シカマグチ、あれはね、親がやがてお産というときに、お腹の内で、「お母さん、私が産まれるときに、貴方は苦労しますね。」と言ったそうだ。シカマグチがね、「これはもうお腹の中で物を言うとは、何だろう。」と親はとても苦にしていた。そして、産まれる日になって子供を産もうとしているのだが、ちゃんと産まれないで、子を産むために親は亡くなった。亡くなった親は、そのまま墓に入れたそうだ。墓の近くに店があったようだ。それから三日間は、そこで、毎日時間を作って、お菓子を買って行く女がいた。「珍しいことだ。毎日、お菓子を買って行く人もいる。」と、感心して後を追ったようだ。すると、墓に入って行ったということで、この店の人が連絡したようだ。「貴方たちの墓に、おかしい者がいますよ。」と言った。主は侍だったのでしょう。「どういうおかしい者とあなた方は分かるか。」と言ったので、「毎日、時間を作って、お菓子を買いに来ますよ。」と言った。それで、「お菓子を買うときは、本当のお金だけど、帰ってしまうとウチカビになりますよ。」と、お金もウチカビも見せたりしていた。それで、墓に入れて、三日目に水まきに行ったとき、墓の中で、ンガーンガーしてとても泣いていたようだ。「さあ大変、墓の中で泣いているが、これはもう墓を開けて見ないといけない。」とね。棺桶の側から、ンガーンガーしてはいずっていたようだ。そうして、祖父母が連れ出して、その子を家で育てた。この子はどういうことだったのか、黄金で作られていた。その子は大きくなると、後生と現世とを半分づつ通って、後生半分、現世半分というふうに行ったり来たりしていた。このシカマグチという人は、唐の国へ勉強に行くと、生きている人と後生の人が相撲をしたようだ。それで、唐の国では、「現世と後生は同じではいけない。これは現世と後生を分けないといけない。」といわれた。その人が勉強してきて、真玉橋へ行って、「生き身も後生もここに集まりなさい。」と、みんな真玉橋という所に集めたようだ。もう沢山来たそうだ。そこで、唐で教わった引き鐘を大きくたたいたので、後生の人は蛍のように川にバンバン落ちて、生きている人はこのまま立って、残っていたという話である。「これは生き身だよ、生き身と後生とは分けてあるので、これからは別に生活していきなさい。」と、墓で生まれたシカマグチが、生き身と後生とを分けたという話を聞いた。
| レコード番号 | 47O373654 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C160 |
| 決定題名 | テーラシカマグチ(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | テーラシカマグチ |
| 話者名 | 比嘉カマド |
| 話者名かな | ひがかまど |
| 生年月日 | 19120720 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村楚辺 |
| 記録日 | 19881214 |
| 記録者の所属組織 | 読谷ゆうがおの会 |
| 元テープ番号 | 読谷村楚辺T11B14 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集11楚辺の民話 P59 |
| キーワード | シカマグチ,お腹の中で物を言う,親は亡くなった,墓,店,お菓子,お金,ウチカビ,三日目に水まき,棺桶,後生と現世,唐の国へ勉強,相撲,真玉橋 |
| 梗概(こうがい) | シカマグチ、あれはね、親がやがてお産というときに、お腹の内で、「お母さん、私が産まれるときに、貴方は苦労しますね。」と言ったそうだ。シカマグチがね、「これはもうお腹の中で物を言うとは、何だろう。」と親はとても苦にしていた。そして、産まれる日になって子供を産もうとしているのだが、ちゃんと産まれないで、子を産むために親は亡くなった。亡くなった親は、そのまま墓に入れたそうだ。墓の近くに店があったようだ。それから三日間は、そこで、毎日時間を作って、お菓子を買って行く女がいた。「珍しいことだ。毎日、お菓子を買って行く人もいる。」と、感心して後を追ったようだ。すると、墓に入って行ったということで、この店の人が連絡したようだ。「貴方たちの墓に、おかしい者がいますよ。」と言った。主は侍だったのでしょう。「どういうおかしい者とあなた方は分かるか。」と言ったので、「毎日、時間を作って、お菓子を買いに来ますよ。」と言った。それで、「お菓子を買うときは、本当のお金だけど、帰ってしまうとウチカビになりますよ。」と、お金もウチカビも見せたりしていた。それで、墓に入れて、三日目に水まきに行ったとき、墓の中で、ンガーンガーしてとても泣いていたようだ。「さあ大変、墓の中で泣いているが、これはもう墓を開けて見ないといけない。」とね。棺桶の側から、ンガーンガーしてはいずっていたようだ。そうして、祖父母が連れ出して、その子を家で育てた。この子はどういうことだったのか、黄金で作られていた。その子は大きくなると、後生と現世とを半分づつ通って、後生半分、現世半分というふうに行ったり来たりしていた。このシカマグチという人は、唐の国へ勉強に行くと、生きている人と後生の人が相撲をしたようだ。それで、唐の国では、「現世と後生は同じではいけない。これは現世と後生を分けないといけない。」といわれた。その人が勉強してきて、真玉橋へ行って、「生き身も後生もここに集まりなさい。」と、みんな真玉橋という所に集めたようだ。もう沢山来たそうだ。そこで、唐で教わった引き鐘を大きくたたいたので、後生の人は蛍のように川にバンバン落ちて、生きている人はこのまま立って、残っていたという話である。「これは生き身だよ、生き身と後生とは分けてあるので、これからは別に生活していきなさい。」と、墓で生まれたシカマグチが、生き身と後生とを分けたという話を聞いた。 |
| 全体の記録時間数 | 5:32 |
| 物語の時間数 | 5:32 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |