キジムナー 熱田比嘉の話(シマグチ)

概要

私たちの家は、もとは仲門の分家ですがね、昔、仲門の先祖に御殿にお勤めになっていた人がいたそうですよ。この御殿にお勤めになっていた先祖は、百二十斤もあった身体が大きい人だというが、その人が急に雨が降ったとき向こうの方から回ってきて家に帰ってこられたって。そしたら、それを見た仲門のお祖母が門中の兄弟の女の人たちに言っていたってよ。「自分の肩に上って、あの人を拝みなさい。」そのとき、仲門の嫡子を産む女の人は、「今日くれー明日食わーりん。」と願って、また比嘉の先祖になる人を生んだ人は、人間は頭が万能だから、「親加那志、万能な頭下さい。」とその先祖の人に願ったってよ。そしたら、熱田の比嘉は、それで頭のいい子に生まれて、儲けられたんだよ。熱田の比嘉が金持ちになったのは、キジムナーとは全然関係ないよ。また、一杯だけ茶を飲むなというのは、こんなって。この比嘉を栄えさせた人は、戦世のころで戦が激しくなって、戦に出て行くはめになっていたら、親加那志がそのとき、「もう一杯茶は飲むな。二杯飲め。」と言っていたって。もう戦はもう激しかったのさ。そうしたから、一杯は飲むな、二杯飲めと言われて、その人が二杯あがるまでは、この戦はもう終わったって。そうしたから、「もう戦は終わっているから戦には出ないでいい。お前の命は助かっている。お前は仲門玉城だが、もう命びろいしているから、大城の家を始めなさいよ。」と言ったってよ。また宮城からいらしている人の嫡子がさあ、こっちの家の嫡子に、「主人がいらっしゃるまで、私は家で熱い芋を煮ておくから。」と言っているから、その家の人がハーメー蟹小を取りに行っているあいだに伊江島から来た盗人にこっちの家の嫡子がさらわれて、伊江島に連れて行かれたそうだよ。それで、こっちから伊江島に捜しに行って、「私は熱田比嘉なんですよ。」と言うと、その盗人がその子を隠くしてしまっていたそうです。それで、その伊江島の家では清明になると、こっちの熱田の比嘉と自分のところとを両方拝むようになっている。あそこから元は麦で餅作って熱田比嘉に拝みに来たがね、堅い餅を持って来ていたよ。後の熱田の比嘉の次男はさあ、唐旅を終わらせて鹿児島に行かれたら、今では天然痘て言っているのは元はチュラガサと言ったよ。あそこでそれが流行っているときにだったって。それで、あそこでチュラガサに罹ってしまって世を失いなさったって。そして、この方はあちらに石碑建てられて、大層拝まれていたって。それで、鹿児島に三代目の人がいらしゃたときに、「これは、私たちの先祖だから。」と言って、家にお迎えしにといらしゃったって。その沖縄にお迎えするときには、大きい餅を準備して行って、帰って来る際に海に流されたという話ですよ。

再生時間:4:22

民話詳細DATA

レコード番号 47O383547
CD番号 47O38C182
決定題名 キジムナー 熱田比嘉の話(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 大城ウシ
話者名かな おおしろうし
生年月日 19020719
性別
出身地 沖縄県中頭郡北中城村字熱田
記録日 19810924
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 中頭郡北中城村 T15 A14
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説、 民俗、
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 北中城村の民話 P110
キーワード 仲門,分家,先,門中,嫡,比嘉,先祖,親加那志,万能,熱田の比嘉,金持ち,キジムナー,茶,戦,仲門玉城,命びろ,大城,宮城,芋,ハーメー蟹小,伊江島,盗人,清明,拝む,麦,唐旅,鹿児島,天然痘,チュラガサ
梗概(こうがい) 私たちの家は、もとは仲門の分家ですがね、昔、仲門の先祖に御殿にお勤めになっていた人がいたそうですよ。この御殿にお勤めになっていた先祖は、百二十斤もあった身体が大きい人だというが、その人が急に雨が降ったとき向こうの方から回ってきて家に帰ってこられたって。そしたら、それを見た仲門のお祖母が門中の兄弟の女の人たちに言っていたってよ。「自分の肩に上って、あの人を拝みなさい。」そのとき、仲門の嫡子を産む女の人は、「今日くれー明日食わーりん。」と願って、また比嘉の先祖になる人を生んだ人は、人間は頭が万能だから、「親加那志、万能な頭下さい。」とその先祖の人に願ったってよ。そしたら、熱田の比嘉は、それで頭のいい子に生まれて、儲けられたんだよ。熱田の比嘉が金持ちになったのは、キジムナーとは全然関係ないよ。また、一杯だけ茶を飲むなというのは、こんなって。この比嘉を栄えさせた人は、戦世のころで戦が激しくなって、戦に出て行くはめになっていたら、親加那志がそのとき、「もう一杯茶は飲むな。二杯飲め。」と言っていたって。もう戦はもう激しかったのさ。そうしたから、一杯は飲むな、二杯飲めと言われて、その人が二杯あがるまでは、この戦はもう終わったって。そうしたから、「もう戦は終わっているから戦には出ないでいい。お前の命は助かっている。お前は仲門玉城だが、もう命びろいしているから、大城の家を始めなさいよ。」と言ったってよ。また宮城からいらしている人の嫡子がさあ、こっちの家の嫡子に、「主人がいらっしゃるまで、私は家で熱い芋を煮ておくから。」と言っているから、その家の人がハーメー蟹小を取りに行っているあいだに伊江島から来た盗人にこっちの家の嫡子がさらわれて、伊江島に連れて行かれたそうだよ。それで、こっちから伊江島に捜しに行って、「私は熱田比嘉なんですよ。」と言うと、その盗人がその子を隠くしてしまっていたそうです。それで、その伊江島の家では清明になると、こっちの熱田の比嘉と自分のところとを両方拝むようになっている。あそこから元は麦で餅作って熱田比嘉に拝みに来たがね、堅い餅を持って来ていたよ。後の熱田の比嘉の次男はさあ、唐旅を終わらせて鹿児島に行かれたら、今では天然痘て言っているのは元はチュラガサと言ったよ。あそこでそれが流行っているときにだったって。それで、あそこでチュラガサに罹ってしまって世を失いなさったって。そして、この方はあちらに石碑建てられて、大層拝まれていたって。それで、鹿児島に三代目の人がいらしゃたときに、「これは、私たちの先祖だから。」と言って、家にお迎えしにといらしゃったって。その沖縄にお迎えするときには、大きい餅を準備して行って、帰って来る際に海に流されたという話ですよ。
全体の記録時間数 4:37
物語の時間数 4:22
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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