ある犬の子の話。昔、お父さんから聞いた話です。ある昔、山原(注 )の山奥に男やもめが、妻もいない独り暮らしがいたそうだが。その男やもめは雌犬の大変大きな犬を飼っていたって。もう大変可愛がって育てていた。言わばそんなふうに犬を妻代わりにして飼っていたようだ。そうしているとその犬は、その人の子を身籠もってしまったって。そうしたら、「犬にもう、一大事なことになってしまった、私は犬に子を身籠もらせてしまったがどうしよう。」と思ったのだが、どうしようもないでしょう。それで、女の子が生まれたのだが大変美しい子で、その男はびっくりした。それから、その子の親である犬を殺してしまった。男は犬を殺したのだが、子供は育つにしたがって、大変な美人になったそうだ。山原の村々の人達が大変望んでいるのだが、「その子はお前達の妻にするわけにはいかない。それには理由がある。どうしてもお前達の妻にするわけにはいかないよ。」と言っていた。「何ですか、何の理由があるのですか。そんなに美しく生まれているのに、どうして私達の妻にはできないのですか。」と聞いた。その娘には、一つだけ女親に似ている癖があったらしい。姿形は人間なんだが、夜、夜中に人が寝静まった頃になるとね…。今は便所があるのだが、昔はフールといって、豚舎と兼用だったさあね。昔は豚舎で用を足していたさあ。今は便所があるが。だからそれが女親に似て、豚舎に行き便所の穴で、やっぱりもう(糞を)食っていたって。そうしたら、その癖の悪いこと、それ一つは犬に似ていた。犬は糞を食うという話だったからね。それだけは女親に似たので、男親は大変悩んだ。姿形は立派に生まれているのだが、もうこれだけは女親に似てしまって、夫を持たすこともできないがどうしようと、男親は大変悩んでしまった。もうどうしようかと悩んでいた。ある男性が「何で、どうしてそれほどの理由があると言うのかな、その人は。」と聞いたら、「かくかくしかじか、これはもう犬の子になって、もう仕方がない。立身させることもできない。」と答えたようだ。(それで)男は木の陰に隠れて、本当に男親の言うように便所の穴に糞を食いに行くだろうかと、確かめる為に潜んでいたって。するともうその通りに、人が寝静まった頃に、便所の穴に入って行って糞を食ったらしい。男はびっくりしてしまって、「はあ、これはもう、これ一つは女親に似ている。」と驚いてしまったという話。やっぱりもう、生物との子は姿形は人間でも、悪い癖だけは女親に似ていたという話。これはもう嫌な話だが、昔話、聞いた話である。やっぱりもう結婚することはできなかったそうですよ。
落ちている扇を拾うものではない昔、地頭代が村周りをして帰る時、道に寝ている人に会う。酒を飲んで寝ているのだろうと扇であおいでやる。起きないので扇をおいてさわると大変冷たい。地頭代は驚いて扇を置いたまま犯人に捕まえられる。真犯人が名乗り出たことにより、地頭代は酒飲みの酔いを冷まそうとあおいだのだからと、褒美を貰い地頭代職にも復帰した。
| レコード番号 | 47O374228 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C184 |
| 決定題名 | 犬女房(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 比嘉静 |
| 話者名かな | ひがしず |
| 生年月日 | 19151017 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県嘉手納町屋良 |
| 記録日 | 19761219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村大木T01B06 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 動物昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P33 |
| キーワード | 山原の山奥,男やもめ,妻もいない独り暮らし,雌犬の大変大きな犬,犬を妻代わり,子を身籠もった,女の子が生まれた,大変美しい子,犬を殺した,女親に似ている癖,姿形は人間,便所,フール,豚舎と兼用,犬は糞を食う |
| 梗概(こうがい) | ある犬の子の話。昔、お父さんから聞いた話です。ある昔、山原(注 )の山奥に男やもめが、妻もいない独り暮らしがいたそうだが。その男やもめは雌犬の大変大きな犬を飼っていたって。もう大変可愛がって育てていた。言わばそんなふうに犬を妻代わりにして飼っていたようだ。そうしているとその犬は、その人の子を身籠もってしまったって。そうしたら、「犬にもう、一大事なことになってしまった、私は犬に子を身籠もらせてしまったがどうしよう。」と思ったのだが、どうしようもないでしょう。それで、女の子が生まれたのだが大変美しい子で、その男はびっくりした。それから、その子の親である犬を殺してしまった。男は犬を殺したのだが、子供は育つにしたがって、大変な美人になったそうだ。山原の村々の人達が大変望んでいるのだが、「その子はお前達の妻にするわけにはいかない。それには理由がある。どうしてもお前達の妻にするわけにはいかないよ。」と言っていた。「何ですか、何の理由があるのですか。そんなに美しく生まれているのに、どうして私達の妻にはできないのですか。」と聞いた。その娘には、一つだけ女親に似ている癖があったらしい。姿形は人間なんだが、夜、夜中に人が寝静まった頃になるとね…。今は便所があるのだが、昔はフールといって、豚舎と兼用だったさあね。昔は豚舎で用を足していたさあ。今は便所があるが。だからそれが女親に似て、豚舎に行き便所の穴で、やっぱりもう(糞を)食っていたって。そうしたら、その癖の悪いこと、それ一つは犬に似ていた。犬は糞を食うという話だったからね。それだけは女親に似たので、男親は大変悩んだ。姿形は立派に生まれているのだが、もうこれだけは女親に似てしまって、夫を持たすこともできないがどうしようと、男親は大変悩んでしまった。もうどうしようかと悩んでいた。ある男性が「何で、どうしてそれほどの理由があると言うのかな、その人は。」と聞いたら、「かくかくしかじか、これはもう犬の子になって、もう仕方がない。立身させることもできない。」と答えたようだ。(それで)男は木の陰に隠れて、本当に男親の言うように便所の穴に糞を食いに行くだろうかと、確かめる為に潜んでいたって。するともうその通りに、人が寝静まった頃に、便所の穴に入って行って糞を食ったらしい。男はびっくりしてしまって、「はあ、これはもう、これ一つは女親に似ている。」と驚いてしまったという話。やっぱりもう、生物との子は姿形は人間でも、悪い癖だけは女親に似ていたという話。これはもう嫌な話だが、昔話、聞いた話である。やっぱりもう結婚することはできなかったそうですよ。 落ちている扇を拾うものではない昔、地頭代が村周りをして帰る時、道に寝ている人に会う。酒を飲んで寝ているのだろうと扇であおいでやる。起きないので扇をおいてさわると大変冷たい。地頭代は驚いて扇を置いたまま犯人に捕まえられる。真犯人が名乗り出たことにより、地頭代は酒飲みの酔いを冷まそうとあおいだのだからと、褒美を貰い地頭代職にも復帰した。 |
| 全体の記録時間数 | 3:09 |
| 物語の時間数 | 3:09 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |