これは渡嘉敷ペークが北谷に行ってからの話だが、昔は、王府の役人が地方巡視のときには、下っぱの役人でも田舎に来ると大物になるんでね、地方の人は本心からじゃないが取り持ちしないとね、不利になるから儀礼的にね、接待するんだよ。そして、北谷に王からの下っぱが使いに来ると、駕籠を用意して北谷の次は砂辺ですか、あっちまで運んで行く、向こう行ったらまた砂辺から嘉手納あたりまで運んでいるから、これは駕籠を用意しよったって。渡嘉敷ペークーは、それを聞いて、「こんなことは良くない。そんなに鼻が高くて、人民を苦しめると言うことは、役人がすべきわざではない。」と言って怒りを感じておった。それで、今度はまた、「いつの日に来るから駕籠を用意せい。」というような使いが北谷に来たわけです。渡嘉敷ペークは、それを聞いて、「おお、宜しい。」そして、役人が来て、「じゃ、駕籠は。」と言うと、「はい。」と一番真先にペークーが担いだ。「とう、乗れ。」と言ってね、こう駕籠を担いだのが渡嘉敷ペークだよ。渡嘉敷ペークは、王府の執務もやった人だしね、王様ともまた懇意で、王府から来た役人は、渡嘉敷ペークーよりずっと下っぱでしょう。だから、渡嘉敷ペークがいつ王様に、「私は下っぱ役人の駕籠を担いだよ。」とこう伝えられるかもしれないから、役人は遠慮してもうその駕籠には乗らなかった。それ以来、北谷では役人が来ても駕籠は用意しないでもいいと言うことになっている。そういう冗談めいたこともあるね。
| レコード番号 | 47O383163 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C162 |
| 決定題名 | 渡嘉敷ペーク(シマグチ混じり) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 安里永太郎 |
| 話者名かな | あさとえいたろう |
| 生年月日 | 19010929 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県中頭郡北中城字喜舎場 |
| 記録日 | 19810705 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 中頭郡北中城村 T02 B17 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P554 |
| キーワード | 渡嘉敷ペーク,北谷,王府の役人,地方巡視,田舎,大物,接待,駕籠,砂辺,嘉手納 |
| 梗概(こうがい) | これは渡嘉敷ペークが北谷に行ってからの話だが、昔は、王府の役人が地方巡視のときには、下っぱの役人でも田舎に来ると大物になるんでね、地方の人は本心からじゃないが取り持ちしないとね、不利になるから儀礼的にね、接待するんだよ。そして、北谷に王からの下っぱが使いに来ると、駕籠を用意して北谷の次は砂辺ですか、あっちまで運んで行く、向こう行ったらまた砂辺から嘉手納あたりまで運んでいるから、これは駕籠を用意しよったって。渡嘉敷ペークーは、それを聞いて、「こんなことは良くない。そんなに鼻が高くて、人民を苦しめると言うことは、役人がすべきわざではない。」と言って怒りを感じておった。それで、今度はまた、「いつの日に来るから駕籠を用意せい。」というような使いが北谷に来たわけです。渡嘉敷ペークは、それを聞いて、「おお、宜しい。」そして、役人が来て、「じゃ、駕籠は。」と言うと、「はい。」と一番真先にペークーが担いだ。「とう、乗れ。」と言ってね、こう駕籠を担いだのが渡嘉敷ペークだよ。渡嘉敷ペークは、王府の執務もやった人だしね、王様ともまた懇意で、王府から来た役人は、渡嘉敷ペークーよりずっと下っぱでしょう。だから、渡嘉敷ペークがいつ王様に、「私は下っぱ役人の駕籠を担いだよ。」とこう伝えられるかもしれないから、役人は遠慮してもうその駕籠には乗らなかった。それ以来、北谷では役人が来ても駕籠は用意しないでもいいと言うことになっている。そういう冗談めいたこともあるね。 |
| 全体の記録時間数 | 1:49 |
| 物語の時間数 | 1:40 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |