亀を食わない門中(共通語)

概要

うちの母の里方なんですがね、何代前かしらないけれども、唐旅をして難破したそうです。そしたら誰かと二人だけ生きたそうです。二人とも一つの小島に登ったという。それをまあ岩の上にたどりついたと思ったら、その岩が動いたと言うんですね。よく見たら海亀だったから、「何とか陸地までたどりつくようにお願いします。」と願ったら、陸地まで連れて行ったと。それで、「君の恩は忘れんから。」と言って、そのとき髪さしでなく、そのころの人は手裏剣がわりになるウシザシと言うのをもう一つ髪にさしておりますよね。それを取って、その亀の甲口に差し込んだというんです。だからあれには穴が空いているんだということなんですがね。なぜそういう話が出たかというと、うちの母がハワイから帰ってきて、なにか水負けと言うかね、カイセンをやったらしい。それで、カイセンにはチーシマグスイといって亀の肉が非常にいいというわけで、そして、何かほかの肉だとだまされて食べさせられたというんですね。それが喉に引っ掛かったそうです。そして当時元順病院って那覇にありますがね、そこの医者が来ても、もう出すにも出せないし、落とせもしない。「これは、もう死ぬんだ。」というわけで、ずいぶんこう親戚が集まったそうです。母はもう手を合わせてこうやっとったそうですね。ちょうど母方のところの親戚のなかに九十幾つかのお婆ちゃんがおられて、喉にものがつまったと聞いたもんだから、「何を食べて喉につまっているのか。」と聞いたら、誰かが、「亀の肉だ。」と言っているから、「それは大変だ。」と、そのお婆ちゃんが先祖が亀に助けられた話をして、それからビン道具をやって、先祖にこうお詫びをしておるときに、その肉が下の方に下がっていって生き返ったと言うんです。そのときまで母は、この話を全然知らなかったそうですね。それで、母は、「私には絶対に亀の肉は食べさせないように。」というような話をしておりました。

再生時間:2:45

民話詳細DATA

レコード番号 47O383175
CD番号 47O38C163
決定題名 亀を食わない門中(共通語)
話者がつけた題名
話者名 安里常太郎
話者名かな あさとじょうたろう
生年月日 19180713
性別
出身地 沖縄県中頭郡北中城字喜舎場
記録日 19810705
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 中頭郡北中城村 T03 A11
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 動物昔話、 伝説、
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 北中城の民話 P50
キーワード 唐旅,難破,小島,海亀,恩,ウシザシ,甲口,カイセン,チーシマグスイ,亀の肉,元順病院,那覇,医者,ビン道具,先祖,お詫び
梗概(こうがい) うちの母の里方なんですがね、何代前かしらないけれども、唐旅をして難破したそうです。そしたら誰かと二人だけ生きたそうです。二人とも一つの小島に登ったという。それをまあ岩の上にたどりついたと思ったら、その岩が動いたと言うんですね。よく見たら海亀だったから、「何とか陸地までたどりつくようにお願いします。」と願ったら、陸地まで連れて行ったと。それで、「君の恩は忘れんから。」と言って、そのとき髪さしでなく、そのころの人は手裏剣がわりになるウシザシと言うのをもう一つ髪にさしておりますよね。それを取って、その亀の甲口に差し込んだというんです。だからあれには穴が空いているんだということなんですがね。なぜそういう話が出たかというと、うちの母がハワイから帰ってきて、なにか水負けと言うかね、カイセンをやったらしい。それで、カイセンにはチーシマグスイといって亀の肉が非常にいいというわけで、そして、何かほかの肉だとだまされて食べさせられたというんですね。それが喉に引っ掛かったそうです。そして当時元順病院って那覇にありますがね、そこの医者が来ても、もう出すにも出せないし、落とせもしない。「これは、もう死ぬんだ。」というわけで、ずいぶんこう親戚が集まったそうです。母はもう手を合わせてこうやっとったそうですね。ちょうど母方のところの親戚のなかに九十幾つかのお婆ちゃんがおられて、喉にものがつまったと聞いたもんだから、「何を食べて喉につまっているのか。」と聞いたら、誰かが、「亀の肉だ。」と言っているから、「それは大変だ。」と、そのお婆ちゃんが先祖が亀に助けられた話をして、それからビン道具をやって、先祖にこうお詫びをしておるときに、その肉が下の方に下がっていって生き返ったと言うんです。そのときまで母は、この話を全然知らなかったそうですね。それで、母は、「私には絶対に亀の肉は食べさせないように。」というような話をしておりました。
全体の記録時間数 2:46
物語の時間数 2:45
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP