浜下りの由来の話はね、非常に綺麗な若い娘がいて、その娘をアカマターが見初めて、若衆に化けてね、忍んで来たんだが、女はそれがアカマターとは知らなかったんだね。まあ、交際をするうちに、このアカマターは非常に有頂天になって、また忍んで来たときに自分の住んだ洞穴に帰って行って、隣のアカマターに、「おい、おれは大したものだよ。人間を妊娠をさせたんだよ。素晴らしいじゃないか。」そういうことも話していたらしいね。その後も忍んで来たときに、その女の恋人はどこにいるということも何も話さなかったから、その娘は不思議に思って、「こりゃあ、怪しい。どうしてもこの正体を突き止めんといかんが、どうすればいいですか。」と、お母さんに聞いたら、もうこれは人間に化けて、髪もカタカシラに結ってきよったそうだから、「長い糸を針に結んで抜けないように付けて、こうカタカシラへね、はずれんように刺しておきなさい。」と教えたそうだ。「そうですか。」それで、その晩来たときにはね、お母さんから聞いたように針に糸を付けて頭を突っ込んだ。そしたら、人間の若者に化けたアカマターは、また元の古巣の穴の中に帰るわけさな。そして、頭に針を突っ込まれてあるからよ、そこで苦しんでおった。娘が糸の行方をつたっていったらね、穴の中にこう糸が入っとった。「こりゃ、大変だ。アカマターが人間に化けたということが始めて分かった。」そのときに、穴の中でこんな話があった。「私は人間を妊娠をさせたから、たいしたもんだ。」と針を突っ込まれてあるアカマターが威張ったのに、ほかのアカマターいわくね、「お前がね、人間にはらませてもその女が浜辺に下りて塩を踏めば、流産してしまうんじゃないか。」と言うことをその女が聞いたって。「おお、これはもう恐ろしいことだ。こんなアカマターが化けて人間に化けてきたとは、つゆ知らずこんなことになってしまった。よろしい。浜下りをして海の潮を踏み、砂を踏もう。そしたら流産するから。」と案の定そういうことをやったらね、浜辺でアカマターの子は流産した。それから、今度はね、「女は、どんなに迷わせがあるかも知らんから、みんな若い女を三月三日には浜で浜遊びをするために浜下りをするといいね。そうすれば、もし万一そういうような難があっても御破算になる。」と言うようなことで浜下りをした。それがきっかけとなって、今も三月三日には女が浜下りをするという習わしになっている。
| レコード番号 | 47O383156 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C162 |
| 決定題名 | 蛇婿入り(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 安里永太郎 |
| 話者名かな | あさとえいたろう |
| 生年月日 | 19010929 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県中頭郡北中城字喜舎場 |
| 記録日 | 19810705 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 中頭郡北中城村 T02 B10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話、 民俗 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P398 |
| キーワード | 浜下りの由来,綺麗,若い娘,アカマター,若衆,有頂天,洞穴,妊娠,正体,カタカシラ,糸,針,糸の行方,流産,潮,三月三日,浜遊び |
| 梗概(こうがい) | 浜下りの由来の話はね、非常に綺麗な若い娘がいて、その娘をアカマターが見初めて、若衆に化けてね、忍んで来たんだが、女はそれがアカマターとは知らなかったんだね。まあ、交際をするうちに、このアカマターは非常に有頂天になって、また忍んで来たときに自分の住んだ洞穴に帰って行って、隣のアカマターに、「おい、おれは大したものだよ。人間を妊娠をさせたんだよ。素晴らしいじゃないか。」そういうことも話していたらしいね。その後も忍んで来たときに、その女の恋人はどこにいるということも何も話さなかったから、その娘は不思議に思って、「こりゃあ、怪しい。どうしてもこの正体を突き止めんといかんが、どうすればいいですか。」と、お母さんに聞いたら、もうこれは人間に化けて、髪もカタカシラに結ってきよったそうだから、「長い糸を針に結んで抜けないように付けて、こうカタカシラへね、はずれんように刺しておきなさい。」と教えたそうだ。「そうですか。」それで、その晩来たときにはね、お母さんから聞いたように針に糸を付けて頭を突っ込んだ。そしたら、人間の若者に化けたアカマターは、また元の古巣の穴の中に帰るわけさな。そして、頭に針を突っ込まれてあるからよ、そこで苦しんでおった。娘が糸の行方をつたっていったらね、穴の中にこう糸が入っとった。「こりゃ、大変だ。アカマターが人間に化けたということが始めて分かった。」そのときに、穴の中でこんな話があった。「私は人間を妊娠をさせたから、たいしたもんだ。」と針を突っ込まれてあるアカマターが威張ったのに、ほかのアカマターいわくね、「お前がね、人間にはらませてもその女が浜辺に下りて塩を踏めば、流産してしまうんじゃないか。」と言うことをその女が聞いたって。「おお、これはもう恐ろしいことだ。こんなアカマターが化けて人間に化けてきたとは、つゆ知らずこんなことになってしまった。よろしい。浜下りをして海の潮を踏み、砂を踏もう。そしたら流産するから。」と案の定そういうことをやったらね、浜辺でアカマターの子は流産した。それから、今度はね、「女は、どんなに迷わせがあるかも知らんから、みんな若い女を三月三日には浜で浜遊びをするために浜下りをするといいね。そうすれば、もし万一そういうような難があっても御破算になる。」と言うようなことで浜下りをした。それがきっかけとなって、今も三月三日には女が浜下りをするという習わしになっている。 |
| 全体の記録時間数 | 4:02 |
| 物語の時間数 | 3:47 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |