山神と童子(方言)

概要

そこは年寄りと若い夫婦の三人暮らしだったらしい。三人暮らしだが、この年寄りは毎日五合の酒を飲んでいたそうだ。そうしたらそこの嫁が毎日五合の酒を飲まれては私達の家計は持たないと思っていた。近くの酒屋では、水を入れて混合して売っているが、遠くの酒屋では純モウの酒が買えるので、難儀して遠くまで行き買って来て混合したら同じ五合だからね。そうしたら残りは貯蓄出来るでしょう。そしてその嫁は遠くまで五合の酒を買いに行き、近くの店で買って来るのと同じようにして混合して、舅親には差し上げたようだ。そして二合づつは貯めてその嫁は蔵を建てたようだ。そうしてある時、この蔵が火事になり焼けたようだ。自分で難儀して五合の酒を買って来て内緒で貯めてあるでしょう。その蔵は焼け、酒が入っているので青色の火が出て蔵は燃えたわけだよ。そうしたら、そこの嫁の夫は「どうしてかね、私達の家は酒飲みが居るので、火事が起こったら自分の蔵まで酒の臭いがして青色の火が燃えるんだね、珍しいね」というが、その嫁はそこに酒を隠してあるということは言わなかったらしい。そうしたら「もうこれは易者に行ってみないといけない」と言って、そこの主人は易者に行った。その易者の家はあまりに遠かったので、途中で人の家に宿を借りたわけだよ。そうしたら「どちらにですか」と聞いたわけだよ。そうしたら「こうこうで、家が焼けてね。何の不足があるのか青色の火が燃えるので、不思議になって何処何処によく当たる神様が居るというのでそこまで行くんだよ」と言った。そうしたらそこの家の人は、「そこに行くんでしたら、私達の事まで聞いて来て下さい」と言ったそうだ。どうしてかと言うと、そこの娘は物を言わなかったらしい、唖ね。何の不足があって娘は聞く事は出来るが、物を言わない唖だった。「何か不足があるかもしれないので、私達の運勢まで聞いて来て下さい」と頼まれた。今度は川を渡る事になり、いつもはそこに渡し船があるのに無かったらしい。そうしたら川は渡って行かなくていけないし、渡し船が無いのでどうするかと立っていたそうだ。そうしたら、そこからハブが出て来て声を掛けたわけだよ。「何処に行くんですか」「こうこうで」「ここは今日一日中待っていても渡し船は来ないので、私が渡してあげますよ。私への恩は、神様の所に行って私の運勢まで見てもらって来て下さい」と言ったわけだよ。そしたら「そうか」と。「どうしてか」と言ったら「自分と同じに孵化したものは龍になって天に昇っていっているのに、私はいつまで経っても地面での生活で天に上がる事が出来なくて残念」と言ったそうだ。そうしたら「そうか」と。それを聞いて行くわけだよ。そうしたら、その龍が渡してくれて神様の前まで行くことになった。そして自分の事から聞いたよ。「これは、食べる福分を引いている。貴方達は、この人が五合の酒をいただくのに半分を引いてあげているでしょう。この人は、これだけ飲む宇という生まれなのに人の福分(クェーブー)を引いた為に罰が当たってそうなったんだよ。人の福分を引くものではないよ」と言われたそうだ。そうしたら、自分の事は済んで、今度は頼まれた蛇の事を言ったら、貴方が行く時にも渡し舟は無いはずだから、今度貴方が帰る時に渡してあげたら自然に天に昇る事が出来るはずだよ。そしてもう一つは宿を借りた家の事を聞いたわけだよ。そこの娘は物を言わなかったでしょう。その人が「これはね、貴方が妻にしたら物を言うよ」と言ったそうだ。そしたら、自分には嫁がいるでしょう、そこの娘を妻にしないと物を言わないと言われた。渡し船は無いのでそのハブは「渡してあげて、貴方が帰ってしまったらどうする、渡したら帰るでしょう」と言い合いをしてから「渡してあげるから必ず聞かせてくれよ」そう言って渡すと、物も言わずにそのハブはすっと天に昇って行ったそうだ。そして初めに宿を取った家に行くと、そこの家は待ちかねていたらしい。「私が妻にしないと治らないそうだ」と言ったら「馬鹿者」と言って、そこの親はすぐ追い払おうとした。そしたら一言も喋べった事がないのに「少し待って下さい」と言ったそうだ。今まで唖だった人がね。そこで、「短気をおこしたのは私達が悪かった、一回は話を聞かせてくれ」と。そして結局はその人の妾になって物を言うようになったそうだ。

再生時間:7:05

民話詳細DATA

レコード番号 47O375107
CD番号 47O37C219
決定題名 山神と童子(方言)
話者がつけた題名 山神と童子
話者名 高良オキ
話者名かな たからおき
生年月日 19161126
性別
出身地 沖縄県読谷村比謝
記録日 19770225
記録者の所属組織 読谷村民話調査団第9班
元テープ番号 読谷村比謝T02B18
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 年寄りと若い夫婦,毎日五合の酒,酒屋,水で混合,貯蓄,嫁,蔵,火事,青色の火,酒飲み,易者,渡し船,神様,龍,天に昇る,娘は物を言わなかった,ハブ
梗概(こうがい) そこは年寄りと若い夫婦の三人暮らしだったらしい。三人暮らしだが、この年寄りは毎日五合の酒を飲んでいたそうだ。そうしたらそこの嫁が毎日五合の酒を飲まれては私達の家計は持たないと思っていた。近くの酒屋では、水を入れて混合して売っているが、遠くの酒屋では純モウの酒が買えるので、難儀して遠くまで行き買って来て混合したら同じ五合だからね。そうしたら残りは貯蓄出来るでしょう。そしてその嫁は遠くまで五合の酒を買いに行き、近くの店で買って来るのと同じようにして混合して、舅親には差し上げたようだ。そして二合づつは貯めてその嫁は蔵を建てたようだ。そうしてある時、この蔵が火事になり焼けたようだ。自分で難儀して五合の酒を買って来て内緒で貯めてあるでしょう。その蔵は焼け、酒が入っているので青色の火が出て蔵は燃えたわけだよ。そうしたら、そこの嫁の夫は「どうしてかね、私達の家は酒飲みが居るので、火事が起こったら自分の蔵まで酒の臭いがして青色の火が燃えるんだね、珍しいね」というが、その嫁はそこに酒を隠してあるということは言わなかったらしい。そうしたら「もうこれは易者に行ってみないといけない」と言って、そこの主人は易者に行った。その易者の家はあまりに遠かったので、途中で人の家に宿を借りたわけだよ。そうしたら「どちらにですか」と聞いたわけだよ。そうしたら「こうこうで、家が焼けてね。何の不足があるのか青色の火が燃えるので、不思議になって何処何処によく当たる神様が居るというのでそこまで行くんだよ」と言った。そうしたらそこの家の人は、「そこに行くんでしたら、私達の事まで聞いて来て下さい」と言ったそうだ。どうしてかと言うと、そこの娘は物を言わなかったらしい、唖ね。何の不足があって娘は聞く事は出来るが、物を言わない唖だった。「何か不足があるかもしれないので、私達の運勢まで聞いて来て下さい」と頼まれた。今度は川を渡る事になり、いつもはそこに渡し船があるのに無かったらしい。そうしたら川は渡って行かなくていけないし、渡し船が無いのでどうするかと立っていたそうだ。そうしたら、そこからハブが出て来て声を掛けたわけだよ。「何処に行くんですか」「こうこうで」「ここは今日一日中待っていても渡し船は来ないので、私が渡してあげますよ。私への恩は、神様の所に行って私の運勢まで見てもらって来て下さい」と言ったわけだよ。そしたら「そうか」と。「どうしてか」と言ったら「自分と同じに孵化したものは龍になって天に昇っていっているのに、私はいつまで経っても地面での生活で天に上がる事が出来なくて残念」と言ったそうだ。そうしたら「そうか」と。それを聞いて行くわけだよ。そうしたら、その龍が渡してくれて神様の前まで行くことになった。そして自分の事から聞いたよ。「これは、食べる福分を引いている。貴方達は、この人が五合の酒をいただくのに半分を引いてあげているでしょう。この人は、これだけ飲む宇という生まれなのに人の福分(クェーブー)を引いた為に罰が当たってそうなったんだよ。人の福分を引くものではないよ」と言われたそうだ。そうしたら、自分の事は済んで、今度は頼まれた蛇の事を言ったら、貴方が行く時にも渡し舟は無いはずだから、今度貴方が帰る時に渡してあげたら自然に天に昇る事が出来るはずだよ。そしてもう一つは宿を借りた家の事を聞いたわけだよ。そこの娘は物を言わなかったでしょう。その人が「これはね、貴方が妻にしたら物を言うよ」と言ったそうだ。そしたら、自分には嫁がいるでしょう、そこの娘を妻にしないと物を言わないと言われた。渡し船は無いのでそのハブは「渡してあげて、貴方が帰ってしまったらどうする、渡したら帰るでしょう」と言い合いをしてから「渡してあげるから必ず聞かせてくれよ」そう言って渡すと、物も言わずにそのハブはすっと天に昇って行ったそうだ。そして初めに宿を取った家に行くと、そこの家は待ちかねていたらしい。「私が妻にしないと治らないそうだ」と言ったら「馬鹿者」と言って、そこの親はすぐ追い払おうとした。そしたら一言も喋べった事がないのに「少し待って下さい」と言ったそうだ。今まで唖だった人がね。そこで、「短気をおこしたのは私達が悪かった、一回は話を聞かせてくれ」と。そして結局はその人の妾になって物を言うようになったそうだ。
全体の記録時間数 7:05
物語の時間数 7:05
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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