そして、昔の仕事はね、機織りだからマジルーは、その後も布ばかりをどんどん織っていたって。そうしたら、マジルーはもうきれいだといって噂があるからね、この人の家に油売りが来てから、「油買ってください。油買ってください。」とやったからね、この油売りもね、もうこのウミングヮを見たかったんだろう。いつまでもそこにいたらね、マジルーの弟が出て来て、「油売りよ。何をしているのか。」と言ったら、「油を買ってください。油を売りに来ていますので、油を買ってください。」と言ってね、そして、その男の子に、「あなた方のウミメーはね、大変きれいな人らしいですね。ただ一度だけでも拝見させてください。」と言ったからね、「それじゃあね、ただでは私たちのウミメーは見れないから、それじゃあ、私が知恵をつくしてね、お前に見せるよ。」と言ってね、「お前は隠れておきなさいよ。」と言ったから、ウーと言って、隠れていたって。そうしたら、弟はわざと庭に転んでね、「ウミーメーさい、ウミーメーさい。痛いよう、痛いよう。ウミメーさい。」って叫んだって。そうしたら、アヤーが出て来たんだろう。アヤーが来たから、弟は、「あなたではなくて、私はウミーメーが起こしてくれたら起きるのに。」と言うているからね、「ええ、マジルー。あんたが起こさないと起きないって、あんなに言って足をシリシリーさせて、ひっくり返って泣いているさ。」と言ったから、それでウミーメーが飛び出して行って起こしたって。「どこも怪我はしなかったか。」と言ったからね、そしたらこのウミングヮがね、「どうだ、見たか。」って言ったんだよ。そう言ったから、この権現はこんなにして、振り向いて見たらね、そこに人が立っているんだよ。そしたら、マジルーは、「私は、人に見られてしまっては、私はこの世の中では生きていける私ではないから。」と言われてね、すぐウーをくわえてね、庭からこのクシミシ坂にね、飛び出して走って行かれて、そうして、ニシムイのカミヌ坂に登られてね、そうしてまた、汀良大名のほうにね、普天間小ってあるんだよ。このガマ小に一夜ここに入られて夜を明かされてね、そうしてまた、人が寝ている時分に宜野湾村を通られて行ったらね、昔は、宜野湾村は松がたいへん並んでいたよ。その松に、「私の言葉を聞きなさいよ。とっても栄えてくれよ。私はここから通っていくから。」と言われてね、ウーはくわえたまま通られて、普天間のガマに入られたって。そうしてね、マジルーの家の人は、このウーの後を追って行ったというがね、このカミヌ坂を登って。カミヌ坂は、すぐそばをつかんでこんなにこんなにして登りよったさ。ここから登られてね、テーラ橋を通られて普天間小に入られたって。前はここは普天間小と言っていたが、この人が入られてからは、普天間のガマというさ。そうして、このときから名をもらっているから、今もここは御香炉が置かれていて、ここは、普天間権現を拝めなかったら、ここで拝んで行くよ。そうして、ここからまた逃げて行っているから、ずっと後を追って行っているがね、普天間権現のガマに行ったら、ウーはあるが姿はなかったらしい。だから、普天間権現様は、本当の神様なんだろう。
| レコード番号 | 47O361584 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C060 |
| 決定題名 | 普天間権現由来 苧環(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉真敏子 |
| 話者名かな | なかまとしこ |
| 生年月日 | 19120429 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19810926 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字荻堂調査3班T23A13 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P275 |
| キーワード | 機織り,マジルー,油売り,普天間権現由来,普天間権現, |
| 梗概(こうがい) | そして、昔の仕事はね、機織りだからマジルーは、その後も布ばかりをどんどん織っていたって。そうしたら、マジルーはもうきれいだといって噂があるからね、この人の家に油売りが来てから、「油買ってください。油買ってください。」とやったからね、この油売りもね、もうこのウミングヮを見たかったんだろう。いつまでもそこにいたらね、マジルーの弟が出て来て、「油売りよ。何をしているのか。」と言ったら、「油を買ってください。油を売りに来ていますので、油を買ってください。」と言ってね、そして、その男の子に、「あなた方のウミメーはね、大変きれいな人らしいですね。ただ一度だけでも拝見させてください。」と言ったからね、「それじゃあね、ただでは私たちのウミメーは見れないから、それじゃあ、私が知恵をつくしてね、お前に見せるよ。」と言ってね、「お前は隠れておきなさいよ。」と言ったから、ウーと言って、隠れていたって。そうしたら、弟はわざと庭に転んでね、「ウミーメーさい、ウミーメーさい。痛いよう、痛いよう。ウミメーさい。」って叫んだって。そうしたら、アヤーが出て来たんだろう。アヤーが来たから、弟は、「あなたではなくて、私はウミーメーが起こしてくれたら起きるのに。」と言うているからね、「ええ、マジルー。あんたが起こさないと起きないって、あんなに言って足をシリシリーさせて、ひっくり返って泣いているさ。」と言ったから、それでウミーメーが飛び出して行って起こしたって。「どこも怪我はしなかったか。」と言ったからね、そしたらこのウミングヮがね、「どうだ、見たか。」って言ったんだよ。そう言ったから、この権現はこんなにして、振り向いて見たらね、そこに人が立っているんだよ。そしたら、マジルーは、「私は、人に見られてしまっては、私はこの世の中では生きていける私ではないから。」と言われてね、すぐウーをくわえてね、庭からこのクシミシ坂にね、飛び出して走って行かれて、そうして、ニシムイのカミヌ坂に登られてね、そうしてまた、汀良大名のほうにね、普天間小ってあるんだよ。このガマ小に一夜ここに入られて夜を明かされてね、そうしてまた、人が寝ている時分に宜野湾村を通られて行ったらね、昔は、宜野湾村は松がたいへん並んでいたよ。その松に、「私の言葉を聞きなさいよ。とっても栄えてくれよ。私はここから通っていくから。」と言われてね、ウーはくわえたまま通られて、普天間のガマに入られたって。そうしてね、マジルーの家の人は、このウーの後を追って行ったというがね、このカミヌ坂を登って。カミヌ坂は、すぐそばをつかんでこんなにこんなにして登りよったさ。ここから登られてね、テーラ橋を通られて普天間小に入られたって。前はここは普天間小と言っていたが、この人が入られてからは、普天間のガマというさ。そうして、このときから名をもらっているから、今もここは御香炉が置かれていて、ここは、普天間権現を拝めなかったら、ここで拝んで行くよ。そうして、ここからまた逃げて行っているから、ずっと後を追って行っているがね、普天間権現のガマに行ったら、ウーはあるが姿はなかったらしい。だから、普天間権現様は、本当の神様なんだろう。 |
| 全体の記録時間数 | 3:23 |
| 物語の時間数 | 3:14 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |