そうしたらね、あるとき鹿児島からね、沖縄に、「灰で綱をなって送りなさい。」と言って注文が来たって。それで、首里城では、みんなが相談したがどうしたらいいか分からない。だから、ターリーが家に帰って来てね、頭をかかえて寝ておられたんだろう。モーイが、それを見て、「どうしたのか、ターリー。」と言ったから、わけを話したら、「どんな問題でも問題が来たら返事を書いてだしたらいいさ。」と言うから、お父さんが、「お前は勉強も何もしないのに、どうしてそれが出来るかあ。」と言ったら、「神様が良い智恵を与えてね、勉強させてくださるから出来るんだよ。お父さん、一つは頭だよ。」と言うたからね、お父さんはびっくりしていたって。「それじゃあ灰で綱をなって、送りなさいと言うのに、どうして灰で綱がなえるか。」と言ったから、「アギジャビヨーイ、これだけもわからないんですか。簡単なことだよ。」と言ったから、「ばか者、お前がなにを言うか。」と、親が言われたら、「あら、私は分かりますよ。私が今ここでお見せしますよ。」言ってね、鉄板に上にね、この綱をいくひろと言ったかな、からまして置いて載せて、下から火を燃やして焼いたんだろう。焼いたから、この綱は形はこわれないでね、なわれた形があるんだよ。「ほらどうですか。灰綱はここにありますよ。見てください。」と言ったからね、「あはあ、これは出来ているな。ほうこれ持たしたら、心配はないねえ。」と言われて、ターリーは喜ばれたって。そうしたらね、お父さんが、「薩摩からもう一つ注文があるんだよ。雄鳥の卵を送りなさいと言う難題だよ。」と言うたら、モーイは、「はあ、これは簡単ですよ。ターリーさい。それは、あなたの代わりに灰縄を持って行きながら、私が行って答えて来ますよ。」と言ったからね、「お前が行って、だめとはいわないかな。」と、ターリーが言われたから、「どうもしませんよ。たいへん簡単なことですよ。私が行ってきますよ。」と言ってね、モーイは薩摩に行ってからね、「灰綱を持って来ました。」と言ったから、「あはあ、持って来たなあ。これは出来ているな。」と言って、「さあ、どうした、お前雄鶏の卵はどうしたか。」と言ったから、「ヨーサイ、私たちのターリーが卵を産むといってね、今もようしているから、ターリーの代わりに私が来ました。だから、ターリーが卵を産んだら、差し上げます。今もようしています。」と言ったからね、「男が子どもを産むか。」と薩摩の王様が言われたって。そう言ったから、「それじゃあ、雄鶏がも卵を産みますか。」と言ってね、答えていたって。そしたら、こんどは薩摩は、問答にみんな負けているからね、薩摩からね、「もう沖縄は戦にも負けているからね、沖縄の島を薩摩に送りなさい。」と言っているんだよ。これにはみんながもう心配してね、「この島が動かされるか。送ることができるか。それじゃあ、みんなこれだけの人はどうなるか。」といって、心配しているらしい。そうしたらね、このまたモーイ親方が、「簡単なことです。島を送りなさいというなら、持たしますよと言ってください。」と言っているんだよ。そう言ったから皆が、「もうばか者が。どうしてこの島を持たされるか。」と言ったからね、「これは心配をなされるな。これには私に考えがあります。」と言ってね、モーイが鹿児島に答えたそうですよ。「それじゃあ望みのまま島を送ります。ただ、沖縄は人数が少なくて、これだけではこの島を起こすことはできないから、薩摩藩の鹿児島県に住む人たちをね、ぜんぶ連れて来られてね、また沖縄の島を載せられる軍艦を作って送ってください。そしたら、沖縄の島を送ることができます。」と言ったからね、薩摩にもそんな大きな船はないから、また薩摩が負けていたって。
| レコード番号 | 47O361574 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C060 |
| 決定題名 | モーイ親方 難題(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉真敏子 |
| 話者名かな | なかまとしこ |
| 生年月日 | 19120429 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19810926 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字荻堂調査3班T23A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P528 |
| キーワード | 鹿児島,沖縄,灰綱,雄鳥の卵,難題,モーイ,灰縄,薩摩,王様 |
| 梗概(こうがい) | そうしたらね、あるとき鹿児島からね、沖縄に、「灰で綱をなって送りなさい。」と言って注文が来たって。それで、首里城では、みんなが相談したがどうしたらいいか分からない。だから、ターリーが家に帰って来てね、頭をかかえて寝ておられたんだろう。モーイが、それを見て、「どうしたのか、ターリー。」と言ったから、わけを話したら、「どんな問題でも問題が来たら返事を書いてだしたらいいさ。」と言うから、お父さんが、「お前は勉強も何もしないのに、どうしてそれが出来るかあ。」と言ったら、「神様が良い智恵を与えてね、勉強させてくださるから出来るんだよ。お父さん、一つは頭だよ。」と言うたからね、お父さんはびっくりしていたって。「それじゃあ灰で綱をなって、送りなさいと言うのに、どうして灰で綱がなえるか。」と言ったから、「アギジャビヨーイ、これだけもわからないんですか。簡単なことだよ。」と言ったから、「ばか者、お前がなにを言うか。」と、親が言われたら、「あら、私は分かりますよ。私が今ここでお見せしますよ。」言ってね、鉄板に上にね、この綱をいくひろと言ったかな、からまして置いて載せて、下から火を燃やして焼いたんだろう。焼いたから、この綱は形はこわれないでね、なわれた形があるんだよ。「ほらどうですか。灰綱はここにありますよ。見てください。」と言ったからね、「あはあ、これは出来ているな。ほうこれ持たしたら、心配はないねえ。」と言われて、ターリーは喜ばれたって。そうしたらね、お父さんが、「薩摩からもう一つ注文があるんだよ。雄鳥の卵を送りなさいと言う難題だよ。」と言うたら、モーイは、「はあ、これは簡単ですよ。ターリーさい。それは、あなたの代わりに灰縄を持って行きながら、私が行って答えて来ますよ。」と言ったからね、「お前が行って、だめとはいわないかな。」と、ターリーが言われたから、「どうもしませんよ。たいへん簡単なことですよ。私が行ってきますよ。」と言ってね、モーイは薩摩に行ってからね、「灰綱を持って来ました。」と言ったから、「あはあ、持って来たなあ。これは出来ているな。」と言って、「さあ、どうした、お前雄鶏の卵はどうしたか。」と言ったから、「ヨーサイ、私たちのターリーが卵を産むといってね、今もようしているから、ターリーの代わりに私が来ました。だから、ターリーが卵を産んだら、差し上げます。今もようしています。」と言ったからね、「男が子どもを産むか。」と薩摩の王様が言われたって。そう言ったから、「それじゃあ、雄鶏がも卵を産みますか。」と言ってね、答えていたって。そしたら、こんどは薩摩は、問答にみんな負けているからね、薩摩からね、「もう沖縄は戦にも負けているからね、沖縄の島を薩摩に送りなさい。」と言っているんだよ。これにはみんながもう心配してね、「この島が動かされるか。送ることができるか。それじゃあ、みんなこれだけの人はどうなるか。」といって、心配しているらしい。そうしたらね、このまたモーイ親方が、「簡単なことです。島を送りなさいというなら、持たしますよと言ってください。」と言っているんだよ。そう言ったから皆が、「もうばか者が。どうしてこの島を持たされるか。」と言ったからね、「これは心配をなされるな。これには私に考えがあります。」と言ってね、モーイが鹿児島に答えたそうですよ。「それじゃあ望みのまま島を送ります。ただ、沖縄は人数が少なくて、これだけではこの島を起こすことはできないから、薩摩藩の鹿児島県に住む人たちをね、ぜんぶ連れて来られてね、また沖縄の島を載せられる軍艦を作って送ってください。そしたら、沖縄の島を送ることができます。」と言ったからね、薩摩にもそんな大きな船はないから、また薩摩が負けていたって。 |
| 全体の記録時間数 | 4:25 |
| 物語の時間数 | 4:13 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |