宝物の話(シマグチ)

概要

この話は貧乏者の子が他に奉公に売られて行って、年の晩に、「年に一度の年の晩なので、家へ帰って年を越しなさい。」と、主人に言われて帰された。ある浜辺を通って、潮が干いている海岸辺で、夜も遅いけれど、浜千鳥が多く集まって、チューイ、チューイと鳴いて、真黒くなるほどいたそうだ。家に急いではいるが、浜千鳥が黒山になるほど集まっていたので、海岸に下りてみると人が死んでいたそうだ。「あゝかわいそうに、大晦日に、明日は元旦だというのに、とても気の毒だなあ。」と、赤の他人ではあるけれどこのまま放っておくわけにはいかなかった。根は正直者だから、死んでいる人の顔をタオルでおおって、家まで連れて来た。そうして、その人には父親が一人いたそうだ。「ねえ、お父さん、私はどこそこの海で死んでいた人を、こうして背負って来たよ。」と言うと、「そうか、お前は良い事をした。とても徳がつくよ。さあ家の中に入れなさい。」と言った。それから、親子で、その夜のうちで床をはずして棺箱を造った。棺箱の中に入れて、線香を立てて、夕飯も供えた。もうどこの人か分からないので、夜が明けたら自分たちで葬ってあげるつもりだった。そうして年もとって、もちろん線香も立てて、その人には夕飯も供えた。その親子は眠って、朝起きて、「きょうは荼毘もしようね。」ということであった。そこで、その人を連れては来たが、顔も知らないので、「まず顔でも見てみようか。」と、開けてみると、ピカッと光ったようだ。そうしたらびっくりして、「さあ、これは黄金だ!人ではなくて黄金だ。」とね。親も子も正直の賜物として、黄金を儲けたという話であった。はいっ、これも話はそれだけ。だから、人間正直でなければいけないというひとつの教訓だよ。それで、棺箱には、クヮンチェーとは言わないで、宝物というそうだ。

再生時間:2:57

民話詳細DATA

レコード番号 47O373080
CD番号 47O37C133
決定題名 宝物の話(シマグチ)
話者がつけた題名 宝物の話
話者名 照屋寛良
話者名かな てるやかんりょう
生年月日 19080510
性別
出身地 沖縄県読谷村座喜味
記録日 19770227
記録者の所属組織 読谷村民話調査団
元テープ番号 読谷村座喜味T04B05
元テープ管理者 読谷村立歴史民俗資料館
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情 夕食後に祖父から聞いた。
文字化資料 読谷村民話資料集10座喜味の民話 P189
キーワード 貧乏者の子,奉公,年の晩,浜辺,浜千鳥,人が死んでいた,父親,徳がつく,棺箱,線香,夕飯も供えた,荼毘,黄金だ!人ではなくて黄金だ。」とね。親も子も正直の賜物として、黄金を儲けたという話であった。はいっ、これも話はそれだけ。だから、人間正直でなければいけないというひとつの教訓だよ。それで、棺箱には、クヮンチェーとは言わないで、宝物というそうだ。
梗概(こうがい) この話は貧乏者の子が他に奉公に売られて行って、年の晩に、「年に一度の年の晩なので、家へ帰って年を越しなさい。」と、主人に言われて帰された。ある浜辺を通って、潮が干いている海岸辺で、夜も遅いけれど、浜千鳥が多く集まって、チューイ、チューイと鳴いて、真黒くなるほどいたそうだ。家に急いではいるが、浜千鳥が黒山になるほど集まっていたので、海岸に下りてみると人が死んでいたそうだ。「あゝかわいそうに、大晦日に、明日は元旦だというのに、とても気の毒だなあ。」と、赤の他人ではあるけれどこのまま放っておくわけにはいかなかった。根は正直者だから、死んでいる人の顔をタオルでおおって、家まで連れて来た。そうして、その人には父親が一人いたそうだ。「ねえ、お父さん、私はどこそこの海で死んでいた人を、こうして背負って来たよ。」と言うと、「そうか、お前は良い事をした。とても徳がつくよ。さあ家の中に入れなさい。」と言った。それから、親子で、その夜のうちで床をはずして棺箱を造った。棺箱の中に入れて、線香を立てて、夕飯も供えた。もうどこの人か分からないので、夜が明けたら自分たちで葬ってあげるつもりだった。そうして年もとって、もちろん線香も立てて、その人には夕飯も供えた。その親子は眠って、朝起きて、「きょうは荼毘もしようね。」ということであった。そこで、その人を連れては来たが、顔も知らないので、「まず顔でも見てみようか。」と、開けてみると、ピカッと光ったようだ。そうしたらびっくりして、「さあ、これは黄金だ!人ではなくて黄金だ。」とね。親も子も正直の賜物として、黄金を儲けたという話であった。はいっ、これも話はそれだけ。だから、人間正直でなければいけないというひとつの教訓だよ。それで、棺箱には、クヮンチェーとは言わないで、宝物というそうだ。
全体の記録時間数 2:57
物語の時間数 2:57
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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