中城若松(シマグチ)

概要

中城若松は、美しい人だったらしいよ。だから、その中城若松を浦添祝女小という方が、もういつも望んでいたが、その浦添祝女小に言い寄られたときに、中城若松は、「私は首里の出ですので、私の望む女は首里にしかいない。」と言ったから、浦添祝女小はもうどうしても望まれないのさ。それで、浦添祝女小は、非常にから望みしていたと悲しんでね、自分が死ぬときには、ゆうどれに行って、そこで死んでいるんだね。その中城若松が一七才のときにね、この人は、安谷屋にいらしゃったので、首里勤めといってね、夜中に首里に帰って行かれらしいですよ。それで、中城若松が墓の多い浦添のゆうどれ坂にそって歩いて行ったら、雨が降って来て、暗くなっていたってよ。そしたら、そこに家があったわけですね。「雨も降るし、ここで宿して行くことにしょう。」と言って、その家に若松がお入りになって、そして寝てしまったら、そこの家は、浦添祝女小が死んで、若松を待っていた家だから、その祝女は、もう中城若松を望んでいるからね、その祝女小が歌を歌ったわけさ。その歌は、「男生まれとーてぃ恋知らん者や〔男に生まれていながら 恋を知らん者は〕玉ぬ杯ぬ底や見らん〔玉の杯の底は見えない〕。」と言ったから、若松は、「女生まれてぃ 義理知らんむぬや〔女に生まれて 義理を知らん者は〕玉ぬ杯ぬ底や見いらにちぃ〔玉の杯の底は見えないのか〕。」と言って、それの返ししているわけさ。それで、この歌問答しながらこの若松はもう危ないと思ったから、「ハートーナー、ここにいると自分の命も取られてしまう。」と言って浦添の城の寺に、「助けてくれ。」と言って、逃げ込んで鐘の下に隠れたそうです。そうすると、あの祝女がすぐ幽霊になってそこに来て、若松を捕まえようとしたが、そこで、中城若松は寺の人に助けられたって。昔は、女も男も離れていたから、あんなにまで望んで、恋に命を捨てるということになったらしいですよ。

再生時間:2:25

民話詳細DATA

レコード番号 47O383429
CD番号 47O38C176
決定題名 中城若松(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 新里ウシヤ
話者名かな しんざとうしや
生年月日 18920000
性別
出身地 沖縄県中頭郡北中城村字大城
記録日 19810705
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 中頭郡北中城村 T11 A05
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 北中城村の民話 P208
キーワード 中城若松,浦添祝女小,首里,ゆうどれ,安谷屋,墓,浦添,歌,恋,玉の杯の底,義理,歌問答,命,鐘
梗概(こうがい) 中城若松は、美しい人だったらしいよ。だから、その中城若松を浦添祝女小という方が、もういつも望んでいたが、その浦添祝女小に言い寄られたときに、中城若松は、「私は首里の出ですので、私の望む女は首里にしかいない。」と言ったから、浦添祝女小はもうどうしても望まれないのさ。それで、浦添祝女小は、非常にから望みしていたと悲しんでね、自分が死ぬときには、ゆうどれに行って、そこで死んでいるんだね。その中城若松が一七才のときにね、この人は、安谷屋にいらしゃったので、首里勤めといってね、夜中に首里に帰って行かれらしいですよ。それで、中城若松が墓の多い浦添のゆうどれ坂にそって歩いて行ったら、雨が降って来て、暗くなっていたってよ。そしたら、そこに家があったわけですね。「雨も降るし、ここで宿して行くことにしょう。」と言って、その家に若松がお入りになって、そして寝てしまったら、そこの家は、浦添祝女小が死んで、若松を待っていた家だから、その祝女は、もう中城若松を望んでいるからね、その祝女小が歌を歌ったわけさ。その歌は、「男生まれとーてぃ恋知らん者や〔男に生まれていながら 恋を知らん者は〕玉ぬ杯ぬ底や見らん〔玉の杯の底は見えない〕。」と言ったから、若松は、「女生まれてぃ 義理知らんむぬや〔女に生まれて 義理を知らん者は〕玉ぬ杯ぬ底や見いらにちぃ〔玉の杯の底は見えないのか〕。」と言って、それの返ししているわけさ。それで、この歌問答しながらこの若松はもう危ないと思ったから、「ハートーナー、ここにいると自分の命も取られてしまう。」と言って浦添の城の寺に、「助けてくれ。」と言って、逃げ込んで鐘の下に隠れたそうです。そうすると、あの祝女がすぐ幽霊になってそこに来て、若松を捕まえようとしたが、そこで、中城若松は寺の人に助けられたって。昔は、女も男も離れていたから、あんなにまで望んで、恋に命を捨てるということになったらしいですよ。
全体の記録時間数 2:43
物語の時間数 2:25
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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