屋良ムルチ(共通語)

概要

嘉手納の屋良の漏池と言うのは大きな池ですよ。そこの大蛇が住んどって、すごいゴオーゴオーという音で水を巻き起こしてね、そのたびに、野菜をすっかり根こそぎにしてしまって、十一組もの人に被害を与えるから、そこの人は、非常に生活に苦しんだそうだ。「これはいけない。」と言うことで、その村の人が強制的にまだ幼い女の子を捧げて、その大蛇の暴れを静めたというんだな。それからは、童女を捧げないと、その大蛇の祟りがある。大蛇が何かその風を巻き起こしてね、野菜も何も根こそぎ駄目にするから、毎年、幼い女の子を捧げていたんだ。あるとき、お母さんだけしかいない片親の娘に、その白羽の矢が立ったわけ。その童女は、「捨てる身のこの辛さは何でもないが、お母さんが心配するだろう。」と非常に苦しんでね、「捨てる身ぬ命肝程ん思まん〔捨てる身はなんとも思っていないが〕明日や母親ぬ 泣ちゅら止めば〔明日、母が泣いて止めたらどうしよう〕。」ってね、歌ったと言うんです。この歌は玉城朝薫の作の組踊りにあるんです。そういう歌をうたって、そして、もう一般のために大蛇の口に飛び込む覚悟をしたんだね。 「命は何も惜しくない。お母さんが私が大蛇の餌食になって死んだということを聞いたら、きっと嘆くだろうなあ。」と言ったが、しかし、「住民を救うために万人のために蛇に食われよう。」と思って、身を捨ててね、その池に臨んだ。そしたら、大蛇が出てその娘を食べようとしたとき、天神がね、上から下って来て、その大蛇を仕留めた。だから、この童女は難を逃れたんだ。そしたら、その後、この娘は舜馬順煕王の王子の室に迎えられたというんだな。昔から、「いいことをすると天が助ける。」という格言もある通り、天は必ず救ってくれるんだな。

再生時間:2:49

民話詳細DATA

レコード番号 47O383160
CD番号 47O38C162
決定題名 屋良ムルチ(共通語)
話者がつけた題名
話者名 安里永太郎
話者名かな あさとえいたろう
生年月日 19010929
性別
出身地 沖縄県中頭郡北中城字喜舎場
記録日 19810705
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 中頭郡北中城村 T02 B14
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 北中城の民話 P290
キーワード 嘉手納,屋良,漏池,大蛇,幼い,童女,祟り,片親,歌,玉城朝薫,組踊り,覚悟,餌食,天神,舜馬順煕王,王子の室
梗概(こうがい) 嘉手納の屋良の漏池と言うのは大きな池ですよ。そこの大蛇が住んどって、すごいゴオーゴオーという音で水を巻き起こしてね、そのたびに、野菜をすっかり根こそぎにしてしまって、十一組もの人に被害を与えるから、そこの人は、非常に生活に苦しんだそうだ。「これはいけない。」と言うことで、その村の人が強制的にまだ幼い女の子を捧げて、その大蛇の暴れを静めたというんだな。それからは、童女を捧げないと、その大蛇の祟りがある。大蛇が何かその風を巻き起こしてね、野菜も何も根こそぎ駄目にするから、毎年、幼い女の子を捧げていたんだ。あるとき、お母さんだけしかいない片親の娘に、その白羽の矢が立ったわけ。その童女は、「捨てる身のこの辛さは何でもないが、お母さんが心配するだろう。」と非常に苦しんでね、「捨てる身ぬ命肝程ん思まん〔捨てる身はなんとも思っていないが〕明日や母親ぬ 泣ちゅら止めば〔明日、母が泣いて止めたらどうしよう〕。」ってね、歌ったと言うんです。この歌は玉城朝薫の作の組踊りにあるんです。そういう歌をうたって、そして、もう一般のために大蛇の口に飛び込む覚悟をしたんだね。 「命は何も惜しくない。お母さんが私が大蛇の餌食になって死んだということを聞いたら、きっと嘆くだろうなあ。」と言ったが、しかし、「住民を救うために万人のために蛇に食われよう。」と思って、身を捨ててね、その池に臨んだ。そしたら、大蛇が出てその娘を食べようとしたとき、天神がね、上から下って来て、その大蛇を仕留めた。だから、この童女は難を逃れたんだ。そしたら、その後、この娘は舜馬順煕王の王子の室に迎えられたというんだな。昔から、「いいことをすると天が助ける。」という格言もある通り、天は必ず救ってくれるんだな。
全体の記録時間数 3:28
物語の時間数 2:49
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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