難題婿(シマグチ)

概要

親子喧嘩をして、息子が家を出て行った。最初に猿を助けた。次は、蚊を捨てに行こうとしているのを、貰い受けて助けた。またその次には、蝿を捨てに行こうとしているのを助けてあげた。そしてまた、蟻を捨てに行こうとしているのも貰い受けて助けた。そうこうして、山の中で木の実を取って、食べながら歩いていた。すると、その人が助けた猿がやって来て、「あなたは、私を助けて下さったので、私の親があなたにお礼をしたいので来て下さいと言っていますので、行きましょう。」と言った。「ああそうか、それでは連れて行ってくれるか。」と、一緒に行った。行きながら、猿が「私の親が、黄金の御膳に銀の御箸をおいて、ご飯を出して、『その御膳を差し上げます』と言うから、それを貰わないように。」と教えたそうだ。それからまた、「銀の御膳に黄金の御箸をおいて出すから、それも貰わないように。」と言ったって。「じゃあ、私は何もかも断って、何を貰うのですか。」と言うと、「『猿さん、お箸というのが欲しいです』と言いなさい。」と教えた。そうしてもう、そこで「猿さん、御箸というのが欲しいです。」と言った。あれもこれも欲しくないと言ったので、「あなたはうちの子の命の恩人だから、それではあなたの欲しいのをあげましょう。」と言ったそうだ。それを貰って持って行くと、「これを持っていると、あなたの思いが何でも遂げられますよ。」と言った。それからそこから帰ると、今度は鼠が出て来た。すると、「私を助けた御恩をお返ししたいと、私の親がおいで下さいということですので、一緒に来て下さい。」と言った。行ってみると、「お前達の家は、お前達には入れるが、私には入れないよ。」と言うと、「尻尾をつかんで下さい、入れますから。」と。それで尻尾をつかまえたら、入ったって。入ってみたら、大きな広い家だったって。そしてそこでもう、御馳走になって、そこからも帰って、さらに今度は山に登って行って、竹で囲いをされた家に行ったそうだよ。それで、そこに行って、「どうして、そこにお前がいるのか。お前がそこにいたいのだったらおいても良い。私が言いつけるのをお前ができるのだったら、うちの婿にしよう。」と言うと、「はい、何でも言いつけて下さい。」と答えた。「それでは、畑に行って、粟を一升蒔いてあるので、それを一粒も残さずに、あんたが拾って来たら、うちの婿にすることにしよう。」ということになった。なるほどそれは、土の中に蒔いた粟が拾えるはずがないでしょう。それで、畑で寝ていると、その人が助けてあげた蟻がやって来て、一粒も残さずに全部拾ってきて、全部入れてあげたって。それで、帰って来て、「拾って来ました。」と言った。すると、「おまえは偉いな、どういうふうに拾って来たのか。」と、感心した。それからまた、「それでは、もっと問題があるよ。私達の屋敷囲いの竹、あれは何千本あるか。お前、それを当ててごらん。」と言った。もうあれだけの竹、数えられるはずがないでしょう。どうすれば良いのだろうと困っていると、その人が助けてあげた蝿が、「千本、千本、千本。」と、側で言うので、「千本です。」と答えたら、当たったそうだ。それから、「私達の娘の名前を当ててごらん。」と言った。すると今度は、蚊がやって来て、「チル、チル、チル。」と言うので、「チルーという名前です。」と言ったら、名前が当たって、そこの婿になったって。

再生時間:4:35

民話詳細DATA

レコード番号 47O374387
CD番号 47O37C190
決定題名 難題婿(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 岳原ツル
話者名かな おかはらつる
生年月日 19050504
性別
出身地 沖縄県読谷村牧原
記録日 19801101
記録者の所属組織 読谷村民話調査団
元テープ番号 読谷村長田T02A02
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情 寝る時に母親に昔話を聞かせてくれるように要求し、いつでも違う話を聞かせてくれた。
文字化資料 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P267
キーワード 親子喧嘩,息子が家を出た,猿を助けた,蚊,蝿,蟻,山の中で木の実,お礼,黄金の御膳に銀の御箸,ご飯,銀の御膳に黄金の御箸,貰わないように,お箸というのが欲しいです,子の命の恩人,鼠,尻尾,大きな広い家,御馳走,竹で囲いをされた家,婿,畑,粟を一升蒔いてある,屋敷囲いの竹,何千本あるか,千本,娘の名前,チル
梗概(こうがい) 親子喧嘩をして、息子が家を出て行った。最初に猿を助けた。次は、蚊を捨てに行こうとしているのを、貰い受けて助けた。またその次には、蝿を捨てに行こうとしているのを助けてあげた。そしてまた、蟻を捨てに行こうとしているのも貰い受けて助けた。そうこうして、山の中で木の実を取って、食べながら歩いていた。すると、その人が助けた猿がやって来て、「あなたは、私を助けて下さったので、私の親があなたにお礼をしたいので来て下さいと言っていますので、行きましょう。」と言った。「ああそうか、それでは連れて行ってくれるか。」と、一緒に行った。行きながら、猿が「私の親が、黄金の御膳に銀の御箸をおいて、ご飯を出して、『その御膳を差し上げます』と言うから、それを貰わないように。」と教えたそうだ。それからまた、「銀の御膳に黄金の御箸をおいて出すから、それも貰わないように。」と言ったって。「じゃあ、私は何もかも断って、何を貰うのですか。」と言うと、「『猿さん、お箸というのが欲しいです』と言いなさい。」と教えた。そうしてもう、そこで「猿さん、御箸というのが欲しいです。」と言った。あれもこれも欲しくないと言ったので、「あなたはうちの子の命の恩人だから、それではあなたの欲しいのをあげましょう。」と言ったそうだ。それを貰って持って行くと、「これを持っていると、あなたの思いが何でも遂げられますよ。」と言った。それからそこから帰ると、今度は鼠が出て来た。すると、「私を助けた御恩をお返ししたいと、私の親がおいで下さいということですので、一緒に来て下さい。」と言った。行ってみると、「お前達の家は、お前達には入れるが、私には入れないよ。」と言うと、「尻尾をつかんで下さい、入れますから。」と。それで尻尾をつかまえたら、入ったって。入ってみたら、大きな広い家だったって。そしてそこでもう、御馳走になって、そこからも帰って、さらに今度は山に登って行って、竹で囲いをされた家に行ったそうだよ。それで、そこに行って、「どうして、そこにお前がいるのか。お前がそこにいたいのだったらおいても良い。私が言いつけるのをお前ができるのだったら、うちの婿にしよう。」と言うと、「はい、何でも言いつけて下さい。」と答えた。「それでは、畑に行って、粟を一升蒔いてあるので、それを一粒も残さずに、あんたが拾って来たら、うちの婿にすることにしよう。」ということになった。なるほどそれは、土の中に蒔いた粟が拾えるはずがないでしょう。それで、畑で寝ていると、その人が助けてあげた蟻がやって来て、一粒も残さずに全部拾ってきて、全部入れてあげたって。それで、帰って来て、「拾って来ました。」と言った。すると、「おまえは偉いな、どういうふうに拾って来たのか。」と、感心した。それからまた、「それでは、もっと問題があるよ。私達の屋敷囲いの竹、あれは何千本あるか。お前、それを当ててごらん。」と言った。もうあれだけの竹、数えられるはずがないでしょう。どうすれば良いのだろうと困っていると、その人が助けてあげた蝿が、「千本、千本、千本。」と、側で言うので、「千本です。」と答えたら、当たったそうだ。それから、「私達の娘の名前を当ててごらん。」と言った。すると今度は、蚊がやって来て、「チル、チル、チル。」と言うので、「チルーという名前です。」と言ったら、名前が当たって、そこの婿になったって。
全体の記録時間数 4:35
物語の時間数 4:35
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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