あのね、貧乏者の夫婦が火正月して、火をどんどん燃やしていた。また隣の金持ちの家は、正月と言って楽しく御馳走も作ってやっていた。神様は最初は、金持ちの家へ行って、「泊めてくれ。」と言うと、「今日は正月だから泊めない。」と言った。神様が隣の貧乏人夫婦の家に来て、「どうして夫婦でこんなに火を燃やしているか。」と言うと、「私達はね、貧乏者で食べるものもなくて、火正月をして火を燃やしているんだよ。」と言った。「お前達は若くなるのと、金持ちになるのと何がいいか。」「私達は若くなるのがいいです。」と答えた。そして大鍋に湯を沸かさせて、何か少し入れたそうだが、もう肉もご飯もできた。朝、お湯を沸かして浴びると若くなった。隣に火をもらいに行くと、「どうして、あなたたちは年寄りだのにそうしているのか。」と言うと、「昨夜、このようにいらして湯を沸かして、私達も浴びて若くして下さったよ。」と言った。すると金持ちは馬に乗ってその神様を呼び戻してきた。「それでは、お前達も若くなりたかったら湯を沸かしなさい。」と言って浴びると、例えば女主人は鼠になって、草刈り人夫、女中はみんなアカマターなどになり、男主人は猿になった。そんなふうになったので、「さあ、この家はお前達のものだ。」と、最初、貧乏だった人を金持ちの家へ入れた。その後、「なんのこともないか。」と聞いたら、「夕方になると、『私の家の前、私の家の前』と、猿がここにきて鳴いてたまりません。」と言った。「そうしたらマーイサーを火のように焼きなさい。」と言った。「私の家」と言うと同時に、猿はそこへ座ったので、お尻が焼けて逃げて行った。それで、猿のお尻は赤いと言っていた。
| レコード番号 | 47O374134 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C180 |
| 決定題名 | 猿長者(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 阿波根カメ |
| 話者名かな | あはごんかめ |
| 生年月日 | 19960703 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 読谷村都屋 |
| 記録日 | 19770703 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村都屋T03A01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集12 親志の民話 P258 |
| キーワード | 貧乏者の夫婦,火正月,隣の金持ち,正月,御馳走,神様,泊めてくれ,若くなる,大鍋に湯,浴びると若くなった,女主人は鼠,草刈り人夫,女中,アカマター,男主人は猿になった,マーイサー,火,尻が赤くなった |
| 梗概(こうがい) | あのね、貧乏者の夫婦が火正月して、火をどんどん燃やしていた。また隣の金持ちの家は、正月と言って楽しく御馳走も作ってやっていた。神様は最初は、金持ちの家へ行って、「泊めてくれ。」と言うと、「今日は正月だから泊めない。」と言った。神様が隣の貧乏人夫婦の家に来て、「どうして夫婦でこんなに火を燃やしているか。」と言うと、「私達はね、貧乏者で食べるものもなくて、火正月をして火を燃やしているんだよ。」と言った。「お前達は若くなるのと、金持ちになるのと何がいいか。」「私達は若くなるのがいいです。」と答えた。そして大鍋に湯を沸かさせて、何か少し入れたそうだが、もう肉もご飯もできた。朝、お湯を沸かして浴びると若くなった。隣に火をもらいに行くと、「どうして、あなたたちは年寄りだのにそうしているのか。」と言うと、「昨夜、このようにいらして湯を沸かして、私達も浴びて若くして下さったよ。」と言った。すると金持ちは馬に乗ってその神様を呼び戻してきた。「それでは、お前達も若くなりたかったら湯を沸かしなさい。」と言って浴びると、例えば女主人は鼠になって、草刈り人夫、女中はみんなアカマターなどになり、男主人は猿になった。そんなふうになったので、「さあ、この家はお前達のものだ。」と、最初、貧乏だった人を金持ちの家へ入れた。その後、「なんのこともないか。」と聞いたら、「夕方になると、『私の家の前、私の家の前』と、猿がここにきて鳴いてたまりません。」と言った。「そうしたらマーイサーを火のように焼きなさい。」と言った。「私の家」と言うと同時に、猿はそこへ座ったので、お尻が焼けて逃げて行った。それで、猿のお尻は赤いと言っていた。 |
| 全体の記録時間数 | 3:42 |
| 物語の時間数 | 3:42 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |