伊野波のモーヤーといって、いつも踊ってばかりで、馬鹿な真似をしてしていたらしいが。親達はいつも、「こいつは大馬鹿者が生まれてしまって。」と心配していた。年頃になり学問をするようになると、皆の前で勉強をすると、皆に負けてしまうと思っていた。床下でカタツムリの殻に蛍を入れて、明るくしてから勉強をしていたんだって。
だけど、あそこに行く時に、片足は下駄、片足は草履をはいて行き、薩摩ではそれを懐から出したり入れたりしていたようだ。「モーヤー、お前はどうして片足には下駄、片足には草履をはいているのか。」と尋ねると、「それは雨が降る時に履く物は下駄、また草履は晴れた時に履く物。雨が降って水が溜まってない時に履く物。」だと。それは、そうでないといけないんだって。だから、「どうしてお父さんは来ないで、お前が来たのか。」と言うと、「お父さんは子が生まれそうで、産気づいていましたので私が来ました。」と返事をした。「お前は男が産気づくということがあるか。」と叱ると、「だったら、貴方達は雄鶏の卵を持って来いとおっしゃるではありませんか。」と言った。「お前、男が産気づくか。」と言うので、「そうでしたら貴方達は雄鶏の卵を持って来いというのは、産気づくというのと同じ事ではないのですか。」と、薩摩の人は負けてしまったって。灰で綯った縄の問題は、縄を持って行って。板と縄と、少しは綯ってから燃やしたのか、綯った縄を燃やしてそれを見せたので、また相手を負かすことができた。薩摩は伊野波のモーイに負けたということ。雄鶏の卵とか、八重山の於茂登岳御用という御用がきたらしい。このモーヤーの親は役人だったからね。その御用だけど、「雄鶏の卵と八重山の於茂登岳を薩摩に持って来い。」というので親は心配した。それをどのようにして持って行くことができるのかと。また灰でできた灰縄御用。薩摩に灰縄と雄鶏の卵を持って来いということだった。そういうことなので、父親は大変心配していた。「どうしたのですかお父さん、そんなに心配そうな顔をして、いったいどうしたのですか。」と尋ねると、「灰で作った縄と、雄鶏の卵を薩摩から持って来なさい。」と、言ったようだ。もう大変心配なさって、「ああ、それはたやすいことです。お父さんの代わりに私が行ってきます。」と言うと、「馬鹿なことを言うな。お前が解決できるようなものではない。お前のような者にできるか。」と言うが、「ああ大丈夫。私が解決して来ます。」とモーイは出かけて行って、問題を解決してきたそうだ。
| レコード番号 | 47O374297 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C186 |
| 決定題名 | モーイ親方 勉強 難題 下駄とぞうり(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 仲栄真三良 |
| 話者名かな | なかえまさんだ |
| 生年月日 | 18940720 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村大湾 |
| 記録日 | 19770508 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村大木T04A06 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | - |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P57 |
| キーワード | 伊野波のモーヤー,馬鹿な真似,学問,床下,カタツムリの殻に蛍,片足は下駄,片足は草履,薩摩,雨が降る時に履く物は下駄,草履は晴れた時に履く物,お父さんは子が生まれそう,産気づいている,雄鶏の卵,灰縄,八重山の於茂登岳御用 |
| 梗概(こうがい) | 伊野波のモーヤーといって、いつも踊ってばかりで、馬鹿な真似をしてしていたらしいが。親達はいつも、「こいつは大馬鹿者が生まれてしまって。」と心配していた。年頃になり学問をするようになると、皆の前で勉強をすると、皆に負けてしまうと思っていた。床下でカタツムリの殻に蛍を入れて、明るくしてから勉強をしていたんだって。 だけど、あそこに行く時に、片足は下駄、片足は草履をはいて行き、薩摩ではそれを懐から出したり入れたりしていたようだ。「モーヤー、お前はどうして片足には下駄、片足には草履をはいているのか。」と尋ねると、「それは雨が降る時に履く物は下駄、また草履は晴れた時に履く物。雨が降って水が溜まってない時に履く物。」だと。それは、そうでないといけないんだって。だから、「どうしてお父さんは来ないで、お前が来たのか。」と言うと、「お父さんは子が生まれそうで、産気づいていましたので私が来ました。」と返事をした。「お前は男が産気づくということがあるか。」と叱ると、「だったら、貴方達は雄鶏の卵を持って来いとおっしゃるではありませんか。」と言った。「お前、男が産気づくか。」と言うので、「そうでしたら貴方達は雄鶏の卵を持って来いというのは、産気づくというのと同じ事ではないのですか。」と、薩摩の人は負けてしまったって。灰で綯った縄の問題は、縄を持って行って。板と縄と、少しは綯ってから燃やしたのか、綯った縄を燃やしてそれを見せたので、また相手を負かすことができた。薩摩は伊野波のモーイに負けたということ。雄鶏の卵とか、八重山の於茂登岳御用という御用がきたらしい。このモーヤーの親は役人だったからね。その御用だけど、「雄鶏の卵と八重山の於茂登岳を薩摩に持って来い。」というので親は心配した。それをどのようにして持って行くことができるのかと。また灰でできた灰縄御用。薩摩に灰縄と雄鶏の卵を持って来いということだった。そういうことなので、父親は大変心配していた。「どうしたのですかお父さん、そんなに心配そうな顔をして、いったいどうしたのですか。」と尋ねると、「灰で作った縄と、雄鶏の卵を薩摩から持って来なさい。」と、言ったようだ。もう大変心配なさって、「ああ、それはたやすいことです。お父さんの代わりに私が行ってきます。」と言うと、「馬鹿なことを言うな。お前が解決できるようなものではない。お前のような者にできるか。」と言うが、「ああ大丈夫。私が解決して来ます。」とモーイは出かけて行って、問題を解決してきたそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:45 |
| 物語の時間数 | 4:45 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |