池城親方は大変知恵を持っていて、もうまた大変強い武士であったって。もう若いころは、このシマ隣の青年たちにもよく力試しの賭け試合をしていじめたりしていたからね、この池城親方のアヤー(母)は、大変な意地の強い人で度胸もあるから、もう自分の子の意地試しまでしたそうですよ。アヤーは、「これは、こんなことをさせていてはいけない。」と言って、もう夜、毛遊びから戻るでしょう。そのとき、起きておって、この男の恰好をして自分の子が帰って来るのを待っておられたらね、池城親方は、もう道を大声で叫びながら、来られるらしいが、「これは、私が取って投げないといけないな。」って、待ち受けておって、このアヤーが池城親方をそこの道に取って投げ投げしたらしい。そして、もうやられて、池城親方が倒れているから、「さあ、今とすぐには起きて来ないから、先に帰って知らないふりをして、もうまた寝ておこう。」って、家に帰っていたら、池城親方が帰って来て、「アヤーさい。はあ、これは今日は負けましたねえ。大変ですね。」って。もうアヤーに話をしたらしい。「そうだよ。お前は、私が一番強いと思っていたらいけないよ。世間には自分より上の人もいるのですからね。」と言って、アヤーが教え諭したからね、「そうですね。もうこれからは、そうしてはいけませんね。」ともうこのときから、これを止められたそうだ。その池城親方の家で、大晦日の夜に、自分が使っているウンチューミ(使用人)が亡くなったからね、「これは明日になると、年が明けて新年の始まりになるから、今夜葬式をしないといけないな。」とアヤーと相談したら、アヤーも、「さあ、それじゃあ、そうしましょうね。」と言うから、その亡くなったウンチューミをこの池城親方が担いで、墓のほうに押し込まれたらしいがよ、アヤーは先になってこの墓小の中に入っておられて、押し込んだらまた押し返したから、「ちえ、珍しいな。なんでこれは、私が押し込むと押し返してくるかな。珍しいことだな。」と言って、「そういえば、ウンチューミよ、私が物忘れをしていたよ。どうか引き取ってください。南無阿弥陀仏。受け取ってください地蔵仏。」と唱えたら、もう押し返さなくなって、墓に納まっているんだよ。そうしたら、アヤーが墓の中から飛び出して来られたから、「ああ、アヤーでしたか。」って、そうしたら、アヤーが、「さあ、お前がね、この南無阿弥陀仏の言葉を忘れたらいかんから、私は入っていたんだよ。」と言って全然、驚かなかったって。
| レコード番号 | 47O361432 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C054 |
| 決定題名 | 池城親方(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 生き返った話 |
| 話者名 | 大城善光 |
| 話者名かな | おおしろぜんこう |
| 生年月日 | 19400910 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県北中城村和仁屋 |
| 記録日 | 19810923 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字和仁屋調査11班T17A10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 父親から聞いた |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P355 |
| キーワード | 池城親方,幽霊,武士,生き返り |
| 梗概(こうがい) | 池城親方は大変知恵を持っていて、もうまた大変強い武士であったって。もう若いころは、このシマ隣の青年たちにもよく力試しの賭け試合をしていじめたりしていたからね、この池城親方のアヤー(母)は、大変な意地の強い人で度胸もあるから、もう自分の子の意地試しまでしたそうですよ。アヤーは、「これは、こんなことをさせていてはいけない。」と言って、もう夜、毛遊びから戻るでしょう。そのとき、起きておって、この男の恰好をして自分の子が帰って来るのを待っておられたらね、池城親方は、もう道を大声で叫びながら、来られるらしいが、「これは、私が取って投げないといけないな。」って、待ち受けておって、このアヤーが池城親方をそこの道に取って投げ投げしたらしい。そして、もうやられて、池城親方が倒れているから、「さあ、今とすぐには起きて来ないから、先に帰って知らないふりをして、もうまた寝ておこう。」って、家に帰っていたら、池城親方が帰って来て、「アヤーさい。はあ、これは今日は負けましたねえ。大変ですね。」って。もうアヤーに話をしたらしい。「そうだよ。お前は、私が一番強いと思っていたらいけないよ。世間には自分より上の人もいるのですからね。」と言って、アヤーが教え諭したからね、「そうですね。もうこれからは、そうしてはいけませんね。」ともうこのときから、これを止められたそうだ。その池城親方の家で、大晦日の夜に、自分が使っているウンチューミ(使用人)が亡くなったからね、「これは明日になると、年が明けて新年の始まりになるから、今夜葬式をしないといけないな。」とアヤーと相談したら、アヤーも、「さあ、それじゃあ、そうしましょうね。」と言うから、その亡くなったウンチューミをこの池城親方が担いで、墓のほうに押し込まれたらしいがよ、アヤーは先になってこの墓小の中に入っておられて、押し込んだらまた押し返したから、「ちえ、珍しいな。なんでこれは、私が押し込むと押し返してくるかな。珍しいことだな。」と言って、「そういえば、ウンチューミよ、私が物忘れをしていたよ。どうか引き取ってください。南無阿弥陀仏。受け取ってください地蔵仏。」と唱えたら、もう押し返さなくなって、墓に納まっているんだよ。そうしたら、アヤーが墓の中から飛び出して来られたから、「ああ、アヤーでしたか。」って、そうしたら、アヤーが、「さあ、お前がね、この南無阿弥陀仏の言葉を忘れたらいかんから、私は入っていたんだよ。」と言って全然、驚かなかったって。 |
| 全体の記録時間数 | 7:12 |
| 物語の時間数 | 6:46 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |