モーイ親方が下駄と草履を履いて来たら、友達が「どうしてお前は下駄と草履を履いているのか」と言ったので「片方はお父さん、片方はお母さんがそう言ったので一緒に履いているんだよ」と。それでもう頭も優れている人だったが、気が触れたふりをして、毎日煙草ばかり吹かしていた。そしたら父親が、「何でそんなに煙草ばかり吹かして、煙草というのは一回ずつ吹かすんであって」と言ったらね「一回だけ吹かしなさい」と、一本の煙草を床下で吹かしたらものすごい煙が立ち込めてしまって、「火事だよ」と行って見たら、モーイが煙草を吹かしていたって。父親が「何でお前はそういうことをするのか」と言うと、「だってお父さんは、『煙草は一回で吹かすんだよ』と言うもんだから、一回で吹かすんだよ」と。いつもそういうふうにああいったりして気が触れたふりをして歩いていた。その人はもう頭は優れていたが、触れた真似をしていた。ある時、薩摩からこの、(御用が来たようで)セイホウのお父さん達、三人の役人が居たわけさ。その薩摩からの問題は一つは灰で綯ってある灰縄の御用、もう一つはスワン岳のお願い、そして雄鶏の卵を持って来なさいという注文が来た。そしたらもうみんな苦心して、誰がだったら出来るのかと考えていた。後はもうモーイの父親が役目を当てられた。そしたらモーイの父親は心配して、雄鶏の卵というのも無いし、またこの岳というのは壊せないのにどのようにして持って行こうかと心配していた。そこにモーイが出て来て、「お父さんの代わりに私が行きます」「お前みたいな者が政府に行けるか」と言うと「はい、私が行って何もかも済まして来ます」と。そうして出されたので、向こうからは迎えられたのでね「こうこうで役人の子どもでモーイといいます」と言うと「どうしてお父さんは来ないで、お前が来たのか」と言われたので「私の父親は今、産気づいて来ることができません」と言った。「来られません」と言うと「男も産気づくか」と言ったので「どうして、そうならば貴方達は、雄鶏の卵を持って来なさいと言うのはどういうことか」と言ったら「ああ、これも負けた」と。そしたら「それなら灰縄を持って来い」と言ったので縄を持って行き、その縄を焼いて灰にしたら本当に綯ったままで灰縄になっていた。そして「持って来てありますよ」と。それもそういうふうにしてこれも負けたそうだ。そして「お前はスワン岳は持って来たか」と言ったので、「それを運ぶ船を造って下さい、そしたら今すぐ壊して来ます」と言った。それで薩摩は負けてそのモーイは、それと同じだったって。そうして帰って来て、お父さんに「立派に勤めは済ませて来ました」と言うと、「それで何と言ったのか」と言われたので「こうこうです」と。その時からモーヤーではなくとても偉い人になったって。モーイ親方という人は。
| レコード番号 | 47O374996 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C214 |
| 決定題名 | モーイ親方 下駄とぞうり 煙草 難題(方言) |
| 話者がつけた題名 | モーイ親方 |
| 話者名 | 大城静 |
| 話者名かな | おおしろしず |
| 生年月日 | 19050220 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村渡具知 |
| 記録日 | 19770224 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第15班 |
| 元テープ番号 | 読谷村渡具知T05B03 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集15渡具知・比謝・比謝矼の民話 P68 |
| キーワード | モーイ親方,下駄,草履を,お父さん,お母さん,気が触れたふり,煙草,一回だけ吹かしなさい,火事,薩摩,問題,灰縄の御用,スワン岳,雄鶏の卵,産気 |
| 梗概(こうがい) | モーイ親方が下駄と草履を履いて来たら、友達が「どうしてお前は下駄と草履を履いているのか」と言ったので「片方はお父さん、片方はお母さんがそう言ったので一緒に履いているんだよ」と。それでもう頭も優れている人だったが、気が触れたふりをして、毎日煙草ばかり吹かしていた。そしたら父親が、「何でそんなに煙草ばかり吹かして、煙草というのは一回ずつ吹かすんであって」と言ったらね「一回だけ吹かしなさい」と、一本の煙草を床下で吹かしたらものすごい煙が立ち込めてしまって、「火事だよ」と行って見たら、モーイが煙草を吹かしていたって。父親が「何でお前はそういうことをするのか」と言うと、「だってお父さんは、『煙草は一回で吹かすんだよ』と言うもんだから、一回で吹かすんだよ」と。いつもそういうふうにああいったりして気が触れたふりをして歩いていた。その人はもう頭は優れていたが、触れた真似をしていた。ある時、薩摩からこの、(御用が来たようで)セイホウのお父さん達、三人の役人が居たわけさ。その薩摩からの問題は一つは灰で綯ってある灰縄の御用、もう一つはスワン岳のお願い、そして雄鶏の卵を持って来なさいという注文が来た。そしたらもうみんな苦心して、誰がだったら出来るのかと考えていた。後はもうモーイの父親が役目を当てられた。そしたらモーイの父親は心配して、雄鶏の卵というのも無いし、またこの岳というのは壊せないのにどのようにして持って行こうかと心配していた。そこにモーイが出て来て、「お父さんの代わりに私が行きます」「お前みたいな者が政府に行けるか」と言うと「はい、私が行って何もかも済まして来ます」と。そうして出されたので、向こうからは迎えられたのでね「こうこうで役人の子どもでモーイといいます」と言うと「どうしてお父さんは来ないで、お前が来たのか」と言われたので「私の父親は今、産気づいて来ることができません」と言った。「来られません」と言うと「男も産気づくか」と言ったので「どうして、そうならば貴方達は、雄鶏の卵を持って来なさいと言うのはどういうことか」と言ったら「ああ、これも負けた」と。そしたら「それなら灰縄を持って来い」と言ったので縄を持って行き、その縄を焼いて灰にしたら本当に綯ったままで灰縄になっていた。そして「持って来てありますよ」と。それもそういうふうにしてこれも負けたそうだ。そして「お前はスワン岳は持って来たか」と言ったので、「それを運ぶ船を造って下さい、そしたら今すぐ壊して来ます」と言った。それで薩摩は負けてそのモーイは、それと同じだったって。そうして帰って来て、お父さんに「立派に勤めは済ませて来ました」と言うと、「それで何と言ったのか」と言われたので「こうこうです」と。その時からモーヤーではなくとても偉い人になったって。モーイ親方という人は。 |
| 全体の記録時間数 | 3:13 |
| 物語の時間数 | 3:13 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |