お寺にね、一人は男前でね、一人はブスな少年だったらしいがね、小坊主が二人いたんだって。もやしを売っている娘さんがいたらしいのよね。一人の坊さんが行ったら沢山くれて、昔の一升。一人が行ったら普通の商売して売っていたらしい。それが毎日重っていくものだから、そのあんまり重ってくるものだから、この親坊主さんがね、「これ不思議だなあ。」と思って調べてみたら、向こうに娘さんがいたって。「これはいかんなあ。」と思って、綺麗な男の子はお寺から出さないようにしていたらしいのよね。そのもやし屋の娘さんが、もうこがれてね、毎日お寺に通っていたらしい。通っているときも小坊主は修業の途中でしょう。だから出さなかったね。とうとうこのマーミナヤー(もやし屋)の娘さん、死んでしまったらしいですよね。それで、月日がたってからにもう毎日、このお寺の前に幽霊みたいに立っていたらしいね。「これはいかんなあ。もうこの子は一歩外に出したらダメになる。」この親坊主がね。で、とうとう少年も青年になって、国もとから、「お母さん危篤だから帰って来い。」という知らせがあったらしいですよね。これを親坊主はね、「出してしまったらもうおしまいだ。」と言って、絶対出さないもんだから、国もとが嘘をついてそうしたんでしょう。息子は親孝行だから、「どうしても帰ってくる。」と言っているから、「三つの言葉を守ってくれたら帰す。」と言うて、親坊主は約束をさせたらしいですね。何かというたら、「行く途中に木が倒れているからこの木の上にまたがってはいけない。川を渡ってもいけない。その証拠は女の人がいろんな格好で待っているらしい。」と。その男の子がとうとう国もとまで行ったらね、やっぱりお母さん病気じゃなくて見合いで結婚式が待っていたって。とてもうれしい日だのに、なぜか男の人は泣いたりなんかして黙っていたかというたらね、「私はじき死ぬからね、もうこの人とは結婚できないんだよ。」言うて、奥さんなる人に話したらしいですよ。「どうしてですか。」と。「私は実はこうこうして死んだ人に憎まれているから、もうあんたとの結婚はできない。」と。「それだったら大丈夫だから。」その奥さんなる人が。ほら、あんたがた覚えている。鬼をつかまえてね、前に一人、鬼ごっこをするのがあるでしょう。マヤージューケーりち、指(いーび)ぐゎーかんねーかんねーして、あれは前には奥さんらしいですよ。前に立ってね、後ろが旦那さんでね、前に立ってね、つかまえる鬼が死んだ人ね、その人が旦那さんの魂を取るつもりで、一生懸命みんなで村人みんなでかくまっているらしいんですがね。「じゃあね、くれなかったら換えてくれ。」って。なんと換えるかといったら、チョーバン、升を持っていたらしい。「これはとても宝物でいちばん大切だから。」と言って。この角はね、何が出ると、この角は何が出ると教えるけどね、あとののは教えなかったらしい。「なんで教えないか。教えなかったら換えない。」と言うてね、やっぱり奥さんは賢かったんでしょうね。「あんたが話してくれなかったら旦那さんとは交換しない。」とうとう、「この角で人打ったら死ぬ。」ということを言うたんだがね。「世の中でいちばん憎いのはあんただ。」と言うて、幽霊やってからね。だから、それから四角の升で人を殴ってはいけないという。
| レコード番号 | 47O373880 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C170 |
| 決定題名 | 枡の角(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 四つ角で人を打つものではない |
| 話者名 | 城間キク |
| 話者名かな | しろまきく |
| 生年月日 | 19250823 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村大湾 |
| 記録日 | 19770227 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村上地T01B03 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集12上地の民話 P5 |
| キーワード | お寺,一人は男前,一人はブスな少年,小坊主が二人,もやしを売っている娘,親坊主,綺麗な男の子はお寺から出さない,修業の途中,お寺の前に幽霊,母さん危篤,親孝行,三つの言葉,約束,木の上にまたがってはいけない,川を渡ってもいけない,見合い,結婚式,じき死ぬ,死んだ人に憎まれている,鬼ごっこ,マヤージューケー,前には奥さん,後ろが旦那さん,旦那さんの魂を取る,チョーバン,升,宝物,この角で人打ったら死ぬ,四角の升で人を殴ってはいけない |
| 梗概(こうがい) | お寺にね、一人は男前でね、一人はブスな少年だったらしいがね、小坊主が二人いたんだって。もやしを売っている娘さんがいたらしいのよね。一人の坊さんが行ったら沢山くれて、昔の一升。一人が行ったら普通の商売して売っていたらしい。それが毎日重っていくものだから、そのあんまり重ってくるものだから、この親坊主さんがね、「これ不思議だなあ。」と思って調べてみたら、向こうに娘さんがいたって。「これはいかんなあ。」と思って、綺麗な男の子はお寺から出さないようにしていたらしいのよね。そのもやし屋の娘さんが、もうこがれてね、毎日お寺に通っていたらしい。通っているときも小坊主は修業の途中でしょう。だから出さなかったね。とうとうこのマーミナヤー(もやし屋)の娘さん、死んでしまったらしいですよね。それで、月日がたってからにもう毎日、このお寺の前に幽霊みたいに立っていたらしいね。「これはいかんなあ。もうこの子は一歩外に出したらダメになる。」この親坊主がね。で、とうとう少年も青年になって、国もとから、「お母さん危篤だから帰って来い。」という知らせがあったらしいですよね。これを親坊主はね、「出してしまったらもうおしまいだ。」と言って、絶対出さないもんだから、国もとが嘘をついてそうしたんでしょう。息子は親孝行だから、「どうしても帰ってくる。」と言っているから、「三つの言葉を守ってくれたら帰す。」と言うて、親坊主は約束をさせたらしいですね。何かというたら、「行く途中に木が倒れているからこの木の上にまたがってはいけない。川を渡ってもいけない。その証拠は女の人がいろんな格好で待っているらしい。」と。その男の子がとうとう国もとまで行ったらね、やっぱりお母さん病気じゃなくて見合いで結婚式が待っていたって。とてもうれしい日だのに、なぜか男の人は泣いたりなんかして黙っていたかというたらね、「私はじき死ぬからね、もうこの人とは結婚できないんだよ。」言うて、奥さんなる人に話したらしいですよ。「どうしてですか。」と。「私は実はこうこうして死んだ人に憎まれているから、もうあんたとの結婚はできない。」と。「それだったら大丈夫だから。」その奥さんなる人が。ほら、あんたがた覚えている。鬼をつかまえてね、前に一人、鬼ごっこをするのがあるでしょう。マヤージューケーりち、指(いーび)ぐゎーかんねーかんねーして、あれは前には奥さんらしいですよ。前に立ってね、後ろが旦那さんでね、前に立ってね、つかまえる鬼が死んだ人ね、その人が旦那さんの魂を取るつもりで、一生懸命みんなで村人みんなでかくまっているらしいんですがね。「じゃあね、くれなかったら換えてくれ。」って。なんと換えるかといったら、チョーバン、升を持っていたらしい。「これはとても宝物でいちばん大切だから。」と言って。この角はね、何が出ると、この角は何が出ると教えるけどね、あとののは教えなかったらしい。「なんで教えないか。教えなかったら換えない。」と言うてね、やっぱり奥さんは賢かったんでしょうね。「あんたが話してくれなかったら旦那さんとは交換しない。」とうとう、「この角で人打ったら死ぬ。」ということを言うたんだがね。「世の中でいちばん憎いのはあんただ。」と言うて、幽霊やってからね。だから、それから四角の升で人を殴ってはいけないという。 |
| 全体の記録時間数 | 5:05 |
| 物語の時間数 | 5:05 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |