雨蛙不孝(シマグチ)

あまがえるのおやふこう

概要

昔、昔、親不孝者がおりました。この親不孝者の息子は、いつも親の言いつけとは反対なことばかりをしていました。お母さんが、「水を汲んで来なさい。」と言われたら、海の塩を汲んで来るし、「海に行って塩を汲んで来なさい。」と言ったら、井戸に行って水を汲んで来るし、お母さんは大変困っておりました。そこで、お母さんが病気をして、「もう自分はどうしても再起の見込みはない。」と言うので、子どもに遺言をしました。「私が亡くなったら川原のそばに埋めてちょうだい。」と言いました。「きっとこの子は反対のことばかしをするから、こう言えば私を山手の方に埋めてくれるだろう。」と言うことで、お母さんはそういうふうに子どもに言いました。とうとうお母さんが亡くなると、この親不孝者の子どもは、「自分は今まで悪いことをしてお母さんにたいへん親不孝なことをした。そうだ。これはお母さんの言ったとおりに川の方に埋めないといかんね。」と川原の方に埋めてしまいました。そしたら、もうその後は、雨が降るたびごとに、「お母さんはもう水で川原に流されないかね。」と、雨蛙になったその子は、あのようにガーク、ゲークと鳴いているそうです。

再生時間:1:49

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民話詳細DATA

レコード番号 47O383229
CD番号 47O38C166
決定題名 雨蛙不孝(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 大田ヨシ子
話者名かな おおたよしこ
生年月日 19240705
性別
出身地 沖縄県中頭郡北中城村字喜舎場
記録日 19810705
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 中頭郡北中城村 T06 A04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 動物昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 北中城の民話 P518
キーワード 親不孝者,息子,親の言いつけ,反対,海の塩,井戸,病気,遺言,川原,雨,雨蛙
梗概(こうがい) 昔、昔、親不孝者がおりました。この親不孝者の息子は、いつも親の言いつけとは反対なことばかりをしていました。お母さんが、「水を汲んで来なさい。」と言われたら、海の塩を汲んで来るし、「海に行って塩を汲んで来なさい。」と言ったら、井戸に行って水を汲んで来るし、お母さんは大変困っておりました。そこで、お母さんが病気をして、「もう自分はどうしても再起の見込みはない。」と言うので、子どもに遺言をしました。「私が亡くなったら川原のそばに埋めてちょうだい。」と言いました。「きっとこの子は反対のことばかしをするから、こう言えば私を山手の方に埋めてくれるだろう。」と言うことで、お母さんはそういうふうに子どもに言いました。とうとうお母さんが亡くなると、この親不孝者の子どもは、「自分は今まで悪いことをしてお母さんにたいへん親不孝なことをした。そうだ。これはお母さんの言ったとおりに川の方に埋めないといかんね。」と川原の方に埋めてしまいました。そしたら、もうその後は、雨が降るたびごとに、「お母さんはもう水で川原に流されないかね。」と、雨蛙になったその子は、あのようにガーク、ゲークと鳴いているそうです。
全体の記録時間数 1:59
物語の時間数 1:49
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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