この首里の王様の妾がね、とっても顔も美人でね、とってもきれいかったってよ。そうしたらね、この首里で住んでいる場合に屁をへったらしいんですね。屁をへったからね、その妾はもう誰よりもきれいであるし、よく出来ていて、残りの妾がねたんでいるからね、みんなで、「この女はね、王様のお側で、屁をへっていますから、これをここに置いておくことはできないから、島流しをしてください。」と告げ口したそうだよ。そうしてね、お腹に子どもを持ったまま島流しされたって。それで、久高島に流されて、お腹に子どもは向こうで産んで育てあげていたらね、「アンマー、みんなは男親のスーがいるのに、私にはどうしてスーがいないか。」と言うからね、「いい子で大きくなったら話を聞かせてあげるよ。」と言っていたそうだよ。そうしてこんなにして、その子の父親のことを隠している場合にね、この母親は、病気で亡くなりかけているんだよ。そのときには母親は、自分の子に敬って言っているんだよね。「御子ヌ前、おそれいります。」ってもうその子にお辞儀をされているんだよ。この子は、百姓育ちだから、「このアンマーよ、おかしいんじゃないか。御子ヌ前というのはだれにかあ。」と言ったら、「実は、あなた様はね、首里の中山の御子ですよ。それが私がまちがって屁をへったので、私はこの久高島に流されているんですよ。」と言ったからね、「そうだったんですか、アンマー。」と言ってね、こんなに聞いたからね、「アンマー、いつか一度は仇を討つからね。」と言ったんだがね、そうこうしているうちには、アンマーはもう病気がひどくなっているんから、「アンマー、お金があればアンマーの病気も治せるからね、首里まで行こうね。」と言うからお供をつけてその子を首里に上らせたって。首里のお城に上って行ったらね、門番に、「踊りをしに来たから、踊らせてください。」と言って、そこで願ったらしいね。「お前のような者が踊るのか。」と言ったらね、「御城を拝見しに来たんだが、今日はここで遊びがあるというから、私に島の踊りを踊らせてください。」と言ったので、王様がそれを聞いて、「子どもが踊りするとは珍しいな。入れなさい。」と言ったので、門番が入れた。そうして、その子が王のそばのほうで踊っていたらね、王様が、「お前は、どこの者か。」と問うたので、「私は、どこそこの子どもです。」「それで、男の親は。」と言ったので、「私は、実は瓜の種を売りに来ているんです。この瓜の種を買ってくれませんか。私は瓜の種を売りながら踊りして歩いています。」と言ってね、そして、「それで、申し上げましょう。この瓜の種は屁をへらない女が植えなければ瓜は出来ませんが。」と言ったら、王様は、イヒイヒ笑いをして、みんなも笑って、「人間に屁をへらない人がいるか。」と言ったらしいよ。そうしたら、この子どもがすぐ、そこでつっかかってよ、「私のアンマーはね、ここのお妾だったというが、私を妊娠しているときに屁をへったというので、久高島に流された。それでもそう言うんですか。私は屁をへった人の腹から生まれている子です。」と言ったって。そうしたら、このとき王様は、「それじゃあ、私の子だなあ。」と言って、抱こうとしたからね、「私は屁をへった人の子だから、私は王の御子ではありません。あなたさまの子ではありません。」って言ってからね、こんなにしていたって。王様は、「人間というものに屁をへらない人はいないからね、私の跡継ぎの男の子は生まれていないからね、お前が私の跡継ぎだよ。」と言ったから、その子は、「それじゃあね、私のアンマーは死にそうにしているから、私のアンマーに詫びをしてください。」と言っているから、「私はあんなことをして悪かった。」と王様は、このアンマーを告げ口した人は、みんな打ち首にされてね、このときから王様は、その子に王子の恰好をさせてね、王様もこのアンマーに詫びをしにお供を連れて久高島にお出でになられて、このアンマーには死ぬ前に会ってね、そして、「悪かったからね、堪えてくれないか。」と詫びてさ。このアンマーはね、すぐ王様が手を取ってね、臨終したそうだよ。王様が詫びたからこの子は喜んでね、「もうアンマー、城を治めるから心配しないで喜んでくださいよ。アンマー、後々は取り持つからね。」と言われてね、また城に帰っていかれたそうだよ。
| レコード番号 | 47O361568 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C060 |
| 決定題名 | 黄金の瓜実(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉真敏子 |
| 話者名かな | なかまとしこ |
| 生年月日 | 19120429 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19810925 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字荻堂調査3班T23A01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P473 |
| キーワード | 首里,王様,妾,屁,島流し,久高島,御子ヌ前首里,中山の御子,瓜の種 |
| 梗概(こうがい) | この首里の王様の妾がね、とっても顔も美人でね、とってもきれいかったってよ。そうしたらね、この首里で住んでいる場合に屁をへったらしいんですね。屁をへったからね、その妾はもう誰よりもきれいであるし、よく出来ていて、残りの妾がねたんでいるからね、みんなで、「この女はね、王様のお側で、屁をへっていますから、これをここに置いておくことはできないから、島流しをしてください。」と告げ口したそうだよ。そうしてね、お腹に子どもを持ったまま島流しされたって。それで、久高島に流されて、お腹に子どもは向こうで産んで育てあげていたらね、「アンマー、みんなは男親のスーがいるのに、私にはどうしてスーがいないか。」と言うからね、「いい子で大きくなったら話を聞かせてあげるよ。」と言っていたそうだよ。そうしてこんなにして、その子の父親のことを隠している場合にね、この母親は、病気で亡くなりかけているんだよ。そのときには母親は、自分の子に敬って言っているんだよね。「御子ヌ前、おそれいります。」ってもうその子にお辞儀をされているんだよ。この子は、百姓育ちだから、「このアンマーよ、おかしいんじゃないか。御子ヌ前というのはだれにかあ。」と言ったら、「実は、あなた様はね、首里の中山の御子ですよ。それが私がまちがって屁をへったので、私はこの久高島に流されているんですよ。」と言ったからね、「そうだったんですか、アンマー。」と言ってね、こんなに聞いたからね、「アンマー、いつか一度は仇を討つからね。」と言ったんだがね、そうこうしているうちには、アンマーはもう病気がひどくなっているんから、「アンマー、お金があればアンマーの病気も治せるからね、首里まで行こうね。」と言うからお供をつけてその子を首里に上らせたって。首里のお城に上って行ったらね、門番に、「踊りをしに来たから、踊らせてください。」と言って、そこで願ったらしいね。「お前のような者が踊るのか。」と言ったらね、「御城を拝見しに来たんだが、今日はここで遊びがあるというから、私に島の踊りを踊らせてください。」と言ったので、王様がそれを聞いて、「子どもが踊りするとは珍しいな。入れなさい。」と言ったので、門番が入れた。そうして、その子が王のそばのほうで踊っていたらね、王様が、「お前は、どこの者か。」と問うたので、「私は、どこそこの子どもです。」「それで、男の親は。」と言ったので、「私は、実は瓜の種を売りに来ているんです。この瓜の種を買ってくれませんか。私は瓜の種を売りながら踊りして歩いています。」と言ってね、そして、「それで、申し上げましょう。この瓜の種は屁をへらない女が植えなければ瓜は出来ませんが。」と言ったら、王様は、イヒイヒ笑いをして、みんなも笑って、「人間に屁をへらない人がいるか。」と言ったらしいよ。そうしたら、この子どもがすぐ、そこでつっかかってよ、「私のアンマーはね、ここのお妾だったというが、私を妊娠しているときに屁をへったというので、久高島に流された。それでもそう言うんですか。私は屁をへった人の腹から生まれている子です。」と言ったって。そうしたら、このとき王様は、「それじゃあ、私の子だなあ。」と言って、抱こうとしたからね、「私は屁をへった人の子だから、私は王の御子ではありません。あなたさまの子ではありません。」って言ってからね、こんなにしていたって。王様は、「人間というものに屁をへらない人はいないからね、私の跡継ぎの男の子は生まれていないからね、お前が私の跡継ぎだよ。」と言ったから、その子は、「それじゃあね、私のアンマーは死にそうにしているから、私のアンマーに詫びをしてください。」と言っているから、「私はあんなことをして悪かった。」と王様は、このアンマーを告げ口した人は、みんな打ち首にされてね、このときから王様は、その子に王子の恰好をさせてね、王様もこのアンマーに詫びをしにお供を連れて久高島にお出でになられて、このアンマーには死ぬ前に会ってね、そして、「悪かったからね、堪えてくれないか。」と詫びてさ。このアンマーはね、すぐ王様が手を取ってね、臨終したそうだよ。王様が詫びたからこの子は喜んでね、「もうアンマー、城を治めるから心配しないで喜んでくださいよ。アンマー、後々は取り持つからね。」と言われてね、また城に帰っていかれたそうだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:10 |
| 物語の時間数 | 4:59 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |