漁師がいたようですが、いつも同じ場所で美女に出会ったようです。三回目に漁師が出掛けて行く時には、美女はそこにはいなかったが、入れ髪が落ちていたそうです。次の日に出会ったら、「私の入れ髪を拾ったでしょう。」「拾いましたよ。」「返して下さい。」「返しはしますが、今すぐには返しません。」と会話を交わしたようだ。それから、しばらくその女と付合いをしたようです。付合いしてから入れ髪を返したら、その女性は帰ってしまって、そこには現れなくなってしまったって。そこで漁師は、毎日海に行くので、海で漁をしていると、船べりに真白い手が差し伸べられたようです。不思議なことだ、「あなたはどなた様ですか。」と聞くと、「私ですよ。」と答えた。「私も船に乗せて下さい。竜宮に行きましょう。」と言った。そして男は連れて行かれた。向こうでは楽しくて、年月が経つのも全く分からなかった。「帰らないで下さい。」と言われたが、「是非とも帰らなければいけない。」と、もう、大変長年が過ぎたようです。百年余も。そして、そこにいる間は行ったままの姿で若かったようだが、もう必ず帰らなければいけないと。それで、「お帰りになられるなら仕方ありません。」と、何と言うか、玉手箱というものを持たしたそうです。「それは開けてはいけませんよ。それは開けては駄目ですよ。」と言って持たしたのだが。村に帰って来たら、自分の親兄弟、もう字の人達も、すべて知っている人は一人もいなかったそうだよ。親や兄弟もいなく、自分の字の人々や、知り合いの人も全くいなくなっていた。「ああ、もうどうでもいいから、この箱を開けて見よう。」と開けてみたら、白い煙が出て、すぐ白髪だらけのお年寄りになられたという話を聞いたのだが。
| レコード番号 | 47O374374 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C190 |
| 決定題名 | 入髪を拾った男(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 岳原ツル |
| 話者名かな | おかはらつる |
| 生年月日 | 19050504 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村牧原 |
| 記録日 | 19761219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村長田T01A06 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 寝る時に母親に昔話を聞かせてくれるように要求し、いつでも違う話を聞かせてくれた。 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P263 |
| キーワード | 漁師,美女,入れ髪,船べりに真白い手,竜宮,大変長年が過ぎた,百年余,玉手箱,開けては駄目,白い煙,白髪だらけのお年寄り |
| 梗概(こうがい) | 漁師がいたようですが、いつも同じ場所で美女に出会ったようです。三回目に漁師が出掛けて行く時には、美女はそこにはいなかったが、入れ髪が落ちていたそうです。次の日に出会ったら、「私の入れ髪を拾ったでしょう。」「拾いましたよ。」「返して下さい。」「返しはしますが、今すぐには返しません。」と会話を交わしたようだ。それから、しばらくその女と付合いをしたようです。付合いしてから入れ髪を返したら、その女性は帰ってしまって、そこには現れなくなってしまったって。そこで漁師は、毎日海に行くので、海で漁をしていると、船べりに真白い手が差し伸べられたようです。不思議なことだ、「あなたはどなた様ですか。」と聞くと、「私ですよ。」と答えた。「私も船に乗せて下さい。竜宮に行きましょう。」と言った。そして男は連れて行かれた。向こうでは楽しくて、年月が経つのも全く分からなかった。「帰らないで下さい。」と言われたが、「是非とも帰らなければいけない。」と、もう、大変長年が過ぎたようです。百年余も。そして、そこにいる間は行ったままの姿で若かったようだが、もう必ず帰らなければいけないと。それで、「お帰りになられるなら仕方ありません。」と、何と言うか、玉手箱というものを持たしたそうです。「それは開けてはいけませんよ。それは開けては駄目ですよ。」と言って持たしたのだが。村に帰って来たら、自分の親兄弟、もう字の人達も、すべて知っている人は一人もいなかったそうだよ。親や兄弟もいなく、自分の字の人々や、知り合いの人も全くいなくなっていた。「ああ、もうどうでもいいから、この箱を開けて見よう。」と開けてみたら、白い煙が出て、すぐ白髪だらけのお年寄りになられたという話を聞いたのだが。 |
| 全体の記録時間数 | 2:26 |
| 物語の時間数 | 2:26 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |