昔は、鹿児島に沖縄はいろいろなものを税として納めよったそうですよ。それで、モーイ親方のお父様が、なんとか位があったそうですよ。そしたら、鹿児島から、沖縄に、ウードゥイぬ卵てえ、雄鶏の卵ね、それから灰縄(へーじな)と言って灰でできた綱ね、また、あっちの首里の方に、何森(むい)だったかね。とにかく大きい森があるさあ。その三つを持ってこいといって鹿児島から命令されて、係の人は非常に心配してね。灰縄だから、「灰でどうして縄ができるかねえ。」と思って、みんな心配して集まっては別れ、集まっては別れして。そしたら、モーイ親方は十五のときに、そこから歩いて遊んで歩いているときに、「おかしい吟味だねえ。もう私ならすぐできるがねえ。」と言って、大きい声で笑ったそうですよ。そしたら、ある一人の方がね、「このモーイ親方を鹿児島にやったさせたらどうかねえ。」と言って。それから、みんな、「そんなバカに出来るか。バカをやったら沖縄が迷惑だよ。」「でも、あんなに言っておるから、もう私ならすぐ出来るがねえとあざ笑っているが、出来ないことはない、きっと出来る。」と言って。それから、鹿児島にやったそうです。十五といったら、昔は男も髪結って、カタカシラとかに直しよったそうです。それから、灰の綱はね、縄をこう燃やしてすぐそのまま持って行って、雄鶏の卵は、「なぜお前の父親やらないでお前が来たか。」と言ったら、「私のお父さんは産催しています。」「男が産催すか。」叱ったら、「なぜ雄鶏の卵持ってこいと言うのか、雄鶏も卵生むか。」と言ってね。それから西森はよ、「沖縄はまだ小さくて、西森を運ぶ船がない、鹿児島からその西森を載せる船をやって下さい。」と言って、とうとう勝ったでしょう。「望みは何か。」と言って、「お金も何も望みはないが、ただ一時間でもいいから鹿児島の王様になってみたい。」しかたがなくてね、鹿児島の仮の王様にされたそうですよ。そしたら沖縄から上納の税の証文があるって。それを出せって言ってね、鹿児島の家来どもはみんな怒ってよ、こう剣を出して構えていたそうです。王様が「それはもういいから、いったん男の口から約束してあるから。」ってその証文を持ってきてね。したら、ちりちり破ってしまって、そのときから鹿児島の税は許されたって。
| レコード番号 | 47O374127 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C180 |
| 決定題名 | モーイ親方 難題 一日殿様(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 稲福敏 |
| 話者名かな | いなふくとし |
| 生年月日 | 19910104 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 読谷村都屋 |
| 記録日 | 19770223 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村都屋T02B13 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 鹿児島,沖縄,税,モーイ親方のお父様,雄鶏の卵,灰縄,大きい森,お父さんは産催し,西森,鹿児島の仮の王様,証文 |
| 梗概(こうがい) | 昔は、鹿児島に沖縄はいろいろなものを税として納めよったそうですよ。それで、モーイ親方のお父様が、なんとか位があったそうですよ。そしたら、鹿児島から、沖縄に、ウードゥイぬ卵てえ、雄鶏の卵ね、それから灰縄(へーじな)と言って灰でできた綱ね、また、あっちの首里の方に、何森(むい)だったかね。とにかく大きい森があるさあ。その三つを持ってこいといって鹿児島から命令されて、係の人は非常に心配してね。灰縄だから、「灰でどうして縄ができるかねえ。」と思って、みんな心配して集まっては別れ、集まっては別れして。そしたら、モーイ親方は十五のときに、そこから歩いて遊んで歩いているときに、「おかしい吟味だねえ。もう私ならすぐできるがねえ。」と言って、大きい声で笑ったそうですよ。そしたら、ある一人の方がね、「このモーイ親方を鹿児島にやったさせたらどうかねえ。」と言って。それから、みんな、「そんなバカに出来るか。バカをやったら沖縄が迷惑だよ。」「でも、あんなに言っておるから、もう私ならすぐ出来るがねえとあざ笑っているが、出来ないことはない、きっと出来る。」と言って。それから、鹿児島にやったそうです。十五といったら、昔は男も髪結って、カタカシラとかに直しよったそうです。それから、灰の綱はね、縄をこう燃やしてすぐそのまま持って行って、雄鶏の卵は、「なぜお前の父親やらないでお前が来たか。」と言ったら、「私のお父さんは産催しています。」「男が産催すか。」叱ったら、「なぜ雄鶏の卵持ってこいと言うのか、雄鶏も卵生むか。」と言ってね。それから西森はよ、「沖縄はまだ小さくて、西森を運ぶ船がない、鹿児島からその西森を載せる船をやって下さい。」と言って、とうとう勝ったでしょう。「望みは何か。」と言って、「お金も何も望みはないが、ただ一時間でもいいから鹿児島の王様になってみたい。」しかたがなくてね、鹿児島の仮の王様にされたそうですよ。そしたら沖縄から上納の税の証文があるって。それを出せって言ってね、鹿児島の家来どもはみんな怒ってよ、こう剣を出して構えていたそうです。王様が「それはもういいから、いったん男の口から約束してあるから。」ってその証文を持ってきてね。したら、ちりちり破ってしまって、そのときから鹿児島の税は許されたって。 |
| 全体の記録時間数 | 5:18 |
| 物語の時間数 | 5:18 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |