兄弟二人がいたんだが、大変仲が悪かった。それで、兄弟よりはほかの人をかわいがってさ。だから、もう後は神様がこの兄弟の心を直そうとしたのかねえ。その兄弟の一人が屋良漏池のそばでトーヌチンを作っていたって。そうしたら、この屋良漏池から鰻が出てきてね、このトーヌチンを全部食べてしまった。それだから、畑の持主はこの畑にこの枯れ穂をぜんぶ持っていって放り投げておいたら、夜になってそこに出てきた鰻がこの枯れ穂に鰻の汁が吸われてしまって元気がなくなって動けなくなっていたから、それを見つけた畑の持主が棒で殺したらしい。それで、その鰻は大きくて、自分一人では持てない。もう平生は気のつく、仲のいい友達のところに行って、「ええ、私のトーノチンを盗みにきた盗人を誤って殺してしまったよ。運ぶのを手伝ってくれないか。」と言って頼んだら、この人はこんな言ったらしい。「ああ、私は今日は疲れているから、私は行けないな。」と言われて、戻って歩いていたって。そうしてまた、兄とは仲がよくないが、兄の家に行って、「アフイグワー、私のトーノチンが盗人に摘み取られてしまったので、そのトーノチンの盗人を畑で殺してしまったから、どうか隠すのを手伝ってくれないか。」って、兄弟に言ったらしい。「そんなに大きな声でしゃべるもんじゃない。そんな話を人に聞かれたら、お前は監獄に入れられるからしゃべるな。さあ、二人で隠してこよう。」って、兄は早速もう引き受けて、ケーを持って行ったって。そうして、行ってみたら、泥棒と思っていたのは鰻になっていたって。そうして、この鰻を担いで来て、兄弟で分けて祝いもしたらしい。そうしたら、またこの友達というのは、そのとき、家の前をきまりわるそうにイヒイヒーして、笑って通っていたって。「あの友達は私があの夜頼みに行ったら、疲れて出来ないと言っていたよ。平生は仲は悪いが、こんな波にあったときには兄弟が一番だよね。」って。そうして、このときから兄弟は、仲良く立派になって、その友達を見向きもしなかった。そうだから、「兄弟というのは根は一つだから仲良くしなさい。他人は飾りだよ。」と言うんだ。
| レコード番号 | 47O361433 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C054 |
| 決定題名 | 兄弟の仲直り(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | ヤラムルチの話 |
| 話者名 | 比嘉亀 |
| 話者名かな | ひがかめ |
| 生年月日 | 18930610 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県北中城村和仁屋 |
| 記録日 | 19810923 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字和仁屋調査11班T17B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | ゴボウを売り歩いていた時に聞いた |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P463 |
| キーワード | 兄弟の仲直り,ウナギ,鰻,トーノチン,兄弟,屋良ムルチ |
| 梗概(こうがい) | 兄弟二人がいたんだが、大変仲が悪かった。それで、兄弟よりはほかの人をかわいがってさ。だから、もう後は神様がこの兄弟の心を直そうとしたのかねえ。その兄弟の一人が屋良漏池のそばでトーヌチンを作っていたって。そうしたら、この屋良漏池から鰻が出てきてね、このトーヌチンを全部食べてしまった。それだから、畑の持主はこの畑にこの枯れ穂をぜんぶ持っていって放り投げておいたら、夜になってそこに出てきた鰻がこの枯れ穂に鰻の汁が吸われてしまって元気がなくなって動けなくなっていたから、それを見つけた畑の持主が棒で殺したらしい。それで、その鰻は大きくて、自分一人では持てない。もう平生は気のつく、仲のいい友達のところに行って、「ええ、私のトーノチンを盗みにきた盗人を誤って殺してしまったよ。運ぶのを手伝ってくれないか。」と言って頼んだら、この人はこんな言ったらしい。「ああ、私は今日は疲れているから、私は行けないな。」と言われて、戻って歩いていたって。そうしてまた、兄とは仲がよくないが、兄の家に行って、「アフイグワー、私のトーノチンが盗人に摘み取られてしまったので、そのトーノチンの盗人を畑で殺してしまったから、どうか隠すのを手伝ってくれないか。」って、兄弟に言ったらしい。「そんなに大きな声でしゃべるもんじゃない。そんな話を人に聞かれたら、お前は監獄に入れられるからしゃべるな。さあ、二人で隠してこよう。」って、兄は早速もう引き受けて、ケーを持って行ったって。そうして、行ってみたら、泥棒と思っていたのは鰻になっていたって。そうして、この鰻を担いで来て、兄弟で分けて祝いもしたらしい。そうしたら、またこの友達というのは、そのとき、家の前をきまりわるそうにイヒイヒーして、笑って通っていたって。「あの友達は私があの夜頼みに行ったら、疲れて出来ないと言っていたよ。平生は仲は悪いが、こんな波にあったときには兄弟が一番だよね。」って。そうして、このときから兄弟は、仲良く立派になって、その友達を見向きもしなかった。そうだから、「兄弟というのは根は一つだから仲良くしなさい。他人は飾りだよ。」と言うんだ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:43 |
| 物語の時間数 | 4:11 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |