昔の何というのかな、金持ちと貧乏人がいたそうだが。それで金持ちは正月をするにも、お金もあるから何でもないことだった。隣には年寄りのお爺さんとお婆さんが住んでいたそうだ。その人達が金持ちに何か貸して欲しいと頼んでも、ちっとも貸してくれなかった。もう何もないものだから、「火正月をしようね。」と、火をバンバン焚いて、火を前にしている所へ神様が下りていらっしゃった。神様が、「水を汲んで来なさい。」と言われたので水を汲んで来て、朝の若水で、その夫婦を浴びせたら十七、八の若者になったって。 そうして、小匙ほどを入れたのだが、御飯やらいろいろ御馳走も出て来たそうだ。それから隣の金持ちの家に行き、「私達は隣の年寄りだが、このように神様がいらっしゃって、若くなったよ。若水を汲んで来て、それで浴びたらこのように若くなったんだよ。」と言った。これを聞いた金持ちは、「だったらもう、その神様は今はどこら辺まで行っていらっしゃるはずだから、どこそこの門の辺りまでいらっしゃっている。」と、引き止めに行ったらしい。その金持ちは大変根性が悪くて、貧乏人を馬鹿にしていたのだが、「どうか来て下さい。」と神様に頼んだ。そして同じように浴びたら、猿になってしまったって。それから神様が、「はい、その富は貴方達のだよ。」と、金持ちの財産を貧乏人にあげたということだよ。そんな話は昔の年寄り達はよく話しておられたさあ。本当の事なのか、それは分からないよ。
| レコード番号 | 47O374272 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C185 |
| 決定題名 | 猿長者(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 長嶺ウシ |
| 話者名かな | ながみねうし |
| 生年月日 | 19000105 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村大木 |
| 記録日 | 19761219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村大木T03B04 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 老人会等の集会の場や祖父から聞かされたこと、芝居で見た話し等を覚えている。 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P82 |
| キーワード | 金持ち,貧乏人,正月,隣には年寄りのお爺さんとお婆さん,貸してくれなかった,火正月,神様,水,若水,若者になった,御飯,御馳走,金持ちは大変根性が悪い, |
| 梗概(こうがい) | 昔の何というのかな、金持ちと貧乏人がいたそうだが。それで金持ちは正月をするにも、お金もあるから何でもないことだった。隣には年寄りのお爺さんとお婆さんが住んでいたそうだ。その人達が金持ちに何か貸して欲しいと頼んでも、ちっとも貸してくれなかった。もう何もないものだから、「火正月をしようね。」と、火をバンバン焚いて、火を前にしている所へ神様が下りていらっしゃった。神様が、「水を汲んで来なさい。」と言われたので水を汲んで来て、朝の若水で、その夫婦を浴びせたら十七、八の若者になったって。 そうして、小匙ほどを入れたのだが、御飯やらいろいろ御馳走も出て来たそうだ。それから隣の金持ちの家に行き、「私達は隣の年寄りだが、このように神様がいらっしゃって、若くなったよ。若水を汲んで来て、それで浴びたらこのように若くなったんだよ。」と言った。これを聞いた金持ちは、「だったらもう、その神様は今はどこら辺まで行っていらっしゃるはずだから、どこそこの門の辺りまでいらっしゃっている。」と、引き止めに行ったらしい。その金持ちは大変根性が悪くて、貧乏人を馬鹿にしていたのだが、「どうか来て下さい。」と神様に頼んだ。そして同じように浴びたら、猿になってしまったって。それから神様が、「はい、その富は貴方達のだよ。」と、金持ちの財産を貧乏人にあげたということだよ。そんな話は昔の年寄り達はよく話しておられたさあ。本当の事なのか、それは分からないよ。 |
| 全体の記録時間数 | 1:46 |
| 物語の時間数 | 1:46 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |