黒金座主と北谷王子(シマグチ)

概要

これは黒金座主という坊主は、唐で催眠術を習ってね、ここに三世相をしに来たらね、みんなここの女をね、強姦したって。そうしたからね、北谷王子がよ、「人の噂だけを聞いてはいけないから。」と言ってね、自分の妾に髪もきれいに結わせてね、そこに行かせたって。行かせたらね、これも強姦されているらしいね。どうして強姦されたって分かったかと言ったらね、行く前はきれいであったが髪の後ろのほうがね、こんなにぼさぼさになっていたって。帰って来たときにそれを見てね、「うん、よろしい。お前はあれに悪戯はされなかったか。」と言ったらね、もうその人には術をかけられているんだから分からないのでしょう。「わからん。」と言うたんだよ。そう言うたからね、王子様がね、この坊主を呼んでね、「碁を打ちましょう。」って、一緒に碁を打っているんだよ。王子様と碁を打ったらね、王子様もこれに催眠術をかけられてね、眠気がさしたんだろう。眠気がしているがね、王子様はね、「このような者に負けるか。」と言ってね、絶対負けないと心から祈りをなさってね、これの術をはずしたんだよ。その坊主はまた術をかけて逃げようとしたがね、北谷王子に捕まえられいるんだよ。「お前はね、みんな女を悪戯して歩くからね、お前たちのような者は打ち殺してやろう。」と言ってね、坊主はこの人に殺されたって。そのときにこの坊主が、 「私の魂があるかぎり、お前の家の男の子を殺してやるから私の罰と思えよ。」とこの王子様に言うたって。「お前の罰ってあるか。」と王子様は、言われたらしい。坊主は殺されてから庭に埋められてね、上に石灯籠を建てて置いていたって。そうしたらね、北谷王子の家では、男の子が生まれるたびごとにね、みんな死によったって。それで、王子様のお側つきの女の使用人がね、「王子様、あの坊主の考えをかわさないといけません。」と言われて、この女が知恵を出して、男の子が生まれたらね、産婆さんに、「どの子が生まれたと口から出すなよ。産んだ人にもこの子を見せないよ。」とこの王のお側つきの上女中が考えて、男の子が生まれたからね、「ありひゃー、大きな女の子が生まれたよ。」と言って、もうひっ取って抱いたって。そうして、誰にも下は見せないで、「はい、大きな女の子が生まれました。大きな女の子が生まれました。」と言って、女の子のように髪の毛を長くさせてね。王子様にもね、「大きな女の子が生まれましたよ。」って、こんなにしていたら、王子様も、「ああそうか。」と言われていたんだね。昔はこんな御殿ではね、なにからなにまで上女中がするから、奥方であってもね、誰にも触らせないで、その女中は誰にもおしめを換えさせなかった。「アットーメーたい。大きな女の子が生まれました。」って、顔だけは見せてね。 「ああ、そうですか。」と言われて、もういい年になるまで保つことができて、また女の子が生まれたらね、すぐに、「大きな男の子が生まれているねえ。」って、こんなにしよったら、跡継ぎの子どもはこんなにして成長したって。北谷王子は、それで、黒金座主の骨は、石灯籠の下に埋めて置いたから、「ここのね、庭に埋めてあるのはね、ここから取ってどけないといけない。」と言って屋敷の外に引っ越しさせたって。北谷王子は、儀保におられたんだよ。これはね、その黒金座主が埋められたところに、石灯籠が置いてあったのを私たちは覚えているよ。これからだよ、沖縄では男が生まれたら、「大ふ女ぬ生まりとーん。」と言うようになったのは。

再生時間:4:44

民話詳細DATA

レコード番号 47O361587
CD番号 47O36C061
決定題名 黒金座主と北谷王子(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 名嘉真敏子
話者名かな なかまとしこ
生年月日 19120429
性別
出身地 沖縄県那覇市首里
記録日 19810926
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 北中城村字荻堂調査3班T23B01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 北中城の民話 P323
キーワード 黒金座主,催眠術,三世相,北谷王子,碁
梗概(こうがい) これは黒金座主という坊主は、唐で催眠術を習ってね、ここに三世相をしに来たらね、みんなここの女をね、強姦したって。そうしたからね、北谷王子がよ、「人の噂だけを聞いてはいけないから。」と言ってね、自分の妾に髪もきれいに結わせてね、そこに行かせたって。行かせたらね、これも強姦されているらしいね。どうして強姦されたって分かったかと言ったらね、行く前はきれいであったが髪の後ろのほうがね、こんなにぼさぼさになっていたって。帰って来たときにそれを見てね、「うん、よろしい。お前はあれに悪戯はされなかったか。」と言ったらね、もうその人には術をかけられているんだから分からないのでしょう。「わからん。」と言うたんだよ。そう言うたからね、王子様がね、この坊主を呼んでね、「碁を打ちましょう。」って、一緒に碁を打っているんだよ。王子様と碁を打ったらね、王子様もこれに催眠術をかけられてね、眠気がさしたんだろう。眠気がしているがね、王子様はね、「このような者に負けるか。」と言ってね、絶対負けないと心から祈りをなさってね、これの術をはずしたんだよ。その坊主はまた術をかけて逃げようとしたがね、北谷王子に捕まえられいるんだよ。「お前はね、みんな女を悪戯して歩くからね、お前たちのような者は打ち殺してやろう。」と言ってね、坊主はこの人に殺されたって。そのときにこの坊主が、 「私の魂があるかぎり、お前の家の男の子を殺してやるから私の罰と思えよ。」とこの王子様に言うたって。「お前の罰ってあるか。」と王子様は、言われたらしい。坊主は殺されてから庭に埋められてね、上に石灯籠を建てて置いていたって。そうしたらね、北谷王子の家では、男の子が生まれるたびごとにね、みんな死によったって。それで、王子様のお側つきの女の使用人がね、「王子様、あの坊主の考えをかわさないといけません。」と言われて、この女が知恵を出して、男の子が生まれたらね、産婆さんに、「どの子が生まれたと口から出すなよ。産んだ人にもこの子を見せないよ。」とこの王のお側つきの上女中が考えて、男の子が生まれたからね、「ありひゃー、大きな女の子が生まれたよ。」と言って、もうひっ取って抱いたって。そうして、誰にも下は見せないで、「はい、大きな女の子が生まれました。大きな女の子が生まれました。」と言って、女の子のように髪の毛を長くさせてね。王子様にもね、「大きな女の子が生まれましたよ。」って、こんなにしていたら、王子様も、「ああそうか。」と言われていたんだね。昔はこんな御殿ではね、なにからなにまで上女中がするから、奥方であってもね、誰にも触らせないで、その女中は誰にもおしめを換えさせなかった。「アットーメーたい。大きな女の子が生まれました。」って、顔だけは見せてね。 「ああ、そうですか。」と言われて、もういい年になるまで保つことができて、また女の子が生まれたらね、すぐに、「大きな男の子が生まれているねえ。」って、こんなにしよったら、跡継ぎの子どもはこんなにして成長したって。北谷王子は、それで、黒金座主の骨は、石灯籠の下に埋めて置いたから、「ここのね、庭に埋めてあるのはね、ここから取ってどけないといけない。」と言って屋敷の外に引っ越しさせたって。北谷王子は、儀保におられたんだよ。これはね、その黒金座主が埋められたところに、石灯籠が置いてあったのを私たちは覚えているよ。これからだよ、沖縄では男が生まれたら、「大ふ女ぬ生まりとーん。」と言うようになったのは。
全体の記録時間数 5:02
物語の時間数 4:44
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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