一杯だけお茶を飲んで、「私は急いでいるので行きましょうね。」と出て行った人は怪我をした。またもう一杯お茶を飲んで出て行った人は、何事にも出会わさないですんだようだ。そういうわけでお茶は一杯だけ飲むものではないそうだよ。また私が銀原で怪我をしたのはね。私の五男がちょっと目が悪くなって、トラコーマにかかりそうになった。それで、男の子でも目を悪くしたら大変だと思って、金武の病院に連れて行こうとした。すると降りると同時に、ある理髪店で金武のフラー(頭がおかしい人)が踊ったって。踊った。「金武フラーが踊るのだから、お母さん見て行こう。」と、息子が言った。「いいよ、私はかずらを刈らせてあるのに、それは見ないよ。」と、そこを後にした。そこで金武フラーが踊るのを見て、その車に乗り遅れたのだったら、私は怪我をしなくてもすんだんだよ。子供の言うことを聞いていたらね。もう厄を持ったら、「いやだよ、それは見なくてもいいから、早く先に歩きなさい。」と言って急がしたので、私は金武では怪我をしてしまったさあ。だから、人が「少しは待ちなさい。」と言ったら、少しの間は待った方がいいって。お茶を一杯だけ飲んで、もう急いでいるからと飲まないで行くと、それもまた悪いわけさあ。二杯は飲んで、その二杯飲む間には、何の難もなくなるわけ。一杯だけ飲んで行くと、怪我をしたりする。私が理髪店で金武フラーが踊るのを見たのだったら、足を失うこともなかったよ。すぐ慌てて行ったものだから、金武で怪我してしまったんだよ、私は。 だから私の身の上からして、人が「少しは待っていなさいよ。」と言ったら、「じゃあ、そうしよう。」と、座ってね。また急いでいても、「私も、今すぐに行くから待っていなさい。」と言ったのは、それは待つべきだよ。「いいよ、私は急いでいるから。」と、慌てて行くと、まあそれも運しだいであって。当たらない時もあるが、前で何か良くないことがあるかもしれない。喧嘩でも、また何か野蛮なことに出くわすかもしれない。それは皆よく聞いて、一杯だけお茶は飲まずに、「じゃあ、あと一杯は飲もう。」と言って、休みながら二杯飲んだら、あと一杯飲む間には、厄は晴れて何のこともないわけさあ。
| レコード番号 | 47O374378 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C190 |
| 決定題名 | お茶二杯(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宇栄原カメ |
| 話者名かな | うえはらかめ |
| 生年月日 | 18901015 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村谷茶 |
| 記録日 | 19761219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村長田T01B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P322 |
| キーワード | 一杯お茶,急いでいる,怪我,銀原で怪我をした,トラコーマ,病院,理髪店,金武のフラーが踊った,厄,二杯飲んだら,厄は晴れる |
| 梗概(こうがい) | 一杯だけお茶を飲んで、「私は急いでいるので行きましょうね。」と出て行った人は怪我をした。またもう一杯お茶を飲んで出て行った人は、何事にも出会わさないですんだようだ。そういうわけでお茶は一杯だけ飲むものではないそうだよ。また私が銀原で怪我をしたのはね。私の五男がちょっと目が悪くなって、トラコーマにかかりそうになった。それで、男の子でも目を悪くしたら大変だと思って、金武の病院に連れて行こうとした。すると降りると同時に、ある理髪店で金武のフラー(頭がおかしい人)が踊ったって。踊った。「金武フラーが踊るのだから、お母さん見て行こう。」と、息子が言った。「いいよ、私はかずらを刈らせてあるのに、それは見ないよ。」と、そこを後にした。そこで金武フラーが踊るのを見て、その車に乗り遅れたのだったら、私は怪我をしなくてもすんだんだよ。子供の言うことを聞いていたらね。もう厄を持ったら、「いやだよ、それは見なくてもいいから、早く先に歩きなさい。」と言って急がしたので、私は金武では怪我をしてしまったさあ。だから、人が「少しは待ちなさい。」と言ったら、少しの間は待った方がいいって。お茶を一杯だけ飲んで、もう急いでいるからと飲まないで行くと、それもまた悪いわけさあ。二杯は飲んで、その二杯飲む間には、何の難もなくなるわけ。一杯だけ飲んで行くと、怪我をしたりする。私が理髪店で金武フラーが踊るのを見たのだったら、足を失うこともなかったよ。すぐ慌てて行ったものだから、金武で怪我してしまったんだよ、私は。 だから私の身の上からして、人が「少しは待っていなさいよ。」と言ったら、「じゃあ、そうしよう。」と、座ってね。また急いでいても、「私も、今すぐに行くから待っていなさい。」と言ったのは、それは待つべきだよ。「いいよ、私は急いでいるから。」と、慌てて行くと、まあそれも運しだいであって。当たらない時もあるが、前で何か良くないことがあるかもしれない。喧嘩でも、また何か野蛮なことに出くわすかもしれない。それは皆よく聞いて、一杯だけお茶は飲まずに、「じゃあ、あと一杯は飲もう。」と言って、休みながら二杯飲んだら、あと一杯飲む間には、厄は晴れて何のこともないわけさあ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:15 |
| 物語の時間数 | 2:15 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |