昔ですな、非常に親不孝の者がいたそうですがな。して、いつもお母さんをいじめて、お母さんは非常
に苦労なされて。そうしてある日、「私は山に薪取りに行くから、遅くまでおるからお昼は山に持って来なさい。」と言うて、山に行ったそうですね。そこでお母さんはいつもこれに叱りとおしだから、お昼になって、もうお母さんは非常に早く行こうというておるが、遅くなって。そしてこの子供は腹が減っておるんだから、木の下にちょっと横たわって、そして考えておったそうですが。その子供が横たわっておると、上に烏がいたそうです。で、そこに烏が子供を産んでいて、烏だけはすぐ子供を産むと、親は毛は全部抜けてしまって飛べないそうです。だからまた子供は非常にすぐ毛は生えて飛ぶが、親は飛びきれんから、親が毛が生える間は子供達が餌を拾ってきて、その親にあげよったそうです。そこで、あんまり沢山来てこんなにするが、どうしたもんかなというて木に登って巣を見たところ、やっぱり烏が子供を産んでやって、子供達が親に餌を与えたから、「ああそうかなあ、親に元気のない時はやはり子供が、世話するのはあたりまえだなあ。ああこれは今まで私がやったことは間違っておった。」と言うて。それから、お母さんは時間も遅くなって、またこれに怒られると思って、夜も山に駆け足なってこられたそうです。そこへその子供はまた、「お母さんこんな遠い所まで来られるのはいかん。」と思って、早く駆け足になってお母さんを迎えに行ったら、そのお母さんはまた遅くなっておるから、駆け足になって来た息子を見て、私をいじめに来ると思うてですなあ、すぐ側にですな大きな池があったそうです。そうしてその池に、お母さんは飛び込んでしまって、またそれから分からなくなった。一週間の間捜しても、どこにもお母さんは見つからない。お母さんが溺れた付近にですな、一週間見て、木の板切れがですな、こんなこんなして浮いておったそうです。「まあ一週間の間やっても見られない。この板切れを持って家帰って、そして仏壇にあげて、お母さんの冥福を祈ろう。」というて、これから位牌というのが始まって。始まりは、葬式する場合の位牌は簡単でしょ。ちょうどあのようにあんな板切れだったそうです。今はどの家でも位牌というのは立派でしょう。あれはこんなにして子孫の魂、位牌ですから言うて、生きておる人間があれを改良して立派に作ったもんであって、初めはその板切れであったそうです。そこで死ぬ時には、これが位牌の始まりと言ってですね、あの板切れを簡単でやっておったという。
| レコード番号 | 47O373591 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C157 |
| 決定題名 | 位牌由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 位牌由来 |
| 話者名 | 松田平信 |
| 話者名かな | まつだへいしん |
| 生年月日 | 18931201 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村楚辺 |
| 記録日 | 19770220 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村楚辺T09B02 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 非常に親不孝の者,お母さんいじめ,山に薪取り,烏が子供,子供達が親に餌,大きな池,溺れた,板切れ,冥福,位牌 |
| 梗概(こうがい) | 昔ですな、非常に親不孝の者がいたそうですがな。して、いつもお母さんをいじめて、お母さんは非常 に苦労なされて。そうしてある日、「私は山に薪取りに行くから、遅くまでおるからお昼は山に持って来なさい。」と言うて、山に行ったそうですね。そこでお母さんはいつもこれに叱りとおしだから、お昼になって、もうお母さんは非常に早く行こうというておるが、遅くなって。そしてこの子供は腹が減っておるんだから、木の下にちょっと横たわって、そして考えておったそうですが。その子供が横たわっておると、上に烏がいたそうです。で、そこに烏が子供を産んでいて、烏だけはすぐ子供を産むと、親は毛は全部抜けてしまって飛べないそうです。だからまた子供は非常にすぐ毛は生えて飛ぶが、親は飛びきれんから、親が毛が生える間は子供達が餌を拾ってきて、その親にあげよったそうです。そこで、あんまり沢山来てこんなにするが、どうしたもんかなというて木に登って巣を見たところ、やっぱり烏が子供を産んでやって、子供達が親に餌を与えたから、「ああそうかなあ、親に元気のない時はやはり子供が、世話するのはあたりまえだなあ。ああこれは今まで私がやったことは間違っておった。」と言うて。それから、お母さんは時間も遅くなって、またこれに怒られると思って、夜も山に駆け足なってこられたそうです。そこへその子供はまた、「お母さんこんな遠い所まで来られるのはいかん。」と思って、早く駆け足になってお母さんを迎えに行ったら、そのお母さんはまた遅くなっておるから、駆け足になって来た息子を見て、私をいじめに来ると思うてですなあ、すぐ側にですな大きな池があったそうです。そうしてその池に、お母さんは飛び込んでしまって、またそれから分からなくなった。一週間の間捜しても、どこにもお母さんは見つからない。お母さんが溺れた付近にですな、一週間見て、木の板切れがですな、こんなこんなして浮いておったそうです。「まあ一週間の間やっても見られない。この板切れを持って家帰って、そして仏壇にあげて、お母さんの冥福を祈ろう。」というて、これから位牌というのが始まって。始まりは、葬式する場合の位牌は簡単でしょ。ちょうどあのようにあんな板切れだったそうです。今はどの家でも位牌というのは立派でしょう。あれはこんなにして子孫の魂、位牌ですから言うて、生きておる人間があれを改良して立派に作ったもんであって、初めはその板切れであったそうです。そこで死ぬ時には、これが位牌の始まりと言ってですね、あの板切れを簡単でやっておったという。 |
| 全体の記録時間数 | 5:34 |
| 物語の時間数 | 5:34 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |