昔ね、あるところに継子がいたようだが、その継子は大変な親孝行の子だそうだ。継子なので親にとて
もいじわるされて、雪が降る大変寒いときでも、「垣根から雪を降ろしておいで。」と言い付けて、また、「海で潮を汲んでこい。」と潮汲みにも行かした。そのようにして、もうすごく雪が降って寒いので、もう殺すつもりだったようだ。そうだったが、社会を廻って、悪い者は罰を与え、良い人には褒美を与える役目の巡視官がいらしたそうだ。そして、その子は雪の降る中、もう凍え死にかかって道に倒れているところを、巡視官に見つけられた。巡視官が起こして、自分の着物を脱いで着せてあげ、温まった頃、「どういう理由があってあなたはこうしているのか。」と聞いたので、「実は、小さいときに母親を亡くしました。その後、父親は後妻をめとったが、その人に憎まれて私を殺そうと思ってそのようにしているんだ。自分では殺せないのでね。」「そうだったのか。」と。そして、巡視官は父親を尋ねて行って、「お前の子はああいうことがあったが本当か。」と言ったので、「これは私が使いにやった。」「そうか。」と。そこで、その村に村頭がいたそうだ。その村頭を呼んで、巡視官がなりゆきを聞いてみたようだ。「その子はとても親孝行だが、親がいつもこのようにいじめていますよ。」「そうですか。」と。この巡視官が親を罰しようと思ったが、その子が、「罪にしないで下さい。子供としては親の言いつけも聞くべきであります。罰をしないで許して下さい。」とお願いをした。「お前がそのように言うのであれば、これだけ親に粗末にされても親を思うのであれば、罪を許してあげよう。」と、免れたということである。
| レコード番号 | 47O373510 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C152 |
| 決定題名 | 継子の雪払い(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 継子の雪払い |
| 話者名 | 松田平信 |
| 話者名かな | まつだへいしん |
| 生年月日 | 18931201 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村楚辺 |
| 記録日 | 19770220 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村楚辺T05B01 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | んかしあるとぅくるんかい |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集11楚辺の民話 P84 |
| キーワード | 継子,大変な親孝行,親にいじわる,雪が降る大変寒いとき,大雪,潮汲み,殺す,巡視官,着物,父親,後妻,村頭 |
| 梗概(こうがい) | 昔ね、あるところに継子がいたようだが、その継子は大変な親孝行の子だそうだ。継子なので親にとて もいじわるされて、雪が降る大変寒いときでも、「垣根から雪を降ろしておいで。」と言い付けて、また、「海で潮を汲んでこい。」と潮汲みにも行かした。そのようにして、もうすごく雪が降って寒いので、もう殺すつもりだったようだ。そうだったが、社会を廻って、悪い者は罰を与え、良い人には褒美を与える役目の巡視官がいらしたそうだ。そして、その子は雪の降る中、もう凍え死にかかって道に倒れているところを、巡視官に見つけられた。巡視官が起こして、自分の着物を脱いで着せてあげ、温まった頃、「どういう理由があってあなたはこうしているのか。」と聞いたので、「実は、小さいときに母親を亡くしました。その後、父親は後妻をめとったが、その人に憎まれて私を殺そうと思ってそのようにしているんだ。自分では殺せないのでね。」「そうだったのか。」と。そして、巡視官は父親を尋ねて行って、「お前の子はああいうことがあったが本当か。」と言ったので、「これは私が使いにやった。」「そうか。」と。そこで、その村に村頭がいたそうだ。その村頭を呼んで、巡視官がなりゆきを聞いてみたようだ。「その子はとても親孝行だが、親がいつもこのようにいじめていますよ。」「そうですか。」と。この巡視官が親を罰しようと思ったが、その子が、「罪にしないで下さい。子供としては親の言いつけも聞くべきであります。罰をしないで許して下さい。」とお願いをした。「お前がそのように言うのであれば、これだけ親に粗末にされても親を思うのであれば、罪を許してあげよう。」と、免れたということである。 |
| 全体の記録時間数 | 3:45 |
| 物語の時間数 | 3:45 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |