大晦日の日だが、貧乏でもう十人子どもを産んでおる人がね、朝からもう食べさせる物もなくてね、「今日は年の夜だけど、なにを買いますか。お父さん。」と言ったから、もう仕方がないさね。それで、朝から城間仲の天井に入っておったそうだよ。そしたら、ここの主人は、この盗人がこんなにして来ているのを見ていたというが、なにを思ったか、「今日の夕飯は、一つよけい用意しておきなさい。」と言われたから、「旦那さん、どうしてですか。あなたは二つも夕飯を召し上がるんですか。」と言ったら、その夕飯が出来た後で、「さあ、天井にいる人、降りてきなさい。」と言われたから、その天井にいた人は、もう見られておるから降りて来ないとならないから、降りて来たら、「さあね、夕飯を腹いっぱい食べなさい。あんたは子どもは何人いるか。」「私は、子ども十人生んでいますが、食べさせてやるのもなくて、こうなっています。」と言ったから、「さあ、お前は、夕飯をどれだけ食べて、お金はどれだけもらって行くか。また、あんたは肉はどのくらい持って行くか。」と言われたから、もうこの人は泣いて返答することが出来なかったって。そうして、「お前の思いどおりに持たせるから。」と言われたから、この人はもらったものを担いで、お辞儀をして、「城間仲の家をよく栄させてください。」と言ってね、お辞儀をして手を合わせて行ったって。この人は田舎者であったがその後で、成功してここに恩義を返しに来たから、もう城間仲はたいへん喜んだと言っている。それで、城間仲は、「あるなかぬ城間仲。」って言われているって。また、下男が城間仲の黄金を盗んだら、そうこうしている間に、もう畑の方から城間仲の主人が来られよったって。そうして、この下男が、「すみません、里主。この黄金を買ってください。」と言ったら、この人は自分のものだと分かっていても、「じゃあ行こう。私たちの家で礼をするよ。さあ。」って、自分の家に連れてきてから、「それじゃ、アンマー、肉をそろえて出しなさい。」とこれに大変御馳走をしたらしいよ。そうしたから、「さあ、この黄金であんたは米どれだけ取ったらいいと思うか。」と言われたから、「実は私は、あなたさまの家から盗んでいましたから悪うございました。」とこの主に言いますと、「もうお前はいい人だ。お前のお金だからもらって行きなさいよ。」と言って、その黄金の分の米を与えてやったって。また昔の城間仲のチルーという方は有名な美人だったって。その城間仲のチルーという方が何十人というフェーレーたちにこれに捕まえられてしまったら、そのチルーという人が、「もう私は命はないねえ。私に歌を一つ歌わせてくれないか。」と言ったから、「じゃあ、お前歌ってごらん。」とこの悪党たちが許したので、この人が歌を歌ったら、周囲の三所の青年たちが、「とう、城間仲のチルーが一大事だ。」とすぐこのチルーをこの三村の人が助けてよ、村祝いになったって。また、城間仲は青年たちが前の原で田を耕したら、酒を一つ分け、二つ分けてやって、そんなして、青年たちによく御馳走を食べさせることをしたって。その酒はどこまでこの耕してあるかの印であるんだよ。耕したものはもう向こうまで行って酒を見つけるから、その酒をとって御馳走になっているんだよ。こんなに、この主は利口だったよ。そして、人が来られたら必ずお茶請けを全て欠かさなかったそうだよ。人々が来たら、「私たちの家にいい豚がいるから、これ買いなさい。」と言われて、みんなに茶請けをくれて、売るものがないときには、「じゃ、別から買いなさいよ。もう一度のときに買いなさいね。」と言われたって。
| レコード番号 | 47O361492 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C056 |
| 決定題名 | 城間仲 大年の盗人(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮城ウシ |
| 話者名かな | みやぎうし |
| 生年月日 | 19001217 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19810923 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字渡口調査2班T19B08 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 大晦日,貧乏,城間仲,天井,恩義,チルー |
| 梗概(こうがい) | 大晦日の日だが、貧乏でもう十人子どもを産んでおる人がね、朝からもう食べさせる物もなくてね、「今日は年の夜だけど、なにを買いますか。お父さん。」と言ったから、もう仕方がないさね。それで、朝から城間仲の天井に入っておったそうだよ。そしたら、ここの主人は、この盗人がこんなにして来ているのを見ていたというが、なにを思ったか、「今日の夕飯は、一つよけい用意しておきなさい。」と言われたから、「旦那さん、どうしてですか。あなたは二つも夕飯を召し上がるんですか。」と言ったら、その夕飯が出来た後で、「さあ、天井にいる人、降りてきなさい。」と言われたから、その天井にいた人は、もう見られておるから降りて来ないとならないから、降りて来たら、「さあね、夕飯を腹いっぱい食べなさい。あんたは子どもは何人いるか。」「私は、子ども十人生んでいますが、食べさせてやるのもなくて、こうなっています。」と言ったから、「さあ、お前は、夕飯をどれだけ食べて、お金はどれだけもらって行くか。また、あんたは肉はどのくらい持って行くか。」と言われたから、もうこの人は泣いて返答することが出来なかったって。そうして、「お前の思いどおりに持たせるから。」と言われたから、この人はもらったものを担いで、お辞儀をして、「城間仲の家をよく栄させてください。」と言ってね、お辞儀をして手を合わせて行ったって。この人は田舎者であったがその後で、成功してここに恩義を返しに来たから、もう城間仲はたいへん喜んだと言っている。それで、城間仲は、「あるなかぬ城間仲。」って言われているって。また、下男が城間仲の黄金を盗んだら、そうこうしている間に、もう畑の方から城間仲の主人が来られよったって。そうして、この下男が、「すみません、里主。この黄金を買ってください。」と言ったら、この人は自分のものだと分かっていても、「じゃあ行こう。私たちの家で礼をするよ。さあ。」って、自分の家に連れてきてから、「それじゃ、アンマー、肉をそろえて出しなさい。」とこれに大変御馳走をしたらしいよ。そうしたから、「さあ、この黄金であんたは米どれだけ取ったらいいと思うか。」と言われたから、「実は私は、あなたさまの家から盗んでいましたから悪うございました。」とこの主に言いますと、「もうお前はいい人だ。お前のお金だからもらって行きなさいよ。」と言って、その黄金の分の米を与えてやったって。また昔の城間仲のチルーという方は有名な美人だったって。その城間仲のチルーという方が何十人というフェーレーたちにこれに捕まえられてしまったら、そのチルーという人が、「もう私は命はないねえ。私に歌を一つ歌わせてくれないか。」と言ったから、「じゃあ、お前歌ってごらん。」とこの悪党たちが許したので、この人が歌を歌ったら、周囲の三所の青年たちが、「とう、城間仲のチルーが一大事だ。」とすぐこのチルーをこの三村の人が助けてよ、村祝いになったって。また、城間仲は青年たちが前の原で田を耕したら、酒を一つ分け、二つ分けてやって、そんなして、青年たちによく御馳走を食べさせることをしたって。その酒はどこまでこの耕してあるかの印であるんだよ。耕したものはもう向こうまで行って酒を見つけるから、その酒をとって御馳走になっているんだよ。こんなに、この主は利口だったよ。そして、人が来られたら必ずお茶請けを全て欠かさなかったそうだよ。人々が来たら、「私たちの家にいい豚がいるから、これ買いなさい。」と言われて、みんなに茶請けをくれて、売るものがないときには、「じゃ、別から買いなさいよ。もう一度のときに買いなさいね。」と言われたって。 |
| 全体の記録時間数 | 2:01 |
| 物語の時間数 | 1:43 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |