モーイ親方 殿様の難題(シマグチ)

概要

親のところに今度、支那からいろんな問題がきて、「モーヤーどうするか。心配だが。」「何の
ことですか。」「これは丸太棒の根っこと先を調べなさいと丸太がきているが、私は切り口の模様を見ても全く分からない。どうしようか。」「あっそうですか。心配なさらないで下さい。」と親をなぐさめた。「お前分かるのか。」「んー私は分からないが心配なさらないで下さい。」「それでも心配しないといけない。それをどうして決めるか。」と話は終わった。そして、夜の夜中にこの木を引っ張って行って首里の下のリングムイで浮けてみた。根っこのところにね、釘を打って印をつけて、引っ張って行って親に言ったようだ。「どこが根っこで、どこが梢です。」と。役人は決まっているでしょう。「梢と根っこお前はどうして分かるのか。」と聞くと、「水に浮けて下さい。水に入れると根っこは沈んで、先の方は浮くでしょう。それだけで分かりますよ。これは誰がでも、目で見て先なのか、根っこなのか試験しない限りは分からないので私も試験しましたので。」と、自分一人でやったようだ。それから、親が、「ありがとう。」と言った。とうとう薩摩の連絡もきたので根っこに釘を打ってね、「ここが根っこです。」と言うと、「お前はどうして分かるか。」と聞いた。そして今度は前にして水の中に入れて、「沈む所は根っこ、浮く所は梢になっています。間違いありません。」と答えた。そして、試験は合格。やっぱり向こうからも、沈む所は根っこ、浮く所は先というふうに答がきたようだ。そのときから、親は信用してモーヤーはいつも遊んでいるようだが、やっぱり遊ぶにしても、夜、人に気づかれないように苦学したという話である。その後は灰縄御用の話は、灰でも縄ができるのかと、もう皆びっくりした。それもモーヤーの考えで、「綱を綯って焼いて下さい。」とあった。ちゃんとコンクリートか、地の上に置いてそのまま焼いたようだ。そうして灰縄を作った。灰で縄を綯ったということで灰縄御用である。それから恩納山の話は、ひとつの物考えを試そうというので恩納山を内地の薩摩にぜひ持ってきなさいと言って来た。それも親はどのように答えようかと心配した。その答は、「これだけの沖縄に、恩納山を積んでいく船がなくて、引越しやろうと思っても根をおこす杭もなくて、杭と船と積む段どりはお願いします。そのあとにすぐ私達は恩納山を薩摩に送ります。」と言った。「なるほど、これも負けた。」と。これも道理はあっている。その時には、モーヤーの親は三司官といって、その役目であった。それで恩納山とか、灰縄とか丸太棒の問題は、モーヤーが全部解答したということである。ようやく、この自分の親の勤めは終わって、沢山の品物が送られて来て、盛大に表彰がきたらしいよ。それで、親はこれも一人の考えではなく、モーヤーのおかげでこのように出来た。そしてモーヤーも、大きく成長して、沖縄をこのように救ったので、三役に任ぜられるようになった。もう偉い位につき、モーイ親方という名もその後からついたという話である。その前は伊野波モーヤー、伊野波モーヤーと話はあるが、伊野波親方の話はそういうふうになったらしい。

再生時間:6:25

民話詳細DATA

レコード番号 47O373601
CD番号 47O37C158
決定題名 モーイ親方 殿様の難題(シマグチ)
話者がつけた題名 モーイ親方
話者名 比嘉清次郎
話者名かな ひがせいじろう
生年月日 19100320
性別
出身地 沖縄県読谷村楚辺
記録日 19770220
記録者の所属組織 読谷村民話調査団
元テープ番号 読谷村楚辺T10B01
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 笑話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 親,支那,問題,モーヤー,丸太棒の根っこと先,切り口の模様,首里の下のリングムイ,根っこに釘,梢,薩摩,苦学,灰縄御用,恩納山,船,親は三司官,伊野波モーヤー,伊野波親方
梗概(こうがい) 親のところに今度、支那からいろんな問題がきて、「モーヤーどうするか。心配だが。」「何の ことですか。」「これは丸太棒の根っこと先を調べなさいと丸太がきているが、私は切り口の模様を見ても全く分からない。どうしようか。」「あっそうですか。心配なさらないで下さい。」と親をなぐさめた。「お前分かるのか。」「んー私は分からないが心配なさらないで下さい。」「それでも心配しないといけない。それをどうして決めるか。」と話は終わった。そして、夜の夜中にこの木を引っ張って行って首里の下のリングムイで浮けてみた。根っこのところにね、釘を打って印をつけて、引っ張って行って親に言ったようだ。「どこが根っこで、どこが梢です。」と。役人は決まっているでしょう。「梢と根っこお前はどうして分かるのか。」と聞くと、「水に浮けて下さい。水に入れると根っこは沈んで、先の方は浮くでしょう。それだけで分かりますよ。これは誰がでも、目で見て先なのか、根っこなのか試験しない限りは分からないので私も試験しましたので。」と、自分一人でやったようだ。それから、親が、「ありがとう。」と言った。とうとう薩摩の連絡もきたので根っこに釘を打ってね、「ここが根っこです。」と言うと、「お前はどうして分かるか。」と聞いた。そして今度は前にして水の中に入れて、「沈む所は根っこ、浮く所は梢になっています。間違いありません。」と答えた。そして、試験は合格。やっぱり向こうからも、沈む所は根っこ、浮く所は先というふうに答がきたようだ。そのときから、親は信用してモーヤーはいつも遊んでいるようだが、やっぱり遊ぶにしても、夜、人に気づかれないように苦学したという話である。その後は灰縄御用の話は、灰でも縄ができるのかと、もう皆びっくりした。それもモーヤーの考えで、「綱を綯って焼いて下さい。」とあった。ちゃんとコンクリートか、地の上に置いてそのまま焼いたようだ。そうして灰縄を作った。灰で縄を綯ったということで灰縄御用である。それから恩納山の話は、ひとつの物考えを試そうというので恩納山を内地の薩摩にぜひ持ってきなさいと言って来た。それも親はどのように答えようかと心配した。その答は、「これだけの沖縄に、恩納山を積んでいく船がなくて、引越しやろうと思っても根をおこす杭もなくて、杭と船と積む段どりはお願いします。そのあとにすぐ私達は恩納山を薩摩に送ります。」と言った。「なるほど、これも負けた。」と。これも道理はあっている。その時には、モーヤーの親は三司官といって、その役目であった。それで恩納山とか、灰縄とか丸太棒の問題は、モーヤーが全部解答したということである。ようやく、この自分の親の勤めは終わって、沢山の品物が送られて来て、盛大に表彰がきたらしいよ。それで、親はこれも一人の考えではなく、モーヤーのおかげでこのように出来た。そしてモーヤーも、大きく成長して、沖縄をこのように救ったので、三役に任ぜられるようになった。もう偉い位につき、モーイ親方という名もその後からついたという話である。その前は伊野波モーヤー、伊野波モーヤーと話はあるが、伊野波親方の話はそういうふうになったらしい。
全体の記録時間数 6:26
物語の時間数 6:25
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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