昔よ、ウナイイキーが居たが、兄と妹の二人が居たが。そのウナイは結婚もして立身し、子どもも産んであった。またこのイキーは、ちょうど言うならば今の鬼というものさ。あちこちをもう大変荒らして、赤子の居る所に行っては奪い取って来て、殺して食べたりしていたそうだ。そうしているのを、その話をそのウナイは聞かされたので、「こうしてみんなを苦しめてはいけないから、是非私が退治しなくてはいけない。私がしか片付ける事が出来ない」と、そのウナイは考えた。そして、その兄の家に行ったら、「来たね」と言っていたらしいが。ウナイが兄の家に行き、自分の子どもは側に寝かせて話をすると、兄は赤子の臭いで鼻をヒーヒーさせたのでね。すると「兄さん何月何日には、兄さんはムーチーが欲しいね、ムーチー食べるね」と言うと、「何でもお前が持ってくる物は食べるよ、何でも食べるよ」という話をしてね。「だったら何月何日に、私がムーチーを作って来るのでだったらもう私達はムーチーで御馳走しようね、遊ぼうね」と言っているすきに、その鬼は立って行き包丁を研いだって。何かガサガサ物音がするなと思って見ると、包丁を研いでいたので「これは本当だなあ」と。そうして、妹は逃げて。兄が包丁を研いでいる間に逃げて行ったって。約束の日になったので、ムーチーを作り「ムーチーを作って来たから、さあ私達は山遊びをしながらムーチーを食べよう」と、「山にムーチーを食べに行こう」と妹が言うと「はい」と一緒に行った。そこで「さあ兄さんはここに座って」と、崖を後ろにして兄を座らせて、その鬼になった兄を座らせた。その妹は、崖を前にして座って「さあ、たくさん食べてよ兄さん」と。その兄には赤瓦の割れた物でムーチーを作ってあげて、自分は唐黍餠を食べて、兄には瓦で作ったムーチーをたくさんあげたようだ。もうそれからたくさん食べたところで、「今日のムーチーは誰が多く食べたかな」と言うと「私の方が多く食べているよ」とその鬼は言った。「いいえ、兄さんの口は一つしかないのに、私ほどは食べてないよ」と言ったら、「人間たるものが口が二つある人がいるか、口はみんな一つしかないが」と言ったらね。「私の口は二つあるよ、兄さん」と言ったら、もうこれで言い合いになってしまった。すると後は兄は怒ってしまったので、「これは物を食べる口だよ、兄さん。それ!下もあるでしょう」と陰部を見せたそうだ。そうしたら、その時に鬼は驚いて後ろにひっくり返ったって、崖に。鬼は後ろが崖とは知らずに落ちてしまって妹は鬼を退治したそうだ。それから、この師走のムーチーは作られたそうだよ。
| レコード番号 | 47O375033 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C215 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(方言) |
| 話者がつけた題名 | 鬼餅由来 |
| 話者名 | 我謝ツル |
| 話者名かな | がじゃつる |
| 生年月日 | 19010310 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村大木 |
| 記録日 | 19770224 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第9班 |
| 元テープ番号 | 読谷村渡具知T06A11 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | ウナイイキー,子ども,鬼,退治,鼻をヒーヒー,ムーチー,包丁,崖,瓦で作ったムーチーをたくさんあげ,私の口は二つ,師走のムーチー |
| 梗概(こうがい) | 昔よ、ウナイイキーが居たが、兄と妹の二人が居たが。そのウナイは結婚もして立身し、子どもも産んであった。またこのイキーは、ちょうど言うならば今の鬼というものさ。あちこちをもう大変荒らして、赤子の居る所に行っては奪い取って来て、殺して食べたりしていたそうだ。そうしているのを、その話をそのウナイは聞かされたので、「こうしてみんなを苦しめてはいけないから、是非私が退治しなくてはいけない。私がしか片付ける事が出来ない」と、そのウナイは考えた。そして、その兄の家に行ったら、「来たね」と言っていたらしいが。ウナイが兄の家に行き、自分の子どもは側に寝かせて話をすると、兄は赤子の臭いで鼻をヒーヒーさせたのでね。すると「兄さん何月何日には、兄さんはムーチーが欲しいね、ムーチー食べるね」と言うと、「何でもお前が持ってくる物は食べるよ、何でも食べるよ」という話をしてね。「だったら何月何日に、私がムーチーを作って来るのでだったらもう私達はムーチーで御馳走しようね、遊ぼうね」と言っているすきに、その鬼は立って行き包丁を研いだって。何かガサガサ物音がするなと思って見ると、包丁を研いでいたので「これは本当だなあ」と。そうして、妹は逃げて。兄が包丁を研いでいる間に逃げて行ったって。約束の日になったので、ムーチーを作り「ムーチーを作って来たから、さあ私達は山遊びをしながらムーチーを食べよう」と、「山にムーチーを食べに行こう」と妹が言うと「はい」と一緒に行った。そこで「さあ兄さんはここに座って」と、崖を後ろにして兄を座らせて、その鬼になった兄を座らせた。その妹は、崖を前にして座って「さあ、たくさん食べてよ兄さん」と。その兄には赤瓦の割れた物でムーチーを作ってあげて、自分は唐黍餠を食べて、兄には瓦で作ったムーチーをたくさんあげたようだ。もうそれからたくさん食べたところで、「今日のムーチーは誰が多く食べたかな」と言うと「私の方が多く食べているよ」とその鬼は言った。「いいえ、兄さんの口は一つしかないのに、私ほどは食べてないよ」と言ったら、「人間たるものが口が二つある人がいるか、口はみんな一つしかないが」と言ったらね。「私の口は二つあるよ、兄さん」と言ったら、もうこれで言い合いになってしまった。すると後は兄は怒ってしまったので、「これは物を食べる口だよ、兄さん。それ!下もあるでしょう」と陰部を見せたそうだ。そうしたら、その時に鬼は驚いて後ろにひっくり返ったって、崖に。鬼は後ろが崖とは知らずに落ちてしまって妹は鬼を退治したそうだ。それから、この師走のムーチーは作られたそうだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:41 |
| 物語の時間数 | 3:41 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |