モーイ親方(シマグチ)

概要

昔は沖縄は唐の子孫ということで唐に税金を納めなければいけなかった。いえばモーイの親は、沖縄の大将だったそうだ。それで、親に唐からの注文で雄鶏の卵と弁の御嶽の二つを唐に持ってきなさいと命令がきた。もう親は雄鶏の卵といってもあるか分からない。また弁の御嶽、こんなに大きいものをどのように壊して持っていくのかとても心配し苦労なさっていた。その子盛毛はバカなふりをして、昼は遊び勉強は夜やっていた。そして、親がとても心配しているのを聞いて、「心配なさらないで下さい。貴方が出来ないのであれば親も子もひとつなので親の身代わりとして私が行ってきます。」と言った。「そうか、お前がね。」親にしてみれば、モーイはバカと見ているからね。そうすると母親は大変心配なさってね、モーイが行くとなったので、あの寺、この寺へ行き御願いをした。もう毎日休む暇もなく母親は寺まわりをした。そこで、この盛毛はお母さんが夜休んでいびきをかいて寝ている最中に、「お母さん、お母さん。」と起こして起きると何も言わない。また眠ると、「お母さん、お母さん。」と何度も起こしたが、盛毛は何も言わなかったようだ。お母さんも怒って、「人を起こして理由があったら何か言いなさい。そのようにして人は昼は疲れているのに起こすのか。」と。「貴方はこんなに怒っているが、貴方が怒っているのと同じく御願でも祖先に対して一回でいい。あの寺行ったり、この寺行ったり、神様も怒るのだから止めて下さい。」と言った。「あっそうか。」とお母さんは言った。親があっち行ったり、こっち行ったりするのを見かねてそう言ったわけだ。そうして親の身代わりとして唐に行った。そこに着くと、「お前の親は来ないで、お前が来たのか。」と言ったので、「親は産気づいて私が来ました。」と答えた。「それで男の親でも産気づくのか。」と言ったので、「そうですね、貴方たちは雄鶏の卵御用とおっしゃるのに。」と返した。「この人は変わっている。」と唐でいろいろ御馳走でもてなされた。最初は、いえば男は煙草を吸うので、火のお茶受けだと煙草盆を出されたので、口にくわえて火鉢の中へ入れたそうだ。それから、魚ね。どんぶりに入れて、それも生き物なので食べることは出来ないが、モーイはお茶を飲みながら、何もかも箸でつついて、パタッと動いたりして楽しみだったようだ。そして、「これを沖縄に返したら、どんなことをするか分からないので、ここで殺さないといけない。」と考え殺すことになった。この人は武士でもあったそうだ。そして唐の王様が、「あなたの望みはないか。」と言ったので、「あります。」「何が望みか。」と言ったので、「ちょうど一日だけでいいので唐の王様にして下さい。」とお願いをしたそうなので、「そうするか。」と言った。そうして、「ここ五年間は沖縄から税金を取ってはいけない。」と命令をした。一日だけ唐の王になっているでしょう。それから家に帰ってきて、五年間は沖縄は税金をまぬがれたという話である。

再生時間:6:14

民話詳細DATA

レコード番号 47O373512
CD番号 47O37C152
決定題名 モーイ親方(シマグチ)
話者がつけた題名 モーイ親方
話者名 松田平信
話者名かな まつだへいしん
生年月日 18931201
性別
出身地 沖縄県読谷村楚辺
記録日 19770220
記録者の所属組織 読谷村民話調査団
元テープ番号 読谷村楚辺T05B03
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 笑話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 読谷村民話資料集11楚辺の民話 P140
キーワード 沖縄は唐の子孫,唐に税金を納める,モーイの親,沖縄の大将,唐からの注文,雄鶏の卵,弁の御嶽,親の身代わり,モーイはバカ,母親は大変心配,産気,煙草盆,火鉢,魚,望み,ど一日唐の王様,税金
梗概(こうがい) 昔は沖縄は唐の子孫ということで唐に税金を納めなければいけなかった。いえばモーイの親は、沖縄の大将だったそうだ。それで、親に唐からの注文で雄鶏の卵と弁の御嶽の二つを唐に持ってきなさいと命令がきた。もう親は雄鶏の卵といってもあるか分からない。また弁の御嶽、こんなに大きいものをどのように壊して持っていくのかとても心配し苦労なさっていた。その子盛毛はバカなふりをして、昼は遊び勉強は夜やっていた。そして、親がとても心配しているのを聞いて、「心配なさらないで下さい。貴方が出来ないのであれば親も子もひとつなので親の身代わりとして私が行ってきます。」と言った。「そうか、お前がね。」親にしてみれば、モーイはバカと見ているからね。そうすると母親は大変心配なさってね、モーイが行くとなったので、あの寺、この寺へ行き御願いをした。もう毎日休む暇もなく母親は寺まわりをした。そこで、この盛毛はお母さんが夜休んでいびきをかいて寝ている最中に、「お母さん、お母さん。」と起こして起きると何も言わない。また眠ると、「お母さん、お母さん。」と何度も起こしたが、盛毛は何も言わなかったようだ。お母さんも怒って、「人を起こして理由があったら何か言いなさい。そのようにして人は昼は疲れているのに起こすのか。」と。「貴方はこんなに怒っているが、貴方が怒っているのと同じく御願でも祖先に対して一回でいい。あの寺行ったり、この寺行ったり、神様も怒るのだから止めて下さい。」と言った。「あっそうか。」とお母さんは言った。親があっち行ったり、こっち行ったりするのを見かねてそう言ったわけだ。そうして親の身代わりとして唐に行った。そこに着くと、「お前の親は来ないで、お前が来たのか。」と言ったので、「親は産気づいて私が来ました。」と答えた。「それで男の親でも産気づくのか。」と言ったので、「そうですね、貴方たちは雄鶏の卵御用とおっしゃるのに。」と返した。「この人は変わっている。」と唐でいろいろ御馳走でもてなされた。最初は、いえば男は煙草を吸うので、火のお茶受けだと煙草盆を出されたので、口にくわえて火鉢の中へ入れたそうだ。それから、魚ね。どんぶりに入れて、それも生き物なので食べることは出来ないが、モーイはお茶を飲みながら、何もかも箸でつついて、パタッと動いたりして楽しみだったようだ。そして、「これを沖縄に返したら、どんなことをするか分からないので、ここで殺さないといけない。」と考え殺すことになった。この人は武士でもあったそうだ。そして唐の王様が、「あなたの望みはないか。」と言ったので、「あります。」「何が望みか。」と言ったので、「ちょうど一日だけでいいので唐の王様にして下さい。」とお願いをしたそうなので、「そうするか。」と言った。そうして、「ここ五年間は沖縄から税金を取ってはいけない。」と命令をした。一日だけ唐の王になっているでしょう。それから家に帰ってきて、五年間は沖縄は税金をまぬがれたという話である。
全体の記録時間数 6:14
物語の時間数 6:14
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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