメーが、この地頭代さんを隠くしておいてね、この人が大きな火鉢を片手で、軽々と持って行って、「煙草をおあがりください。」と言って持って行って、下の炊事場の方に帰っていかれて、戸の節穴からのぞいたら、二人の者は、この火鉢を引っ立てようとしたって。そしたら、二人で両方の手でも持てなかった。そうしたから、「もう大変だ。」と思ったのか、地頭代さんには会わないで、この二人は帰るとも言わないで、すぐ一目散に逃げてしまったって。人も大きいし力もあるし、だから、マメナーウスメーを武士と思ったのか分からないが、これはその家の使用人なんだよ。

再生時間:4:26

民話詳細DATA

レコード番号 47O361690
CD番号 47O36C064
決定題名 武士前ヌ安里(シマグチ)
話者がつけた題名 瑞慶覧前ヌ安里
話者名 仲本正善
話者名かな なかもとせいぜん
生年月日 18991010
性別
出身地 沖縄県北中城村字瑞慶覧
記録日 19810925
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 北中城村字瑞慶覧調査1班T29A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 地頭代,中城村,間切,武士,中城地頭代,北谷スーガー,マメナーウスメー
梗概(こうがい) それがね、昔、地頭代といったら、今でいえば村長でしょうね。前は、中城は、南、北合わせて中城村でしょう。昔の間切時代には、地頭代がいて、それが大変な武士だったそうだ。昔ね、砂糖は那覇まで担いで行って上納するでしょう。その場合に那覇のこの人は業者であったか、それが分からないがね。それが重くするために秤の中に芯を入れてあったらしいよ。こんな謀り事をしてね、斤数を多くかけて入れるさね。この地頭代していた人は、「これは確かかな。砂糖がこんなにも重さが変わるとは珍しいな。秤が変わっているのかなあ。」って、膝にかけて秤を折ったらしい。秤を折ったらそれに芯が入っていた。それが噂さになって、「中城地頭代は武士だ。」って評判になったそうだよ。北谷でのことだが、昔は村中みんなかき集めて集まったら、その中に角力とるのがたくさんいるだろう。それが、中城地頭代は武士だから、憎んでいる者がいたんだよな。北谷を通ったら、それたちに地頭代が囲まれてしまったからね、そうしたら、北谷スーガーの上のほうに墓があって、そこにね、地頭代が長いこと隠れなさって、「私の命を助けてくれるのなら、正月十六日に毎年お供えしますから。」って、天にお願いしたから、この悪者たちは墓の前から歩いているが、「ここから、ここらへんに入っていったがな。」って、墓に顔をむけてかがんだりして見るが、見ることできないってよ。それで、命が助かったから、昔は戦前まで、正月十六日は、いつもその墓を拝みに、安里家が拝みに来られましたよ。そこで、首里、那覇からそのときは,無事に家に帰ってこられて、その後、何ヶ月か、何日か経ったかわからないが、首里、那覇の武士たち二人が噂を聞いて、はかりごとをしようとそこの家に来たら、その家にマメナーウスメーって、手足の大きい人がおられたんだよ。このマメナウスメーが、この地頭代さんを隠くしておいてね、この人が大きな火鉢を片手で、軽々と持って行って、「煙草をおあがりください。」と言って持って行って、下の炊事場の方に帰っていかれて、戸の節穴からのぞいたら、二人の者は、この火鉢を引っ立てようとしたって。そしたら、二人で両方の手でも持てなかった。そうしたから、「もう大変だ。」と思ったのか、地頭代さんには会わないで、この二人は帰るとも言わないで、すぐ一目散に逃げてしまったって。人も大きいし力もあるし、だから、マメナーウスメーを武士と思ったのか分からないが、これはその家の使用人なんだよ。
全体の記録時間数 5:38
物語の時間数 4:26
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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