通称バーケーと言って、いわゆる魔物が出るところだね。そこに虫の鳴き声でね、クシリークシリーと鳴く虫がおるんだ。これは昔、その坂で殺された女が言っておるという話だがね。今ここは、アメリカ人向けのに貸家地帯になっていて、昔の道もないでしょう。その女が殺されたころには、畑道小だからね。昔、薩摩は琉球征伐で、戦争に勝ったんだから、琉球を植民地にしておって、だから薩摩は横暴でね、今アメリカに対してね日本が余りガミガミ言えないのとおなしでね、どんなことをしても沖縄の人はあまり文句が言えない。この話は廃藩置県のころらしいから、余り昔の話ではないでしょうなあ。それで、薩摩から沖縄に何か勤めて来た官吏がおったらしい。それの子守にね、どこから来たか分からんが女がおったそうだ。これがある日、その用事ははっきり分からんが、恋人に会うために自分が子守している子供をね、これは赤ちゃんだよ。「まあここにくくっておけば大丈夫。」とそれを井戸のそばくくりつけて置いたらね、そしたら相当時間がかかったでしょうなあ。子供が泣き出してね、それが分かったから、大騒ぎになったそうだ。今度はその親が怒りだしてね、こっちはもう植民地しておるんだから。「これくらい罰せんといかん。」という考えだったでしょうね。それでいわゆるリンチでね、まさかあんなことを公けには許さなかったと思うよ。いわゆる屠殺者を頼んでね、それで、バーケー坂というところで、この女を裸にしてね、切り刻んで死罪にしたらしい。だがね、この女はもう裸にして切られて殺されとるんだからね、着物が欲しいわけ。だからね、それの怨念で、その坂で虫の声が、「クシリー、クシリー。」と言って、「着せて、着せて」と呼ぶのは、この女の声だと言い伝えしているね。
| レコード番号 | 47O383205 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C164 |
| 決定題名 | バーケー坂(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 玉城安亀 |
| 話者名かな | たましろあんき |
| 生年月日 | 18981005 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県中頭郡北中城村字喜舎場 |
| 記録日 | 19810705 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 中頭郡北中城村 T03 B13 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説、 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P91 |
| キーワード | バーケー,魔物,虫,鳴き声,畑道小,薩摩,琉球征伐,戦争,横暴,廃藩置県,官吏,子守,恋人,赤ちゃん,井戸,罰,バーケー坂,裸,死罪,怨念 |
| 梗概(こうがい) | 通称バーケーと言って、いわゆる魔物が出るところだね。そこに虫の鳴き声でね、クシリークシリーと鳴く虫がおるんだ。これは昔、その坂で殺された女が言っておるという話だがね。今ここは、アメリカ人向けのに貸家地帯になっていて、昔の道もないでしょう。その女が殺されたころには、畑道小だからね。昔、薩摩は琉球征伐で、戦争に勝ったんだから、琉球を植民地にしておって、だから薩摩は横暴でね、今アメリカに対してね日本が余りガミガミ言えないのとおなしでね、どんなことをしても沖縄の人はあまり文句が言えない。この話は廃藩置県のころらしいから、余り昔の話ではないでしょうなあ。それで、薩摩から沖縄に何か勤めて来た官吏がおったらしい。それの子守にね、どこから来たか分からんが女がおったそうだ。これがある日、その用事ははっきり分からんが、恋人に会うために自分が子守している子供をね、これは赤ちゃんだよ。「まあここにくくっておけば大丈夫。」とそれを井戸のそばくくりつけて置いたらね、そしたら相当時間がかかったでしょうなあ。子供が泣き出してね、それが分かったから、大騒ぎになったそうだ。今度はその親が怒りだしてね、こっちはもう植民地しておるんだから。「これくらい罰せんといかん。」という考えだったでしょうね。それでいわゆるリンチでね、まさかあんなことを公けには許さなかったと思うよ。いわゆる屠殺者を頼んでね、それで、バーケー坂というところで、この女を裸にしてね、切り刻んで死罪にしたらしい。だがね、この女はもう裸にして切られて殺されとるんだからね、着物が欲しいわけ。だからね、それの怨念で、その坂で虫の声が、「クシリー、クシリー。」と言って、「着せて、着せて」と呼ぶのは、この女の声だと言い伝えしているね。 |
| 全体の記録時間数 | 3:38 |
| 物語の時間数 | 3:24 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |