何が恐い タンナファクルー(共通語混)

概要

その男にはとても仲の良い友達が居たそうだ。友達だったが死んでしまったらしい。昔はあの世とこの世とは一つだったそうだ。そして死んでしまってもお互い友達でいたそうだ。そうしたらある時、ある所に病人が居たらしい。そうしたら「今、誰々は病気なので、私はあの人の魂を取って来て私のようにする」と言っているわけだよ。死んだ人が生きている人にね。「お前は病気の人を助けようとはせず、魂を取るということもあるか」と言った。「私はどうしても取る」「そして、どうして取るのか」と言ったら「そこは見舞い人も沢山集まっているでしょう、そして昔はあばら屋でランプを付けているでしょう。だからすぐ台所の隙間から風を入れてランプを消して、その消えている間にその病人の魂を取って来るんだよ」と言っていた。「そうだったら、その時には私も連れて行ってくれ」と言った。そしたら「いいよ、それでは何処何処で待っておきなさいね」と言って連れて行ったそうだ。「これはどうして生きた魂を取るんだろう」と門に立って見ていたそうだ。そしたら言った通りに、風を入れて家のランプの明かりは消えていたそうだ。そして「どうだったか」と言ったら「ほら取って来た、取って来た」と喜んで持って来たようだ。そして一番初めに「お前が世の中で一番怖いのは何か」と聞いたそうだよ死んだ人がね。「世の中で一番怖いのは、タンナンフクルだよ」と言った。「タンナンフクルといったら饅頭でしょう、それが怖いと言っていた。「お前はタンナンフクルが怖いのか」そして「お前は何が怖いのか」と死んだ人に言ったわけだよ、「私は、サラカチ山と明け方にケッケレッケーと鳴く鳥がとても怖いよ」と言った。それだけは聞いていたわけだよ。そうして言った通り、魂を取りにと死んだ人が友達も一緒に行ったそうだ。「取って来た、取って来た」「それじゃ、私にも持たせてくれ」と言ったら「それは出来ない」と。再度持たせてくれと言われたので「それでは離すなよ」と渡したようだ。そうしたら、サラカチ山を目的にどうしてもこれを助けないと、病人を助けようと思っていた。死んだ人は、自分と同じように魂を取るという気持ちだった。サラカチ山に入り込んで、その生きた人はその魂を見てみようと取った。そしたらそこに潜んでいたわけだよ、その生きた人は。そうして、その死人は「お前は友達なのに、せっかく取ってある魂を横取りするとは」「あんたの親はタンナンフクルが怖いと言っていたので、それを投げようと」と言った。それはおとぎ話だったのか、そしてサラカチ山にタンナンフクルを投げたそうだ。そしたら生きている人は、それだけ頭が良いからね。そして嘘をついていたんでしょう。本当は怖いものは無いけどね。そしてタンナンフクルを投げたので、それを食べて日中は過ごした。そのうち世も更けて明け方になると、ケッケレッケー、ケッケレッケーと鳥が鳴いたようだ。そうしたら、それが怖いからその死んだ人は家に帰ったそうだ。 そしてこれはもう帰ったからと、生き魂を預かった人の家に行くと、言った通りその病人は今にも死にそうになっていた。そこで魂を戻してあげたからこの人は元気になったそうだ。今からでもこういうふうに隙間風が入って来るとトカゲから包丁など投げなさいと教えたそうだ。そしてまた隙間風が入るとヤナムンが入って来たねと同じ事をして返したそうだ。その時からは墓に行くと「私がはもう人の魂は取れない」と言ってうなっていたそうだ。これもおとぎ話だと思うがね。

再生時間:5:06

民話詳細DATA

レコード番号 47O375102
CD番号 47O37C219
決定題名 何が恐い タンナファクルー(共通語混)
話者がつけた題名 何が恐い
話者名 高良オキ
話者名かな たからおき
生年月日 19161126
性別
出身地 沖縄県読谷村比謝
記録日 19770225
記録者の所属組織 読谷村民話調査団第9班
元テープ番号 読谷村比謝T02B13
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集15渡具知・比謝・比謝矼の民話 P226
キーワード 仲の良い友達,死んだ,病人,魂,世の中で一番怖いの,タンナンフクル,サラカチ山,明け方の鳥の鳴き声,隙間風,トカゲ,包丁,ヤナムン
梗概(こうがい) その男にはとても仲の良い友達が居たそうだ。友達だったが死んでしまったらしい。昔はあの世とこの世とは一つだったそうだ。そして死んでしまってもお互い友達でいたそうだ。そうしたらある時、ある所に病人が居たらしい。そうしたら「今、誰々は病気なので、私はあの人の魂を取って来て私のようにする」と言っているわけだよ。死んだ人が生きている人にね。「お前は病気の人を助けようとはせず、魂を取るということもあるか」と言った。「私はどうしても取る」「そして、どうして取るのか」と言ったら「そこは見舞い人も沢山集まっているでしょう、そして昔はあばら屋でランプを付けているでしょう。だからすぐ台所の隙間から風を入れてランプを消して、その消えている間にその病人の魂を取って来るんだよ」と言っていた。「そうだったら、その時には私も連れて行ってくれ」と言った。そしたら「いいよ、それでは何処何処で待っておきなさいね」と言って連れて行ったそうだ。「これはどうして生きた魂を取るんだろう」と門に立って見ていたそうだ。そしたら言った通りに、風を入れて家のランプの明かりは消えていたそうだ。そして「どうだったか」と言ったら「ほら取って来た、取って来た」と喜んで持って来たようだ。そして一番初めに「お前が世の中で一番怖いのは何か」と聞いたそうだよ死んだ人がね。「世の中で一番怖いのは、タンナンフクルだよ」と言った。「タンナンフクルといったら饅頭でしょう、それが怖いと言っていた。「お前はタンナンフクルが怖いのか」そして「お前は何が怖いのか」と死んだ人に言ったわけだよ、「私は、サラカチ山と明け方にケッケレッケーと鳴く鳥がとても怖いよ」と言った。それだけは聞いていたわけだよ。そうして言った通り、魂を取りにと死んだ人が友達も一緒に行ったそうだ。「取って来た、取って来た」「それじゃ、私にも持たせてくれ」と言ったら「それは出来ない」と。再度持たせてくれと言われたので「それでは離すなよ」と渡したようだ。そうしたら、サラカチ山を目的にどうしてもこれを助けないと、病人を助けようと思っていた。死んだ人は、自分と同じように魂を取るという気持ちだった。サラカチ山に入り込んで、その生きた人はその魂を見てみようと取った。そしたらそこに潜んでいたわけだよ、その生きた人は。そうして、その死人は「お前は友達なのに、せっかく取ってある魂を横取りするとは」「あんたの親はタンナンフクルが怖いと言っていたので、それを投げようと」と言った。それはおとぎ話だったのか、そしてサラカチ山にタンナンフクルを投げたそうだ。そしたら生きている人は、それだけ頭が良いからね。そして嘘をついていたんでしょう。本当は怖いものは無いけどね。そしてタンナンフクルを投げたので、それを食べて日中は過ごした。そのうち世も更けて明け方になると、ケッケレッケー、ケッケレッケーと鳥が鳴いたようだ。そうしたら、それが怖いからその死んだ人は家に帰ったそうだ。 そしてこれはもう帰ったからと、生き魂を預かった人の家に行くと、言った通りその病人は今にも死にそうになっていた。そこで魂を戻してあげたからこの人は元気になったそうだ。今からでもこういうふうに隙間風が入って来るとトカゲから包丁など投げなさいと教えたそうだ。そしてまた隙間風が入るとヤナムンが入って来たねと同じ事をして返したそうだ。その時からは墓に行くと「私がはもう人の魂は取れない」と言ってうなっていたそうだ。これもおとぎ話だと思うがね。
全体の記録時間数 5:06
物語の時間数 5:06
言語識別 混在
音源の質
テープ番号
予備項目1

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