鬼の子が産まれてね、それが成長して大人になったら人を喰ってしようがなくてね。あるとき、妹が便所に入ろうとすると、妹に、「お前のほとを見たと言って豚があんたを笑うよ。」と言ったので、「たたき殺せ。」と妹が言ったら、本当にその豚を殺して、鬼が豚を殺して喰ったそうだ。妹も薄々は人も殺して喰っているという話を聞いていたようだ。そこで、鬼の所に行ってみると、洞窟で人を殺してクヮタクヮタ煮て、妹にも、「喰え、喰え。」とすすめたそうだ。「ああ、これはもう生かしておけない。殺さなければならない。」と思った。そうして、ムーチーを包んでね、わざと崖淵の上でそのムーチーを煮る大鍋を置いてね、その大鍋にムーチーを煮るための湯を沸かしてね、崖淵の上で煮てね。そうしたら鬼が妹に、「それは何というものか。」と聞いたら、「これは鬼餅というもので、これを煮るんだ。」と答えた。やがて時分になると、その妹は、わざと崖淵の上に鍋を据えて煮ていたからね、お湯がぐらぐら煮たったころ、ムーチーの皮をむいて、妹はそれを噛んでみせてね、「あれ、そんなしてムーチーは食べるのか。」と鬼が聞いたので、「そうだよ、これは鬼を喰う口というんだよ。鬼を喰うムーチーとね。」と妹が答えると、「あれー、あれー。」と叫んで、鬼が後ずさりすると、崖淵から落ちてしまったから、妹が鍋のいっぱい沸かしてあった湯をぶっかけてね、鬼を殺したそうだ。それからムーチーのことを鬼餅という名を付けてあるわけよ。
| レコード番号 | 47O373913 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C171 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 鬼餅由来 |
| 話者名 | 真栄城兼久 |
| 話者名かな | まえしろけんきゅう |
| 生年月日 | 18840329 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村親志 |
| 記録日 | 19770222 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村親志T01B03 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集12上地・親志・都屋の民話 P68 |
| キーワード | 鬼の子,人を喰う,妹,便所,ほとを見た,豚が笑う,たたき殺せ,鬼が豚を殺して喰った,洞窟,ムーチー,崖淵の上,大鍋,湯,鬼餅,鬼を喰う口,鬼を殺した |
| 梗概(こうがい) | 鬼の子が産まれてね、それが成長して大人になったら人を喰ってしようがなくてね。あるとき、妹が便所に入ろうとすると、妹に、「お前のほとを見たと言って豚があんたを笑うよ。」と言ったので、「たたき殺せ。」と妹が言ったら、本当にその豚を殺して、鬼が豚を殺して喰ったそうだ。妹も薄々は人も殺して喰っているという話を聞いていたようだ。そこで、鬼の所に行ってみると、洞窟で人を殺してクヮタクヮタ煮て、妹にも、「喰え、喰え。」とすすめたそうだ。「ああ、これはもう生かしておけない。殺さなければならない。」と思った。そうして、ムーチーを包んでね、わざと崖淵の上でそのムーチーを煮る大鍋を置いてね、その大鍋にムーチーを煮るための湯を沸かしてね、崖淵の上で煮てね。そうしたら鬼が妹に、「それは何というものか。」と聞いたら、「これは鬼餅というもので、これを煮るんだ。」と答えた。やがて時分になると、その妹は、わざと崖淵の上に鍋を据えて煮ていたからね、お湯がぐらぐら煮たったころ、ムーチーの皮をむいて、妹はそれを噛んでみせてね、「あれ、そんなしてムーチーは食べるのか。」と鬼が聞いたので、「そうだよ、これは鬼を喰う口というんだよ。鬼を喰うムーチーとね。」と妹が答えると、「あれー、あれー。」と叫んで、鬼が後ずさりすると、崖淵から落ちてしまったから、妹が鍋のいっぱい沸かしてあった湯をぶっかけてね、鬼を殺したそうだ。それからムーチーのことを鬼餅という名を付けてあるわけよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:08 |
| 物語の時間数 | 2:07 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |