話千両(シマグチ)

概要

昔ね、ある村に夫婦いたようだが、貧しかったので、皆は税金も払っているが、その夫婦は税金も払え
なかったようだ。その人はどうにかして働いて、皆のように税金も納めることが同じ人間であると考えて、夫婦で相談して夫は儲けるために旅へ出た。そして、一カ年に三十両の約束である所で働いたようだ。そして、一カ年が過ぎたので家にいる妻子に会ってこなければと思った。三十両を主人からもらって、ゆっくりゆっくり歩いていた。もう今みたいに道もよくないし、乗り物といってもないので、旅するにも歩いていたわけだ。そうしているうちに日も暮れてたので、ある家に寄って、「一夜でも泊めて下さい。」とお願いをした。「んー、泊めることは泊めるが、あなたは、私の話を買うか。話を買うのであれば泊めるが。」「話だのに、そんなに高くはないでしょう。」と考えた。「買うので泊めて下さい。」と言った。「雨が降るときは、岩宿はするなよ。」と言った。雨が降るときは岩の下に雨宿りはやっていけないという意味だね。岩宿はね。それだけ言って、「はい十両。」と言って、約束なのでもうそれだけで十両を払った。それからゆっくりゆっくり、歩いてある港に来た。そこの港から船で行こうか、また遠まわりをしようかと考えているうちに、日が暮れてしまった。ある家に寄って、「もう泊めて下さい。」とお願いをした。「泊めることは泊めるが、私の話を買うのであれば泊めてあげる。」と言った。どこへももう寝るところがないので、泊まることにした。その人が言うことには、「急がば廻れ、はい十両。」と言った。その人もただ「急がば廻れ。」と言ってね。それからまた、歩いて、同じように日が暮れて泊まることになった。そこでもまた、「私の話を買うのであれば泊めてあげる。」「買います。」と。そして、「短気は損気。」と言って、「はい十両。」と言った。もう一カ年働いて儲けたお金は三十両しかないが、十両ずつ三回話を買ったので、家へ持っていくお金はなくなってしまった。もう妻にどのようにして話をすればいいか困ってしまった。そして、家へ帰った。家では男、女そろって沢山の御馳走を作ってあった。それを見て、夫は、「私は旅へ出てこんなに苦労しているのに、女というものは贅沢しているから、叩き殺してやろう。」と考えていた。一応、棒を持っていたが、「まてよ、『短気は損気』という話、私は買ったので、それをあだにしてはならない。」と思いなおした。どうなってもいいからと行ってみると、妻に、「来たよ。」と言った。「私は昨夜は、貴方が帰ってくる夢を見て、貴方を迎えるために皆そろって、御馳走も作ってあるよ。」と言った。「そうだったのか。」私は『短気は損気』という話を買って聞かずにいなかったとしたら、その棒で殺していたかもしれない。」と思った。やっぱり人は賢くなければ金儲けは出来ないとそのときから感じて、夫婦働いて皆のように税金も納めるようになったということである。

再生時間:5:49

民話詳細DATA

レコード番号 47O373513
CD番号 47O37C152
決定題名 話千両(シマグチ)
話者がつけた題名 話しを買った人の話
話者名 松田平信
話者名かな まつだへいしん
生年月日 18931201
性別
出身地 沖縄県読谷村楚辺
記録日 19770220
記録者の所属組織 読谷村民話調査団
元テープ番号 読谷村楚辺T05B04
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話
発句(ほっく) んかしあるむらなかい
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集11楚辺の民話 P135
キーワード 夫婦,貧しい,税金も払えない,一カ年に三十両の約束,話を買う,雨,岩の下に雨宿りはするな,急がば廻れ,短気は損気,沢山の御馳走,贅沢,叩き殺す,妻
梗概(こうがい) 昔ね、ある村に夫婦いたようだが、貧しかったので、皆は税金も払っているが、その夫婦は税金も払え なかったようだ。その人はどうにかして働いて、皆のように税金も納めることが同じ人間であると考えて、夫婦で相談して夫は儲けるために旅へ出た。そして、一カ年に三十両の約束である所で働いたようだ。そして、一カ年が過ぎたので家にいる妻子に会ってこなければと思った。三十両を主人からもらって、ゆっくりゆっくり歩いていた。もう今みたいに道もよくないし、乗り物といってもないので、旅するにも歩いていたわけだ。そうしているうちに日も暮れてたので、ある家に寄って、「一夜でも泊めて下さい。」とお願いをした。「んー、泊めることは泊めるが、あなたは、私の話を買うか。話を買うのであれば泊めるが。」「話だのに、そんなに高くはないでしょう。」と考えた。「買うので泊めて下さい。」と言った。「雨が降るときは、岩宿はするなよ。」と言った。雨が降るときは岩の下に雨宿りはやっていけないという意味だね。岩宿はね。それだけ言って、「はい十両。」と言って、約束なのでもうそれだけで十両を払った。それからゆっくりゆっくり、歩いてある港に来た。そこの港から船で行こうか、また遠まわりをしようかと考えているうちに、日が暮れてしまった。ある家に寄って、「もう泊めて下さい。」とお願いをした。「泊めることは泊めるが、私の話を買うのであれば泊めてあげる。」と言った。どこへももう寝るところがないので、泊まることにした。その人が言うことには、「急がば廻れ、はい十両。」と言った。その人もただ「急がば廻れ。」と言ってね。それからまた、歩いて、同じように日が暮れて泊まることになった。そこでもまた、「私の話を買うのであれば泊めてあげる。」「買います。」と。そして、「短気は損気。」と言って、「はい十両。」と言った。もう一カ年働いて儲けたお金は三十両しかないが、十両ずつ三回話を買ったので、家へ持っていくお金はなくなってしまった。もう妻にどのようにして話をすればいいか困ってしまった。そして、家へ帰った。家では男、女そろって沢山の御馳走を作ってあった。それを見て、夫は、「私は旅へ出てこんなに苦労しているのに、女というものは贅沢しているから、叩き殺してやろう。」と考えていた。一応、棒を持っていたが、「まてよ、『短気は損気』という話、私は買ったので、それをあだにしてはならない。」と思いなおした。どうなってもいいからと行ってみると、妻に、「来たよ。」と言った。「私は昨夜は、貴方が帰ってくる夢を見て、貴方を迎えるために皆そろって、御馳走も作ってあるよ。」と言った。「そうだったのか。」私は『短気は損気』という話を買って聞かずにいなかったとしたら、その棒で殺していたかもしれない。」と思った。やっぱり人は賢くなければ金儲けは出来ないとそのときから感じて、夫婦働いて皆のように税金も納めるようになったということである。
全体の記録時間数 5:52
物語の時間数 5:49
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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