首里の御殿殿内の家普請の主人は、名護の親方という話があるが、名護の親方ではないと思うよ。首里のある御殿殿内というふうにしないといけないでしょう。大工を使って家普請であったようだ。今でも三時と十時のお茶が出るさあね。大工さんに対するそのお茶のサービスが悪かったそうだよ。しかし、この主人はすでに考えていたようだ。「大工という庶民の人達は日頃は裕福ではないから、最後に褒美をあげよう。その代わり普段はサービスしないでおこうと。」とね。そうして、すでに家は造り終って、新築祝いに大工さんたち全員を招待したようだ。しかし、その前に、棟梁は怒って、「もうここの家はサービスも悪いので嘉例がないようにしよう。床の一本柱を逆にして立てよう。」と考えて、逆にして立ててしまった。そこの主人は逆にしてあることを知っていたが、何も言わなかった。「確かに私が考えている通りなるはずだから文句も言わないでおこう。」と、立てさせてあった。そうして、その夜、酒も飲み始まって、踊りも始まってから、その棟梁は良心の呵責に責められていた。御吸物の蓋をあけると、黄金が入っており、家に帰ってから子どもや妻を喜ばせるためにお金を入れてあったそうだ。あけて見て、びっくりしてしまった。その棟梁も知恵はあるんだからね。「これは、この床柱は替えなければならない。」と思った。主人に嫌な思いをさせないようにしなければならないので、これは間違っていたといえば企みだと分かってしまうので、「私は棟梁として、是非ティーン(注)を持って踊らなければならない。」と(踊りをすることにした)〈ティーンというのは木を削る大工道具だよ聴取「そうか、じゃあがんばれよ。」とティーンを持って踊ったようだ。それで、酔ったふりをして、過ったようにみせかけて、ティーンで床柱を大きく切りつけてしまった。酔ったふりをしてね、そして、主人に、「これは過ってしまいました。明日にでも立て直してあげますので、どうか許して下さい。」と言った。「あゝよくがんばったね。」と、こんなことだったよ、はい!これも終わり。
| レコード番号 | 47O373084 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C133 |
| 決定題名 | 床柱の逆立て(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 床柱の逆立て |
| 話者名 | 照屋寛良 |
| 話者名かな | てるやかんりょう |
| 生年月日 | 19080510 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村座喜味 |
| 記録日 | 19770227 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村座喜味T04B09 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 夕食後に祖父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P98 |
| キーワード | 首里の御殿殿内,家普請,名護の親方,三時と十時のお茶,最後に褒美,新築祝い,棟梁,逆柱,黄金,ティーン踊り,柱に傷 |
| 梗概(こうがい) | 首里の御殿殿内の家普請の主人は、名護の親方という話があるが、名護の親方ではないと思うよ。首里のある御殿殿内というふうにしないといけないでしょう。大工を使って家普請であったようだ。今でも三時と十時のお茶が出るさあね。大工さんに対するそのお茶のサービスが悪かったそうだよ。しかし、この主人はすでに考えていたようだ。「大工という庶民の人達は日頃は裕福ではないから、最後に褒美をあげよう。その代わり普段はサービスしないでおこうと。」とね。そうして、すでに家は造り終って、新築祝いに大工さんたち全員を招待したようだ。しかし、その前に、棟梁は怒って、「もうここの家はサービスも悪いので嘉例がないようにしよう。床の一本柱を逆にして立てよう。」と考えて、逆にして立ててしまった。そこの主人は逆にしてあることを知っていたが、何も言わなかった。「確かに私が考えている通りなるはずだから文句も言わないでおこう。」と、立てさせてあった。そうして、その夜、酒も飲み始まって、踊りも始まってから、その棟梁は良心の呵責に責められていた。御吸物の蓋をあけると、黄金が入っており、家に帰ってから子どもや妻を喜ばせるためにお金を入れてあったそうだ。あけて見て、びっくりしてしまった。その棟梁も知恵はあるんだからね。「これは、この床柱は替えなければならない。」と思った。主人に嫌な思いをさせないようにしなければならないので、これは間違っていたといえば企みだと分かってしまうので、「私は棟梁として、是非ティーン(注)を持って踊らなければならない。」と(踊りをすることにした)〈ティーンというのは木を削る大工道具だよ聴取「そうか、じゃあがんばれよ。」とティーンを持って踊ったようだ。それで、酔ったふりをして、過ったようにみせかけて、ティーンで床柱を大きく切りつけてしまった。酔ったふりをしてね、そして、主人に、「これは過ってしまいました。明日にでも立て直してあげますので、どうか許して下さい。」と言った。「あゝよくがんばったね。」と、こんなことだったよ、はい!これも終わり。 |
| 全体の記録時間数 | 2:41 |
| 物語の時間数 | 2:41 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |